誕生・成長・実りを与える!企業の未来を切り拓くオフィ-中田総合法律事務所【オフィスWatch121】

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溜池山王駅から徒歩1分の新築ビルに約80坪のオフィスを構えるのは、「戦略法務」を提唱し、知的情報社会と企業法務の未来を切り拓く中田総合法律事務所。
今回は、代表の中田光一知氏にお話をお伺いすることができた。
1)誕生・成長・実りを与える!企業の未来を切り拓くオフィ
①フランスの会議室!?
②新築のビル
③先生の部屋
2)社長インタビュー
3)内装デザイナーの気になるポイント
4)まとめ

1)誕生・成長・実りを与える!企業の未来を切り拓くオフィ

(取材日 2010年9月10日)

中田総合法律事務所
《事業内容》 事業(会社)再編、コンプライアンス法、知的財産権、戦略法務、一般企業法務等
《サイトURL》 http://www.nakadanet.com/index.shtml

①フランスの会議室!?

Naissance(誕生)、Croissance(成長)、Récoltent(実り)という名前の大中小、計3部屋の会議室が中田総合法律事務所のオフィスには存在する。室内に入ると、壁の1面がピンクやグリーンのパステルカラーに着色され、温かくて優しい雰囲気が漂っている。

法律事務所が持つ固く冷たいイメージとは対極にある会議室を作ることによって、訪れる人々が安心感を持ち、ここに訪れるまで抱いていた気分が一新されるような“空間”の創造にこだわった。そして、「誕生」から「成長」、「実り」という部屋のネーミングは、ここを訪れる人々が、この部屋で過ごす“時間”を表現し、過去から現在、未来へと飛翔していくという願いが込められているのだ。

ちなみに、この壁絵を描かれたのは中田先生の奥様。カッティングシートで木や鳥、そして英文の詩を切り取って貼り絵のようにして描かれたのだそうです。プロの仕事に匹敵する見事なお手並みにビックリ!奥様の手作りというのも、この部屋の優しい雰囲気に繋がっているのかもしれませんね。

②新築のビル

中田総合法律事務所は、昨年出来上がったばかりの真新しいビルに入居している。

ビルの一階ロビーは、まるでホテルのような贅沢な雰囲気。屋上にはルーフガーデンが広がり、とても都心の建物とは思えない空間が広がっている。

「人間の心は、空間に非常に左右されるもの。その空間で時間を過ごす人々が寛げる空間でないと、そこに訪れる方たちに対して安心を提供することはできません。」と語る中田先生。

単に効率性を求めてオフィスを選ぶのではなく、その空間に身を置く人がどのような感覚を持ち得るのかという点にこだわり、オフィスが入居するビルから選定したのである。

ビルの作り一つひとつが非常にゆとりのある設計で、私自身もこのビルに入った瞬間、不思議と気分が落ち着いてリラックスしていました。それまでの都会の雑踏とのギャップが、その効果を増大させているのでしょうね。

③先生の部屋

大きな窓と真っ白な天井と壁が開放的な雰囲気を漂わせる中田先生の部屋。室内には執務デスクと打ち合わせ用の円形のテーブルが設置され、スタッフが働く空間とを仕切る壁は、床から天井まで一面透明ガラスになっている。

この部屋は、個室の機密性を保ちながらも、オフィス全体を一望することができる、見える化にこだわった。目隠しのブラインドを下げて機密性をもたせることも可能だが、いつもは透明ガラスで相互にオープンに見通せるため、オフィス空間は一体に保たれている。訪れるお客様にも、開放的で透明なイメージを抱いていただけるように、あえてこのような作りにしているのである。

ちなみに、部屋に飾ってある2枚の大きな絵は、どちらも円をモチーフにしているもの。円は太陽を例に挙げるようにエネルギーの象徴であることから、プラスのパワーをもらうことができるのだとか。この部屋にいるだけでパワーがもらえてしまうのだなんてお得ですよね!

