【業種別/事例付】初めてでも大丈夫!新人研修プログラムで抑えたい3つの柱

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「会社や上司から新人研修を立ち上げるよう言われた。でも何から着手したらいいのか分からない…」
そんな人事・総務ご担当者に役立つ情報をお届けします。最近の「新人研修」の傾向を踏まえた上で、「新人研修を構成する3つの柱」について学びましょう。

〈新人研修の3つの柱〉
1.業界や職種を超えた『社会人に必要なスキル』
2.業界や職種ごとの『専門的なスキル』
3.自社の理念やノウハウ

新人研修を1年目から成功させるために、ぜひご一読ください。
※尚、この記事は「新卒採用者向け研修」だけでなく、「中途採用者向け研修」にもあてはまる内容を含みます(3章以降)。

1. 新人研修の傾向を知ろう
1-1.【新人研修の実施率】9割前後の企業が新人研修を行う
1-2.【新人研修の期間】もっとも多い設定は約1ヵ月
1-3.【新人研修の目的】「社会人の自覚をもたせる」という回答が突出
2. 業種・職種を超えて共通のビジネススキル
2-1.社会人としての自覚をもたせる
2-2.ビジネスマナー習得
3.自社の理念やノウハウ
4.まとめ.研修会社への丸投げはNG

1.新人研修の傾向を知ろう

はじめに、最近の「新人研修」の傾向を確認してみましょう。“新人研修のスタンダード”を知ることで骨格が設計しやすくなります。

1-1.【新人研修の実施率】9割前後の企業が新人研修を行う

新人研修を検討中のご担当者には、HR総合調査研究所の「新入社員研修に関するアンケート調査」が参考になると思います。これは上場・非上場の389社の人事担当者をヒアリングしたものです。
この調査によると新人研修の実施率は、「社員数301人以上の会社では9割超」「社員数300名以下の会社では87%」となっています。会社の規模が小さくなると実施率は低くなる傾向にあるものの、わずかな差でしかありません。
大半の企業にとって、「新人研修はあって当たり前」の存在といえます。

1-2.【新人研修の期間】もっとも多い設定は約1ヵ月

研修を立ち上げようとお考えのご担当者は、「実施期間」も気になるところでしょう。
半数以上の企業が新人研修の期間を「約1ヵ月に設定」しています。傾向としては、会社の規模が大きくなるにつれて期間が長くなっています。
研修スタイルには毎日出勤する「通勤型」と、宿泊施設に泊まる「合宿型」がありますが、6割超の企業が「通勤型」、3割超の企業が「合宿型」を選択しています。
このへんは、それぞれの企業の考えや予算によって選択してよいと思います。

1-3.【新人研修の目的】「社会人の自覚をもたせる」という回答が突出

新人研修の目的については、7割超の企業が「学生から社会人へのマインドチェンジ」の項目を選択しています。これに「コミュニケーション力養成」「ビジネスマナー習得」などの項目が続きます(どちらも3割超の企業が選択)。
いずれにしても、新人研修の目的は明確にした方がよいでしょう。それにより、今回の新人研修が成功したか?が判断でき、次回の研修によりよくするための改善点も考えやすくなります。

2.業種・職種を超えて共通のビジネススキル

新人研修のプログラムは次の3つの柱から構成されています。

1.業界や職種を超えた『社会人に必要なスキル』
2.業界や職種ごとの『専門的なスキル』
3.自社の理念やノウハウ

2章では、1つ目の柱である「社会人に必要なスキル」について解説します。先ほどのアンケート結果を振り返ってみましょう。多くの企業が「新人研修の目的」と答えたのは次の項目でした。

a.社会人としての自覚をもたせる
b.ビジネスマナー習得
c.コミュニケーション力養成
(※もちろん、個々の企業ごとに他の目的も考えられます。)

これら3つは、そのまま1つ目の柱「社会人に必要なスキル」にあてはまります。つまり、大半の企業が専門知識の前に、まずは「社会人としての常識やスキルを身に付けてほしい」と考えているということです。

