快適で効率の良いオフィス作りの為のゾーニング知識

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この記事を見ている方は、オフィスの移転や新規立ち上げで、部署や部屋の割り振りをどのようにすればよいかお困りでいらっしゃるのではないでしょうか?ゾーニングと言われても、なにをしたら良いか、どんな事に気をつけたらいいか分からないですよね。

ゾーニングの知識をちゃんとつけて実践しないと、いざオフィスが稼動し始めたときに、「やっぱりああしておけばよかった」と後悔する事になるかもしれません。オフィスの部屋割り、部署配置は、後で動かすには相当お金と時間が掛かってしまうので大変です。

ここでは、なぜゾーニングが必要なのか?そしてどんな事に注意していけばいいかを説明していきますので、これを読んで知識をつけて頂き、希望通りのゾーニングが出来るようになりましょう。

■目次
1.限られた空間を効率よく使う為のゾーニング
2.ゾーニングの流れ
3.ゾーニングで考慮すべき4つのポイント
3-1.一人当たりの執務スペース
3-2.動線
3-3.建築基準法による通路幅の制限
3-4.セキュリティ
4.ゾーニングの参考例
4-1.営業が多い
4-2.事務スタッフが多い
4-3.クリエイティブなスタッフが多い
5.ゾーニングの相談にのってくれるおすすめ業者
6.まとめ

1.限られた空間を効率よく使う為のゾーニング

ゾーニングとは、空間(ゾーン)をテーマや用途、機能ごとに分ける事です。オフィスに置き換えて考えると、どの部署をどこに置こう?会議室はどこに配置しよう?などを考える事です。

ゾーニングを入念にしておくと、限られたオフィス空間を効率よく使う事が出来きます。

例えば、営業が多い会社であれば、営業デスクのスペースを確保する為、執務室は大きめにした方が良いでしょう。来客が多い会社であれば、来客用の部屋は多く配置し、入り口付近に配置するのが良いでしょう。このように、ゾーニングでは会社の特徴や、「このようにしたい」というイメージを考え、それを達成させる為には、どこになにを配置すれば効率よく動けるかを考えます。

オフィス内の部屋割りは、後で「こうしておけばよかった」と後悔してもすぐに変更する事は出来ませんので、はじめにしっかりとゾーニングを考える事がとても重要です。

なお、ゾーニングは、社内セキュリティや消防法等の絡みがある為、専門業者に相談にのってもらうがよいのです。しかし、コンセプトや、部署をどのように配置にしたいかなどは、まずは自分達で考えるべきです。

2.ゾーニングの流れ

ゾーニングには手順があります。手順通りに進めると、効率よく進める事が出来ます。流れは以下の通りです。

①コンセプト(イメージ)を考える
②必要なスペースを洗い出す
③部署の関係性や部署間同士の関係性を考える
④各スペースの割合を決める
⑤配置(レイアウト)を考える

詳細を以下でご説明します。

① コンセプト(イメージ)を考える
まずはゾーニングをどのようにしたいか(オフィスをどのようにしたいか)コンセプトを考えます。このコンセプトがしっかり決まっていないと次の手順に進めません。進んだとしても恐らく後で「こうしておけばよかった」と後悔する事になるので、コンセプトの決定はとても重要です。

★ポイント
コンセプトを決める場合は、各部署の担当者や社員に、どのような配置や広さが働きやすいかを必ずヒアリングして決めましょう。経営陣、総務等の机上論だけでは、本当の働きやすさにはなりません。

例えば以下のようなコンセプトがあります。

(例)来客が多い会社なら
・来客用の部屋数を多くし、また来客用の部屋はなるべく入り口付近に作って移動をスムーズに行いたい。また、来客が多いので受付の内装に力を入れて企業のイメージアップを計りたい。

(例)チームでの仕事が多い会社なら
・打合せ用の会議室を多めに、また各デスクのパーテーション(仕切り)をなくし、コミュニケーション専用のルームを設ける等をして、コミュニケーションの取れやすいオフィスにしたい。

(例)システム系の会社なら
・システム仕事が多いので、エンジニア一人一人が集中して作業できるよう、各デスクのパーテーション(仕切り)を確保し、集中できる空間にしたい。また、疲れたエンジニアが思いっきりリフレッシュできるよう、リフレッシュスペースは広めに確保したい。

② 必要なスペースを洗い出す
コンセプトを考えたら、そのコンセプトを達成させる為にはどんなスペースが必要か考えます。一つでも必要なスペースが漏れてしまうと、配置後にやり直しがきかないので、漏れが無いよう時間を掛けてしっかりと洗い出します。必要なスペースも、各部署の担当者や他の社員など、複数の人に聞いてください。