 取材スタッフの注目ポイント 
スタンディングミーティング
「コミュニケーションは短くこまめに」という思いから始まったスタンディングミーティング。執務スペースには、専用の背の高いデスクが設置されていました。このデスクを設置してから、スタッフ間のコミュニケーションが活性化したそうです。
香り
社内には、アロマディフューザーやルームフレグランスが設置されていて、とてもいい香りが漂っています。働くスタッフや相談に訪れる方がリラックスできそうですね。
見た目もおしゃれで素敵なので、是非当社でも実践してみたいです。
吸音ボード
会議室の壁に掛けられているボード。デザインが施されているので絵のように見えたんですが、これは何と音を吸収する効果のあるボードなのだそう。法律事務所のオフィスで重視される機密性に一役買っているこのボード。とてもおしゃれでインテリアになっています。
ユニバーサルデザイン
このビルの設計はユニバーサルデザインに基づいているのだとか。執務スペースや廊下など、一つひとつの空間がとっても広くとってあります。どんな人にでも優しいオフィスになっていて素敵ですよね。

社長インタビュー

溜池山王駅から徒歩1分の新築ビルに約80坪のオフィスを構えるのは、「戦略法務」を提唱し、知的情報社会と企業法務の未来を切り拓く中田総合法律事務所。今回は、代表の中田光一知氏にお話をお伺いすることができた。

空間と時間が融合するオフィス

沖田
ビル外観を見て一階のロビーに入った時、とてもオフィスとは思えない贅沢な作りのビルで驚きました。

先生
移転の際、このビルに決めた理由のひとつがまさにその部分でした。一般的なオフィスビルであれば、限られた空間をできるだけ有効利用しようとしますが、このビルは敢えてそれに逆行するように、効率よりも空間の豊かさを大切にしているのです。

沖田
どうしてそこがポイントだったのでしょうか。

先生
自オフィスは、スタッフが人生の大半の時間を費やす空間です。オフィスで過ごす時間は、多くの場合、自宅にいる時間よりも長いんです。空間は人間の心身に大きな影響を与えるものですから、まずそこで過ごすスタッフが心にゆとりを持って安心して働けるようにしたいという思いがありました。そして、この事務所に相談に訪れる方にも同様の感覚を持って頂きたかったのです。

沖田
このオフィスに移ってから、お客様の感想はいかがでしょうか。

先生
褒めていただく機会が増えましたね。法律事務所の性格から、当オフィスを訪れる方は、何かしらの相談事があっていらっしゃいます。その方たちの大半が、程度の違いはあれ思いつめているのですが、そのために周りがよく見えなくなっている状態で訪れます。

そういう方が、まずビルのロビーに足を踏み入れると、それまでの騒音にまみれた雑踏とは違った静寂な異空間に迷い込んだような印象を受けます。そして、オフィスを訪れて会議室に入っていただくと、さらにまた、法律事務所にいるとは思えないような雰囲気の柔らかい色調の空間に包まれる、というわけです。無意識のうちに、気分を変えていただこうという効果を考えているのです。

沖田
私もガラリと気分が変わりました。

先生
人が気分が良いと感じるのは、周りの何らかの空気感、雰囲気を感じるからであって、空間を移動する際に感じるギャップは、頭の中にある無意識の部分に強烈に作用します。だから、それまで思いつめていた状態から、リラックスできる、要するに周りを見回す余裕を持つことができるようになるのです。

沖田
そんな効果があるのですね。

先生
思いつめて考えが固まってしまっている人は、他の視点を持つ余裕が全くない状態になっています。

ですので、私どもがお客様のお話を伺うこと、お客様に私どもの話をご理解いただくこと、つまりはお客様との間のコミュニケーションをスムースに成立させるためには、まずはその状態を打開することが必要なんです。そのためには、空間は非常に重要な意味を持っています。このオフィスを訪れて我々と話して過ごす時間の経過とともに、その人自身が変わっていく。そういう意味で、「豊かな空間と、豊かな時間の融合」をコンセプトにしたオフィス作りにこだわりました

戦略法務

沖田
御社では、「攻めの法務」として「戦略法務」を提唱されていますよね。

先生
そうですね。物事に対処する行動様式には、大きく分けて攻めと守りがあります。勿論、攻め一方だけでよいというのではありませんが、守りに意識を置くと、攻めの意識が弱くなる傾向が強いんです。サッカーを例にすればよく分かると思うのですが、ディフェンスを重視し過ぎると攻撃が弱くなって点が取れません。要するに、負けないけれども勝てない、という状態に陥ります。勝てないまま均衡状態に持ち込むのが精一杯になるのです。せいぜい相手の失敗を待っている状態ですね。