具体的にどのような考え方をしたら、新人に「社会人に必要なスキル」が定着しやすくなるかを考えていきます。

2−1.社会人としての自覚をもたせる

新人研修の目的で7割以上の企業が挙げたのがこの項目でした。
社会人としての自覚をもたせる…これをもっと分かりやすく言えば、「学生時代(バイトやサークル)とは違うことを理解させる」となるでしょう。「倫理観のない行動、法律に抵触する行動が、会社や家族にいかに被害を及ぼすか」という考え方に加えて、ニュースを題材にした事例を紹介するとリアルに感じられます。

社会人になると必要な意識には、「自分で学ぶ姿勢」もあります。学生時代は、学校が学習の材料を与えてくれましたが、社会人は自発的に取り組むしかありません。この基本姿勢を伝えると共に、先輩社員の体験談などを盛り込むと具体性が出ます。

2-2.ビジネスマナー習得

ビジネスマナーも新人研修で外せない要素です。最低限のビジネスマナーを身に付けないと、取引先との折衝・応対を任せることができません。
そのため、新人研修のうちの相当な時間をビジネスマナー習得に割く企業も多いようです。習得すべき項目には次のようなものがあります。

・言葉遣い、敬語
・挨拶
・電話応対、来客応対
・名刺の渡し方
・服装
・取引先や顧客訪問時の礼節 等

ビジネスマナーの習得で大事なのは、これらを「無意識にできること」です。ビジネスマナーはコミュニケーションの中で使われます。意識しなくても自然な雰囲気で出来るのが理想です。
一般的な研修では、ビジネスマナーの必要性&基本を学び、トレーニングを通して実技を定着させていきます。

もう一つのポイントは、「ビジネスマナーは単なるマニュアルではない」という本質を理解させることです。ビジネスマナーとは「相手を思いやる気持ち」「相手を敬う気持ち」を表現したものだということを理解させましょう。

参照:https://himawari55.co.jp/business0001/seminar_manner/(株式会社向日葵・株式会社ひまわりキャリアサービスHP)
参照:http://service.nobetech.co.jp/trainingprogram/freshmanlist/term_freshman/(株式会社ノビテクHP)

2-3.コミュニケーション力養成

ビジネスにおけるコミュニケーションの基本である「ホウ・レン・ソウ」は、新人研修では必須の内容です。合わせて、「聴く力」「伝える力」「質問力」などを総合的に高めると現場に出てからスムーズです。
これを定着させるにも知識の学習とトレーニングの組み合わせが有効ですが、最近では「インプロ研修」も注目されています。これは台本のない即興劇をベースにした研修で、人前で話す力が身につきます。
参照:http://www.feather-project.com/(株式会社ASCEND FEATHER(アセンドフェザー)HP)

3. 業界ごとの研修傾向+事例

次に、新人研修の2つ目の柱「業界や職種ごとの専門的なスキル」についてお話しします。8つの業界をピックアップし、それぞれの業界ごとの傾向と事例を紹介していきます。

①『アパレル業界』の新人研修の傾向

アパレル業界の新人研修(バイヤーや販売員等)では、ファッションのプロフェッショナルとしてのスキルを磨きます。座学では、生地の特性、アパレルの専門用語、業界の傾向などを学びます。合わせてロールプレイングをしながら、ショップ運営のための基本やディスプレイ術を身に付けます。

〈企業事例:ワールドグループの新人研修〉
グループで扱う商品の品質管理法を先輩社員から聞いたり、不良品を実際に手にとってカラダで覚えたり、“アパレルアイテムの目利き”になるためのコツを習得しています。


http://recruiting-info.jp/world/view.php?id=110170&parent=16387&cid=18156&m=view

②『飲食業界』の新人研修の傾向

飲食業界の新人研修 (ホール・接客係等) では、お客様のおもてなしや機能的に動作するコツを重点的に学びます。おもてなしを学ぶプログラムでは、その店舗のTPOに合わせた言葉遣いや立居振る舞いを身に付けます。
機能的な動作の習得では、的確にオーダーをとったり、食器をトレーに載せながらスピーディに動いたりするコツを覚えます。合わせて、食中毒を防止するための手洗いや、食品管理の知識を学ぶこともあります。

〈事例:アトム(ステーキ宮)の新人研修〉
店舗での研修に入る前段階での「衛生研修」に力を入れています。全社的に実施している「1分間手洗い」の意味を学びながら実際に手洗いをします。
https://job.rikunabi.com/2018/company/r512400047/blog/detail/43/

