移転前に要チェック!本店移転登記の完全マニュアル

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本社が移転した場合に必ず行わなければならないのが、「本店移転登記」です。
しかし、どのように登記の申請をすべきかわからない、登記にいくらかかるのか気になる、など、司法書士に依頼すべきか判断できない、など本店移転に伴う事務手続きに関して疑問を感じている方は多いのではないでしょうか?
正しい知識がないと余計な手間やコストがかかってしまいます。
この記事ではそんな本店移転登記の疑問を解消し、費用や手続き方法、申請前の注意点、司法書士へ依頼すべきかどうかの判断基準など、申請前に知っておくべきことをまとめました。
本店移転登記を理解することで、無駄な時間を省き、スムーズに申請処理を行いましょう。

1.本店移転登記とは住所変更の手続き
2.移転する法務局の管轄によって費用は異なる
2-1. 移転後の法務局が変わらない場合
2-2. 移転後の法務局が変わる場合
3.本店移転登記の申請方法
3-1.自社で行う場合
3-1-1.書面で行う
3-1-2.オンラインで行う
3-2.司法書士に依頼する場合
3-3.申請の際に注意すべきこと
4.申請書のフォーマット
まとめ

1.本店移転登記とは住所変更の手続き

本店移転登記とは、会社の本店移転の際に行う、住所変更の手続きのことです。
法人登記の中でも本店の所在地は登記必須項目ですので、本店を移転した場合にはその旨を登記する必要があります。
本店移転登記の申請は該当の法務局に行き、必要書類を提出することで完了となります。
また、本店移転登記の申請は移転の日から2週間以内がルールですので、期限には注意して下さい。

2.移転する法務局の管轄によって費用は異なる

本店移転登記には登録免許税がかかります。
登録免許税とは登記にかかる税金のことで、これは何の登記をするかによって額に違いがあります。

本店移転登記の場合、手続き方法には2つのパターンがあり、それぞれで必要な登録免許税が異なります。
同じ法務局管轄内で移転する場合が3万円、別の法務局管轄へ移転する場合が6万円です。
法務局の管轄はエリアによって異なるので、まずは、自社の移転前と移転後の法務局管轄がどこにあたるのかを以下の表で確認してみましょう。

法務局管轄

上記は東京法務局の場合ですが、各エリアそれぞれ管轄法務局が決まっています。
以下リンクから該当するエリアを確認してください。

▼法務局HP
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/static/kankatsu_index.html

2-1. 移転後の法務局が変わらない場合

同じ法務局管轄内で移転する場合は登録免許税が3万円かかります。
例えば以下の図のように文京区から渋谷区へ移転する場合は、区が変わります。
しかし、管轄の法務局は変わらないので、登録免許税は3万円となります。

東京→東京

2-2. 移転後の法務局が変わる場合

法務局が変わった場合の本店移転登記は、旧登記所分と新登記所分、それぞれに登録免許税3万円が必要なので、計6万円かかります。
以下の図のように文京区から品川区へ移転する場合は、管轄が変わってしまうので、登録免許税は6万円となります。

東京→品川

本店移転登記の費用に関しては以下にまとめた記事がありますのでこちらも確認してみてください。
◇知らないと損!本店移転登記における全費用と削減方法
http://ashita-office.com/transfer-registration-cost-2797

3.本店移転登記の申請方法

本店移転登記は自社だけで行うこともできますし、全てを司法書士に依頼することも可能です。
ここではどちらの方法も記載しますので、自社がどのようにして申請すべきか見極めてみてください。

3-1.自社で行う場合

自社で行う場合はさらに書面で行う場合と、オンラインで行う場合の2パターンあります。
司法書士に依頼し、オンラインで行う場合もありますが、あまり多い例ではないのでここでは割愛します。

3-1-1.書面で行う

こちらは、必要書類を準備し、法務局に持参して申請する一般的な方法です。
以下で手順を説明致します。

①必要書類を準備
必要書類も同じ法務局管轄内での移転か、違う法務局管轄への移転かで変わってきますので、注意して下さい。

【必要書類】
■同じ法務局管轄内での移転の場合
・株式会社本店移転登記申請書 ※3万円分の収入印紙を添付
・取締役会議事録
※取締役会を設置していない会社は「取締役決議書」、合同会社の場合は「同意書」等