沖田
なるほど、すごく分かりやすいです。

先生
私どもの法律事務所は、会社法を主要なフィールドとするビジネス法務を主に扱っているので、ビジネスの成功=勝つことを目標にしています。だから、どこを強化するのかという時に、守りを強化するという方針を立てては駄目です。負けないけど勝てない、という状態を目指してはいけない。それはどんな規模のビジネスに対しても言えることで、目標を決めてそれに到達するために加速度をつけていくことが大事で、要するに勝ちに行かないと均衡状態に耐えられず組織は徐々に崩壊してしまいます。

進む方向が分からないと組織は淀んでしまい、いつしかバラバラな方向へと進んでしまうことになるのです。

沖田
なるほど。たしかに中田先生の仰る通りかもしれません。

先生
そして、物事をトータルに、総合的に捉えて目標に向かって進んでいかなくてはいけない。そういった考え方として、「戦略法務」を提唱して、私どもの法的サービスの柱としています。

沖田
「戦略法務」とは、どういうことなのでしょうか。

先生
特定の分野、例えば特許の分野は強いけれども、会社法や競争法には対応できない、という法律事務所があるとすれば、お客様の立場からすれば、一貫した法的サービスが必ずしも受けられない。「特許に限り」という限定つきのサービスしか受けられないということになります。法律事務所の立場からすると、お客様の本当のニーズ・抱えている問題が把握できませんから、この問題に対する最善の処理はいったいどういうことなのかが分からなくなります。

車に例えると、すごくエンジン性能が良くてスピードはメチャクチャ出せるんだけれども、残念ながらブレーキ性能はいまいち、というような車。極端な話かもしれませんが、ひとつのものが優れているからといって、全体としてみると使い物にならないというようなことが世の中にはたくさんあるのです。

沖田
それは怖いですよね。

先生
「戦略法務」の考え方は、攻めの法務、勝つための法務ですから、ビジネスを全体として考えます。したがって、部分部分の問題解決は勿論ですが、全体最適を考えて部分を扱うのです。車として走るためには、必ずしもエンジン性能はさほどでなかったとしても、ブレーキ性能とのバランスが取れているほうが良いわけです。このような全体最適を考えるためには、弁護士の側では、一人ひとりが専門分野において秀でることだけでは足りなくて、あらゆる分野において一定の水準を保たなくてはならない。「専門性と総合性の融合」を可能とする実力が必要になるのです。ネームとして「総合」を唱える法律事務所はたくさんありますが、それが実現できている法律事務所は残念ながらそれほど多くありません。

要するに、一人ひとりの弁護士があらゆる分野で高い水準を共有しながら、それをベースとして、一人ひとりの弁護士がさらに高い専門性を持っている、というイメージ。そういった本当の意味において「総合法律事務所」を作りたいと考えています。

安心感を生むプロフェッショナル集団

沖田
お客様としてこのオフィスを訪れる方は、どれくらいいらっしゃるのでしょうか。

先生
複数の弁護士が担当してますからあまり全部数えたことないんですが、今動いている案件のクライアント数は大体100名くらいはいらっしゃると思いますから、日にもよりますが、少ない日では1~2名、多い日で5~6名のお客様がいらっしゃるイメージですね。

沖田
すごくお忙しいのですね。相談内容としては、どのようなものが多いのでしょうか。

先生
そうですね。私どもの仕事は、世の中の経済状況に左右される部分が多いんです。最近はようやく前向きな仕事が増えてきているような感じがしていますが、これまでの10数年間は、後始末をつけるという方向での相談が多かったですね。ビジネスの問題でも、個人生活の問題でも、起きてしまった問題について後始末をすることはたくさんあります。それはいつの時代でも同じですが、その割合が相当高かった。いわば後ろ向きの問題対処です。最近は、ようやく、先に進んでいくためにはどうしたらよいのかという前向きな展開を相談される事が多くなりつつあります。