必要なスペースとして、例えば以下のようなスペースがあります。

 

■執務スペース

執務スペース

オフィスの中で最も多い割合を占めるスペースです。また、一日のほとんどをこのスペースで過ごす事になる為、とても重要なスペースです。執務スペースを考える時に特に注意して頂きたいのは以下の点です。

・どこからでも社員が見えるように、また、どの位置からでも出入り口が見えるようにする。
・安全に考慮し、どの位置からも非常灯が見えるようにする。
・外部からのお客様が不用意に執務スペースに入らないよう、受付スペースと隣接させない。

 

■会議(ミーティング)スペース

会議室

打合せの多い部署は、会議スペースがなるべく近くなるように配置させる事で、移動の効率化を図る事が出来ます。また、外部からのお客様を招く応接スペースとしても多く利用される為、受付から近い配置にされる事が多いです。

会議スペースに大型のモニタを設置し、インターネットで遠方のグループ会社や取引先とビデオチャットをする企業も多く有ります。この場合、必要なAV機器のスペース確保も考慮する必要があります。

 

■社長(役員)スペース
会社規模によっては、執務スペースと同じスペースに設置される場合もありますが、規模が大きい会社は、取引先との重要な打合せをするスペースにもなる為、セキュリティ上分けた方が良いです。執務スペースに隣接させる事により、執務スペースの営業に良い緊張感を与える事も出来ます。

 

■受付スペース

受付

誰もが出入りできる、セキュリティが低いスペースです。また、お客様に会社の顔として印象を最初に与える場所ですので、社員がせかせかと動き回っている執務スペースからは遠ざけましょう。ただし、デザイン系などのオシャレな内装を売りにした会社であれば、敢えて執務スペースを見えやすい位置に配置する事もあります。また、外部者の出入りが多い為、サーバールームなどの機密情報が多いスペースとの隣接は避けましょう。

 

■リフレッシュスペース

リフレッシュ
社員が息抜きをするスペースです。執務室からすぐに行けるアクセスの良い所に配置される事が多いです。

 

■サーバールーム
自社内にサーバールームを置いて機密情報を管理する企業は少なくありません。重要なデータが多く、また精密機器が多い為、人の出入りが多い場所と隣接させる事は避けましょう。特に外部者の出入りの多い入り口スペースとの隣接は避け、なるべく入り口から離れたスペースに配置させましょう。移動時間の効率化の為、サーバーの管理担当者がいる部署と隣接させる事も意識すべきです。

 

■文書保管スペース

文書保管

サーバールームと同じく、機密情報が多い為、人の出入りが多い場所や、受付スペースとの隣接は避けましょう。文書保管スペースの担当者が居る部署(総務・経理など)と隣接させると作業効率が上がります。

③ 部署の関係性や部署間同士の関係性を考える
スペースの洗い出しが終わったら、各部署やスペースの関係性を考えましょう。②でも触れましたが、例えば会議室はどの部署が一番多く使うか?文書保管スペースの担当部署はどこか?など、利用頻度が高い部署にスペースを隣接させる事で、作業の効率化が図れます。また、セキュリティを高くすべきスペースには、外部者の出入りが多い受付は遠ざけるなど、距離を離すという考慮も忘れてはいけません。

④ 各スペースの割合を決める
社員の人数や、各部署が占める人数の割合などを考慮し、各スペースの割合を考えます。会議を頻繁にするのか、接客が多いのかなど、コンセプトやイメージに併せて割合を考える必要があります。なお、一般的に執務スペースが全体に占める割合は50~60%と言われていますので、これを軸としてその他のスペース割合を考えると考えやすいです。

⑤ 配置(レイアウト)を考える
最後にレイアウトを考えます。どんなに理想的なスペースの割合や関係性を考えても、そのオフィスの構造的に理想のレイアウトが出来ない場合があります。オフィスの図面と照らし合わせながら、考えた理想の配置を調整します。場合によっては、オフィスの構造上の問題で、④で決めた割合を変更する必要が出てきます。どちらを優先すべきか、コンセプトにのっとって調整をする必要があります。