■別の法務局管轄へ移転する場合
・株式会社本店移転登記申請書(旧登記所分)  ※3万円分の収入印紙を添付
・株式会社本店移転登記申請書(新登記所分)  ※3万円分の収入印紙を添付
・株主総会議事録
・取締役会議事録
※取締役会を設置していない会社は「取締役決議書」、合同会社の場合は「同意書」等
・印鑑届出書
・印鑑カード交付申請書

上記のほかに代理人が提出する場合のみ、どちらにも「委任状」が必要です。

②管轄法務局へ提出
必要書類全部を管轄法務局の商業登記申請窓口へ提出します。
同じ法務局管轄の場合は、その管轄の法務局へ、別の法務局管轄へ移転する場合は移転前の管轄法務局へ、全ての書類を提出してください。
提出は郵送でも可能です。
全ての書類が入る封筒に管轄法務局の宛先を記載し、その横に「商業登記申請書在中」と記載、その後書留郵便等で発送してください。

③登記完了予定日を確認
提出が完了したら登記完了予定日を確認します。
これは、この日までに法務局から補正の連絡がなければ、その日には登記が完了している、という目安になる日のことを言います。
窓口に直接提出した場合はその場で確認、郵送で提出した場合は法務局に電話で確認してください。
完了まではおおよそ2週間程度が一般的です。

3-1-2.オンラインで行う

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上記では窓口に提出する方法を記載しましたが、登記の申請はオンラインでも可能です。
オンラインでの申請と聞くと、手続きが簡略化できるように思われますが、実際は申請用総合ソフトをインストールしたり、電子署名を発行したりと、通常より少し手間がかかります。
以下で手順を説明致します。

①申請用総合ソフトのインストール
http://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/download.html
上記から専用のソフトをインストールします。
使用許諾書に同意し、登録の手続きを進めてください。

②本店移転登記申請書の作成
申請用総合ソフトを利用し、登記・供託オンライン申請システムにログインして本店移転登記の申請書を作成します。
同じ法務局管轄の場合は1件分、別の法務局管轄へ移転する場合は2件分作成しましょう。

③資料を添付する
株主総会議事録など、書面の場合の必要書類と同様のものを添付します。
申請のみオンラインで行い資料のみ別で法務局へ提出することも可能です。
その場合は「書面により提出した添付情報の内訳表」というものを作成し、それと共に提出しましょう。

④電子署名を付与する
申請情報に電子署名を付与します。
この電子署名は別途で発行する必要があり、発行には手数料がかかります。
また、証明期間によって値段が変わるので以下の表を参考にして下さい。
※証明期間とはその電子署名の有効期限のこと

証明期間

こちらは上記で説明した登録免許税とは別での費用となるので、注意して下さい。

⑤申請情報の送信と登録免許税の納付
電子署名の付与まで完了したら手順に従い、申請情報を送信します。
その後、登録免許税の3万円、もしくは6万円を納付します。
これはオンライン上で可能ですが、収入印紙や領収証書で納付することもできます。
その場合は申請用総合ソフトから印刷した「登録免許税納付用紙」に収入印紙または領収証書を貼り、指定の法務局へ持参します。

⑥手続き完了メールを確認
オンラインで申請した場合は、手続きが完了したらメールが到着します。
その確認を持って、本店移転登記が完了となります。

別の法務局管轄へ移転する場合は、移転前の法務局を経由して移転後の法務局に送られて処理されるので、通常の同じ法務局内で完結する登記よりも時間がかかりますので、期日には注意して下さい。
早めに取り掛かることをおすすめします。

※オンライン申請マニュアル
※電子署名取得の方法(法務省リンク)
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00028.html#02

3-2.司法書士に依頼する場合

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ここまで自社で行う場合を説明してきましたが、本店移転登記の申請は司法書士に依頼することが可能です。

司法書士に依頼する場合は、上記で説明した登録免許税のほかに司法書士報酬が必要になります。
司法書士によって報酬額は異なりますが、一般的な相場は以下となります。

■同じ法務局管轄内で移転する場合
約2万円~4万円
■別の法務局管轄へ移転する場合
約4万円~6万円

依頼した場合は基本的に全て司法書士が行ってくれ、自社で行うのは自筆部分の署名と押印のみと考えておいて構いません。
上記以外でかかる時間としては、最初に行う司法書士との打ち合わせです。
報酬額は定款変更の有無や商号調査の有無によって値段が変わってきますので、何が必要なのかの擦り合わせを行ってから見積もりを出すのが一般的です。