必ずしも景気が良くなったのではないようなんですが、苦しいけれど今こそ頑張らなきゃ、というようなやる気が復活してきた、世の中が明るい方向に向かっているんだという印象はあります。

沖田
そうなんですか、少し意外ですね。

法律事務所というと、どうしてもスタッフ個々人の能力に頼る部分が出てくるのかと思いますが、何か教育の面で取り組んでいらっしゃることはありますか。

先生
まだまだ組織が小さいので、教育というようなどちらかというと上からの目線で考えるのではなくて、個々のスタッフが持っている能力を、どうやって引き出して、どうやって伸ばすか、いわば自然発生的な流れを活かしたいというのが私の考え方です。もちろん、法律的な知識やビジネス・マナーは教えなければ身につかないのですが、特に独自の制度があるわけではありません。

ただ、ひとつスタッフに対して求めていることは、考え方が前向きであれ、ということですね。

沖田
それはどういうことでしょうか。

先生
人間のタイプには大きく二通りあると思うのです。一つは、愛情を受けるということが実感できない人。このタイプの人は、安心感を十分に持つことができないので、行動は消極的です。もう一つのタイプは、愛情を受けることが当然と感じる人。このタイプの人は、何をしても許されるし愛されるという安心感があります。後者のタイプのほうが、圧倒的にポジティブです。

我々の仕事は相当シビアです。いわば“究極的な場面”に立ち会うことも多々あります。だから、人が出すパワーやオーラがとても重要なのです。それは、内面から醸し出す安心感、自信、信頼感、誠実さというものです。それが、基本的な弁護士や法律事務所スタッフの素質なんですね。素質というと先天的という印象がありますが、心の持ちようという意味では後天的なもの、後から身につけることができるものだと思います。その素質があれば、最初は少々実力がなくても必ず伸びる、そして行く行くは周りの人々を動かしていくようなリーダーシップを自ずと持てるものだと考えています。

中田総合法律事務所

先生
私は、子供の頃から好奇心旺盛で、「いつかは世の中の全てのことを知り尽くしたい」と思っていたのです。「全てのこと」を知るのだなんてことは実際には不可能なことですけれども、今でも考え方は同じつもりです。

自分の力の及ぶ限りできることは何でもやりたい、その想いを実現をする仕事として、弁護士はすごく魅力的な仕事だと思っています。自分で限界を付けない限り仕事の幅に制限はないし、何かをやらされているというのではなく、自分自身で進む道を切り拓いて行くという感覚を持つことができるのです。

沖田
先生は、とても行動的でいらっしゃるのですね。

先生
生来は引っ込み思案なんです。元祖オタクみたいで、子供の頃は本を読むこととか空想の中に自分だけの世界を作ってその中で遊ぶこととかが好きだった。時間があれば分厚い百科事典とか端から読んでもいました。とにかく色々なことが知りたかったのですね。高校生の頃になると、なんでも自由にできるということが何よりも大事で、組織に属して型どおりに行動するのは自分にはどうも向かないんじゃないかと思うようになりました。その延長線上に弁護士という仕事があったということです。

自分が主体的に物事に取り組んで、それが人のためになると非常に嬉しく思います。悩みの中でにっちもさっちも行かず停滞している人の人生や行き詰まって先行きが見えないビジネスが、私が関与することで良い方に変わっていくところを見ると嬉しいですね。

沖田
何か今までのご経験から、その一例をあげていただくことはできますでしょうか。

先生
そうですね。お父上親が創業した事業(株式市場公開企業)を継承される方が相談にいらっしゃったことがあります。最初、その方は「引き継ぐ」という意識でいたので、自分は一体何をすればいいのか、父上の後を踏んでいこうとするんだけれども右も左も分からないというような、緊張しきって頼りない感じで相談にいらっしゃいました。