3.ゾーニングで考慮すべき4つのポイント

ゾーニングをする上で、作業の効率化やセキュリティ、法律など、考慮しなければいけないポイントがあります。4つのポイントは以下の通りです。

3-1.社員一人当たりの執務スペース

一般的に、社員一人当たりの執務スペースは3坪(10㎡)前後と言われています。これを目安にして、執務スペースを広くとるか狭くするかを決めましょう。印刷、デザインなどのクリエイティブな作業が必要な場合は少し広めに、外出が多い営業がメインの会社は少し狭くして他のスペースを広くするなど、コンセプトに併せて調整します。

なお、社員一人あたりの執務スペースは、『執務スペースの面積÷社員数』で計算します。

(例)面積120㎡ ÷ 社員数15人 = 8㎡

3-2.動線

動線とは、オフィス内の通路の事です。動線をしっかり考えないと、作業効率に大きく影響します。そのポイントは以下の通りです。

■複雑にせず、出来るだけシンプルに
交差が多い動線は余計な移動を増やします。また、交差が多くなると通路の数も増え、他に割けるスペースが減ってしまいます。その為、動線はなるべくシンプルにし、交差点は極力減らしましょう。

■メイン動線(最も人が通る動線)を明確にし、極力短くする
人が一番多く通るメインの動線は、わずかな差で移動距離、作業効率が大きくかわるので、その距離は極力短くします。わずかな差でも長期的に見れば大きな差になるので、メインの動線を短くする事は非常に重要です。

■行き止まりのない回遊する動線をつくる
行き止まりがあると渋滞が発生しますので、通り抜け可能な回遊する動線を心がけてください。

3-3.建築基準法による通路幅の制限

建築基準法では、以下のように通路の幅が定められています。動線を決める時にこの規定を守らないといけないのでご注意下さい。
・片側にのみ部屋がある通路の幅は1.2m以上
・両側にある場合は1.6m以上

また、非常照明の設置場所に関しても建築基準法で決められています。以下のようなスペースがある場合は、非常照明を設置する事も考えなければいけません。ただし、非常照明の設置義務は、通常建物の持ち主か管理人が負いますので、知識として身につけておきましょう。
・窓の無い部屋及びフロア
・地下へ通じる通路及び階段
・避難通路

3-4.セキュリティ

各スペースでセキュリティを考慮しなければいけませんが、セキュリティのレベルはスペースにより異なります。セキュリティレベルごとにスペースをまとめておくと、配置や動線を考えやすくなります。また、セキュリティレベルごとに床タイルやカーペットの色などを変えると、視覚的、直感的にも分かりやすくおすすめです。例えば以下のようなレベル設定があります。

■セキュリティレベル1 受付(入り口)
受付、エントランスなどの誰でも出入りできるスペースは一番セキュリティレベルが低いです。もちろん会社の入り口なので、鍵の開け閉めに関するセキュリティは十分考慮しなければいけません。しかし、重要な書類や備品を保存するわけではないので、ゾーニングを考える上でのセキュリティレベルは低く、特にセキュリティに気を使う対策は必要ありません。余計な物や情報は置かないように注意しましょう。

■セキュリティレベル2 応接スペース
外部者が入るスペースです。重要な打合せをする事があるかもしれませんので、壁の厚さに関しては調整が必要かもしれません。ただし、機密情報が保管される事はないので、こちらもセキュリティ対策に気を使う必要は無いです。

■セキュリティレベル3 執務スペース
社員のみが立ち入れるスペースです。顧客データ等を扱う為、セキュリティ対策は万全にしておく必要があります。

■セキュリティレベル4 機密情報を扱うスペース
文書保管スペースやサーバールームなど、機密情報や精密機器が保管される為、最高のセキュリティ対策が必要です。鍵の開け閉め、ID認証、指紋認証など、入室制限は必須です。

4.ゾーニングの参考例

他社のゾーニング参考例を見て、自社に当てはまる物がないか探してみて頂き、ご参考にしてみて下さい。

4-1.営業が多い

■例 株式会社岡村製作所が提案する営業系オフィス例

http://www.okamura-eoffice.com/office-layout/floor-zoning.html

営業が多いオフィス

営業が多い会社は、外出が多く動き回るので、このように執務スペース全体を見渡しやすいゾーニングにして動きやすい環境にすると良いです。また、外出から戻った営業がリフレッシュしやすいよう、リフレッシュスペース(カフェスペース)は執務室に隣接させている点にも気遣いが感じられます。また、執務室までの動線がシンプルで距離も短く、効率の良い動線と言えます。

4-2.事務スタッフが多い

■例 株式会社岡村製作所が提案する事務系オフィス例
http://www.okamura-eoffice.com/office-layout/floor-zoning.html