そして、自社で行うか、外部の専門家に依頼するかの判断基準ですが、ずばり「時間をお金で買うかどうか」が決め手となってきます。
例えば、3-1の書面で行う方法を自社で行おうとした場合、上記で説明したことを全て調べて行わなければならないので、リサーチする時間も加味すると、おおよそ3週間程度必要になります。
しかし、司法書士に依頼した場合は、専門知識を元にこれら全てを代理で行ってくれます。

従って、4万円前後の額をかけて自社で申請する手間・時間を省くか、4万円前後を節約し自社で時間をかけて行うか、を選ぶこととなり、結果として「時間をお金で買うかどうか」が基準となります。

極限まで節約したいのであれば自社で、時間を惜しみたいのであれば司法書士に依頼しましょう。

3-3.申請の際に注意すべきこと

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本店移転登記を行う上で注意すべきポイントをまとめました。
登記申請と一緒に行うべきものや、事前に確認しておくべき項目ですので、登記の申請を行う前に確認するようにしましょう。

①定款変更が必要かどうか確認する
定款に具体的な所在地まで記載してある場合は、本店移転により定款変更も必然的に行わなければなりません。
その場合は移転前に株主総会を開催し、議事録を本店移転登記申請書と一緒に提出する必要があります。
従って、別の法務局管轄への移転の場合は絶対に定款の変更を行うので、株主総会議事録の提出は必須となります。

しかし、同じ法務局管轄内での移転で、元々定款に最小区画までしか記載しておらず、枝番等具体的な所在地を定めていない場合、定款に記載のエリアから出ない移転であれば、変更の届出は不要です。
また、定款の変更が行われないので、株主総会の開催も不要となります。
しかし、取締役会の議事録は上記に関係なく必要ですので、そちらは用意するようにしてください。

②商号調査が必要かどうか確認する
移転後の区画近辺に、同じ事業目的で同じような名前の会社が存在した場合は、商号権の侵害となってしまう場合があります。
異なる区域への移転を考えている場合は、移転前に調査するようにしましょう。
こういった調査も司法書士が承ってくれるケースが多いです。

③誰が申請しに行くか確認する
本人が申請する場合は不要ですが、本人以外の場合は誰であっても委任状が必要です。
移転前の管轄内、管轄外に関わらず、司法書士や自社の法務部などに依頼する場合でも必ず捺印した委任状を一緒に用意しましょう。

④申請期間を確認する
本店移転登記の申請は移転の日から2週間以内がルールです。
移転の日とは会社の本店が移転して移転先で営業を開始する日のことを言います。
契約締結日や引渡し日ではありませんので注意して下さい。
移転日から2週間を経過してしまった後でも本店移転登記を申請することは可能です。
しかし、場合によっては過料が発生することもあるので、注意して下さい。
ちなみに、この過料に関して、登記期間を何日経過していたら制裁をうけるのか、過料はいくらなのか、は明らかにされていません。

4.申請書のフォーマット

では実際に本店移転登記の申請書のフォーマットを確認してみましょう。
書き方や注意点を確認し、不備のないよう記載して下さい。

まず下のリンクからワード書式のものをダウンロードしましょう。
本店移転登記申請書フォーマット

そうすると以下のような申請書がダウンロードできます。

申請書1

該当箇所に必要事項を打ち込んでいきますが、書く際は以下リンクの注意事項を必ず確認しながら記入するようにしてください。

本店移転登記申請書注意事項

申請書2

法務省が出しているもので、上記のように書き方や注意点が細かく載っています。
赤文字部分に注意しながら記入していくことで、不備なく入力できます。
どうしてもわからない部分は法務局に電話をして聞いてしまいましょう。
記載方法に関して確認したい、と伝えると丁寧に回答してくれます。

■コラム■移転時の法手続きまとめ
ここでは本店移転登記だけでなく、移転の際に行わなければならないその他手続きをまとめました。
これらは基本的に申請に関する手数料は不要ですが、それぞれ手続きの際に必要な書類の発行費用は別途必要となります。
移転の際は忘れずに行いましょう。コラム

5.まとめ

本店移転登記に関する申請方法や費用に関してご説明しましたが、いかがでしたでしょうか?
本店移転登記は移転の際の必須申請項目です。
移転検討中の方はこの記事を参考にし、よりスムーズに申請できるよう準備を進めてみてください。

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