沖田
その時、どのようなお話をされたのでしょうか。

先生
私は「あなたが何を実行・実現したいのかを先ず考えて、決断・決行しなければ駄目。トップというものは孤独でしんどいものだが、あなたの考え方、“色”を出さなければ会社のスタッフも社会もついて来ないよ」と話して、究極的には自分のやりたいようにやるしかない、どうせ実力以上の力は出せないんだから思い切りが必要だ、というようなアドバイスをしました。もちろん、そんな事を言ったってそれまでのやり方をすぐに変えることなどできるわけではないですが、まずは経営幹部に対して「自分はこういうことをやりたい」と発信することからスタートして、少しずつ自分の考えを固めて周りに周知させ、徐々に“自分の経営”というものを掴んでいきました。

沖田
その方は、自ら考えて実践されていったわけですね。

先生
自分で考えて決断する、決行するということが、ビジネスでも個人的な問題でも、何事につけても何より大切なのです。それができるのが“大人”というものです。子供は人真似をして育つ時代、自我を確立する段階です。自分とか自我とかは、一生懸命人真似をすることによって形成されるもので、だから人真似をする時代は絶対に必要なんです。でも、いつまでも人真似を続けているわけには行かない。自分で決めて、自分で動くことが必要になるんです。自分の人生、自分のビジネスには、究極的には自分が責任を取るんだということに、気づく必要があるんです。

そんなわけで、多くのケースでは、最初は「どうしたらいいのでしょう」という相談ばかりですが、私はできるだけ問いに対する直接の答えを返さないんですね。「自分の頭で考えなければならない。自分で決断しなければならない」ということを分かってもらうまで、粘り強く付き合うんです。そうすると、徐々に「自分はこのようにしたいのだけれども、先生はどう思いますか」という相談の仕方になるんです。そんな成長の様子が見られるのは、とてもうれしいですね。

沖田
なるほど。いつもたくさんの方に対してアドバイスをされていらっしゃる中田先生ですが、私に対して一言、何か今後の社会人生活へのアドバイスを頂戴できますでしょうか。

先生
若い方に良く言うのが、努力の仕方には「煉瓦積み型」と「壁塗り型」の2タイプがあって、そのどちらが良いというのではなく、その両方を知って実行することが必要だということです。そのうちどちらが得意かというのは、その人の性格によります。

「煉瓦積み型」は、煉瓦を下から順々に一つひとつ煉瓦を積んでいきます。丈夫な壁を作るには、基礎の部分からおろそかにせず一つ一つ丹念に根気強く積み上げていくことが必要です。手を抜けばその部分はすぐに崩れてしまい、そこが崩れるとその上に積んだ煉瓦も崩れてしまいます。

沖田
なるほど。

先生
また、「壁塗り型」は、まさしく広い一面の壁を塗るようにするのです。先ずは満遍なく一通り塗ってしまう。少々の塗りムラは気にしないで、とにかくひとまず一面塗り終える。塗り終えたら少し後ろに下がって壁一面を観察してムラがないか確かめて、ムラを見つけたらそこを改めて塗り直してムラをなくしていく。そのようにして完成させていくタイプです。

先程言ったとおり、どちらが正しいのではなくて両方とも必要なのです。ただ、人によって性格的に、これらのタイプの一方に得意・不得意があるということです。

理想的には、最初は「煉瓦積み型」に軸足を置いてコツコツと地歩を固め、ある程度の経験を身に付けて基礎固めが終わったら「壁塗り型」に軸足をシフトするというのが良いのだろうと思います。

沖田
どうもありがとうございます。教えて頂いた両方の側面に注意して努力していきたいと思います。では最後に、中田先生の目標をお教えいただけますでしょうか。

先生
豊かな人生を送ること、“豊か“というのは物質的・経済的なことだけでなく、精神的なこと、感情的なことも意味しますが、この世の中に存在する全ての人々が豊かな人生を送れるようにしたい、というのが私の究極的な夢です。人間何年生きるか分かりませんが、生きている間に生きている実感を得られること、生きていて良かったと思えることが、結局のところ豊かさの実態だと思います。健康、家庭、趣味やお金等、その人の考える幸せは色々あるかと思いますが、そういう生きている実感を感じられるような世の中を作るための基礎作りが弁護士の仕事だと思っています。