事務が多いオフィス

事務系が多い会社では、席に座っている時間が多く、移動するのはコピー機やトイレ、リフレッシュルームなどに出入りするぐらいです。よって、執務スペースに隣接する形でコピー機やリフレッシュルームを設け、エントランスからも近い構成にする事で、効率的な動きが取れるゾーニングとなります。

また、事務系は機密文書を扱う事が多い為、周辺を役員室等で囲む事で監視しやすくなります。更に、機密文書の保管用スペースも、営業系オフィスより多めに必要になる為、文書保管スペースや倉庫スペースの確保が必要です。

セキュリティを考え、図のように倉庫、サーバー室、役員室などのセキュリティが高いスペースは、エントランスから遠ざけましょう。

4-3.クリエイティブなスタッフが多い

■例 株式会社岡村製作所が提案する事務系オフィス例
http://www.okamura-eoffice.com/office-layout/floor-zoning.html

クリエイティブなスタッフが多い

デザインや開発など、クリエイティブ系のオフィスでは、色んな人との交流の中や、休憩中の雑談の中など、新しい発想が生まれる場所が必要です。自由度の高いフリー(席が固定されていない)の執務スペースにし、縛りの無い交流しやすいゾーニングにすると、発想が生まれやすくおすすめです。

気分転換の為のリフレッシュルームや外への出入りも重要ですので、執務スペースに隣接させると社員の動線が短くなり、効率のよいゾーニングとなります。エントランスと執務スペースが隣接する為、機密文章等が執務スペースに保管されないよう心がけないとセキュリティ上危険です。フリーの執務スペースであれば、あまり機密文書が置かれる事はないと思いますが注意しましょう。

■例株式会社アーキバンクのクリエイティブ向けフリーアドレスオフィス
http://archicloud.jp/%E3%82%AA%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%B9%E8%A8%88%E7%94%BB%E3%81%AE%E3%83%9D%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%88%EF%BC%91/

アーキバンク

オープンスペース(執務スペース)をフリーアドレス(座席を固定させない)にする事で、コミュニケーションの活性を図る事が出来ます。また、作業スペースや打合せスペースを小まめに設置する事で、自由感と束縛感にメリハリを出している、バランスの取れたゾーニングです。

また、受付(入り口)と執務スペースの間に応接や打合せスペースを挟むことにより、執務スペースのセキュリティを向上させています。

5.ゾーニングの相談にのってくれるおすすめ業者

コンセプトや部屋割りに関しては、まずは自社内で検討すべきですが、実際にレイアウトを考える段階では、セキュリティや消防法等の絡みを考えなければいけません。よって、専門的な知識をもっている業者に相談する事をオススメします。ゾーニングの相談に乗ってくれる業者もあれば、併せて提案、施工もやってくれる業者もあります。ここでご紹介する業者は、サービス対象が全国的で、なおかつゾーニングだけでなくオフィス移転に関わるサービスも充実しています。

■Office空間
http://www.officekukan.jp/tokusyu/index3.html

ゾーニングの相談・提案だけでなく、移転支援やオフィス仲介、オフィス家具など、移転に関わるサービスを幅広く扱う業者です。移転関係はワンストップでサポートしてくれます。移転の全てを任せられるので、複数の業者を使う手間は省けます。

■株式会社岡村製作所
http://www.okamura-eoffice.com/office-layout/floor-zoning.html

こちらも移転に関わるサービスをワンストップでサポートしてくれる業者ですが、加えてセキュリティ対策や地震対策の相談にも乗ってくれます。現状のゾーニング、レイアウトの見直しや、地震に強い家具の提案、家具の固定作業など、細かいところまで相談に乗ってくれます。

■株式会社清和ビジネス
http://www.mr-soumu.com/service/index.html

有名な病院や大学などのゾーニングやレイアウトを手がけている、実績豊富な業者です。
希望のコンセプトを実現させる為の相談だけでなく、どのようなコンセプトにすべきかなどの細かい相談にも乗ってくれます。

6.まとめ

この記事を読んで、ゾーニングの必要性はご理解いただけたでしょうか?自社をどのようにしたいかというコンセプトをしっかり考え、それをどのように実践するか考えなければいけません。コンセプト実践の仕方には何通りかあり、また動線やセキュリティなど、気をつけなければいけない点も多くある事がお分かり頂けたと思います。

気をつける点は多いですが、ここでご説明させて頂いた手順通りにやれば、スムーズにゾーニングする事が出来ますので、ここで身につけて頂いた知識を元に、自社の思い描くゾーニングを実践してみてください。

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