「元気だしましょう」というようなことを言う人もいますが、掛け声だけでは元気になりません。繰り返しになりますが、人は皆生きるために働くんですが、働く場というのは多くの場合会社です。だから、幸せの基礎を作るのは会社・企業で、すなわちビジネスです。仕事やビジネスと、自分自身が送る人生を一致させて考えることができる社会、それこそが豊かな社会なのではないかと思うのです。そういう意味で、私は企業活動を支える人々を応援する立場から、世の中を豊かにしていきたいと考えています。

沖田
本日は、大変貴重なお話を頂戴しまして誠にありがとうございました。

3)内装デザイナーの気になるポイント

オフィス内装作りの専門家がオフィスwatch取材担当者とは異なる プロの視点から取材先企業のオフィスをwatchします。内装作りのプロが提唱するオフィス作りのポイントとは?
本編とは一味も二味も違うノウハウをあますところなくご紹介します。

固さないゆとりと安心感を与えるレイアウト

オフィスを訪れてまず感じることは、ビルエントランスから受ける印象を裏切らない、その「広さと開放感」です。待合スペースや通路といった空間にゆとりを設けていることがポイントとなっています。

その通路の幅は約1600mm、各ミーティングスペースに繋がる扉は既存製品ではなく造作されており幅は約1000mm。車椅子の使用を前提とする場合、通路幅は1500mm程度、扉の幅は800mm程度が推奨されていますから、レイアウト寸法の取り方にユニバーサルデザインが採用されています。

各打合せスペースも壁までの距離をゆったりと確保し、柔らかな色彩の塗装壁にカッティングシートによるシンプルなデザインが施されています。法律事務所という固いイメージはなく、落ち着きと安心感を与えてくれる空間となっています。

今回紹介した中田総合法律事務所と同様に、安心感を与える空間を取り入れている企業を、バックナンバーの中からピックアップしました。

オフィスwatch No.048 株式会社ナック
http://52.197.251.14/048-nacoo-13297

長くなりがちなミーティング問題を解消

執務スペースには、2箇所にスタンディングでのミーティングテーブルが設置されています。「1時間のはずの打合せが2時間に…」多くの会社で起こっている問題でしょう。

スタンディングテーブルは明らかに長時間のミーティングには向いていません。ちょっとした相談や確認、速やかに終わるような打合せなど、その用途に「特性・目的」を持ったテーブルであるため、業務の効率化やコミュニケーションによるナレッジ共有などに貢献します。

またこのテーブルは一般のスチールキャビネットに木の天板が据えつけられているのみです。不思議なことにただのスチールキャビネットのままでは、打合せの場にはならず書類や物が積まれるだけですが、天板を木にするだけで人が集まり、ちょっとしたコミュニケーションが生まれるポイントになります。

ちょっとした工夫ですぐにどの会社でもミーティング時間やコミュニケーション対策ができる一つのアイディアです。

今回紹介した中田総合法律事務所と同様に、スタンディングミーティングを取り入れている企業を、バックナンバーの中からピックアップしました。

オフィスwatch No.045 ソフトブレーン株式会社
http://52.197.251.14/045-softbrain-12183

“建物情報”

東京メトロ銀座線溜池山王駅」13番出口より徒歩1分。
アメリカ大使館やアークヒルズ・赤坂ツインタワー、赤坂インターシティやアークヒルズフロントなど、数多くの開発が進行し、めまぐるしく変化を遂げているこのエリアに位置するのが、中田総合法律事務所の入居する赤坂榎坂森ビルです。
竣工:2009年、基準階面積:171.8坪
ビルの特徴は、広々したエントランスホールと美術品です。また、屋上には芝生が広がったラウンジがあり、ワーカーの憩いの場となっています。最新設備の室内空間は、開放的な窓面に囲まれた明るいオフィス空間となっています。

4)まとめ

まるでホテルのエントランスのようなロビーにまず驚き、パステルカラーの可愛らしい色調の会議室にさらにビックリ!今まで法律事務所に抱いていたイメージが一新されました。

豊かな空間と時間の融合をテーマにしたオフィスは、見た目の美しさと空間のゆとり、そこで働く人々の雰囲気等、全てが上手くマッチして形作られていました。

思い悩んだ方がこのオフィスを訪れることによって、何らかの変化が生まれるというのが頷ける空間です。こんなオフィスなら、何度でも足を運んで話しを聞いてほしいなと思いました。

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