③『システム開発業界』の新人研修の傾向

システム開発業界の新人研修(SE・プログラマー等)では、ビジネススキルとテクニカルスキルの両方を学びます。テクニカルスキルを高める研修では、自社で使っているプログラミング言語の習得が組み込まれることが多いです。併行して、アルゴリズムやシステムの基礎などを学ぶ会社もあるようです。

〈事例:TISインテックグループの新人研修〉
自社の得意分野である「損保業務」「銀行業務」の業界知識を新人研修に組み込んでいます。コンプライアンスやメンタルヘルスのメニューも網羅しています。
http://www.insource.co.jp/hierarchy-newcomer/8-skill.html

④『不動産業界』の新人研修の傾向

不動産業界の新人研修では(主に営業職)、コンサルタントとして物件を売買・賃貸する時に必要な知識を身に付けます。物件の種類や契約形態などの基礎知識はぜひとも抑えたいところです。地域密着している不動産会社も多く、エリア特性や周辺スポットを学ぶこともあります。

〈事例:リビングギャラリーの新人研修〉
約1ヵ月の研修の集大成として、新人たちがアイデアを出しながら「キャンペーン企画」をプランニング。社長や先輩方の前に対してプレゼンを行って、社内コミュニケーション力を付けていきます。


http://www.living-gallery.com/info/archives/914/

 

⑤『住宅業界』の新人研修の傾向

住宅業界の新人研修では(主に営業職)、自社が扱う商品の特性や家づくりの基本を学びます。それと共に、自社の業界内でのポジションや競合他社に対しての優位性などを学びながら、効率的な営業方法を身に付けていきます。

〈事例:新生ホームサービスの新人研修〉
顧客に住宅工事を提案するための専門知識の習得を盛り込んだプラグラム。「工事別研修」では、外装工事・内装工事・水回りなどに必要な部材や工程について学びます。


http://shinseihomeservice-saiyo.com/03_environment/01.html

 

⑥『介護業界』の新人研修の傾向

介護施設の新人研修では(主に介護職)、食事・入浴・排泄などのお世話をする方法を学びます。合わせて、「感染症予防」「介護事故防止」「医学的な知識」といった利用者の健康・安全を守るための知識を身に付けていきます。命と向き合うことが多い仕事なので、死生観教育がプログラムに盛り込まれることもあります。

〈事例:アサヒサンクリーンの新人研修〉
デイサービスやグループホームなどの介護施設を全国展開する企業。実技研修では、介護にあたっての心得や訪問入浴の手順をカラダで覚えていきます。昨年入社の先輩社員が講師として参加しています。


http://www.asahi-sun-clean.co.jp/2013/04/7575/

 

⑦『旅行業界』の新人研修の傾向

旅行業界の新人研修では(カウンター業務や添乗員など)、お客様を安全かつスムーズに目的地へご案内するスキルを身に付けます。サービス業の基本を徹底的に学ぶと共に、旅行業界特有の法律を学びます。具体的な内容としては、旅行契約の基本を示した「旅行業約款」や、旅行の公正な取引のための「旅行業法」を覚えます。

〈事例:JTBの新人研修〉
旅行会社大手のJTBでは、実際に温泉旅館に泊まってサービスを体感しています。館内施設・浴室・料理などの一つひとつを確認しながら、気づいたところをこまめにメモしていきます。
http://www.katuurakankohotel.co.jp/blog/index.php?e=45

 

⑧『保険業界』の新人研修の傾向

保険業界の新人研修では(主に営業職)、生命保険の基礎知識の習得が必須です。加えて、コンサルティング要素が強い仕事のため、お客様のライフプランを設計する能力を磨くのも大切です。現場に出る最低限のスキルとして契約時の実務も身に付けます。

〈事例:朝日保険の新人研修〉
6ヵ月の長期スパンで新人研修を実施。保険そのものを学ぶと共に、「経営管理知識」「論理的思考」などもプログラムに含まれています。


http://www.asahi-life.co.jp/saiyou/shinsotsu/kankyo/sogo.html

3.自社の理念やノウハウ

新人研修のプログラムを構成する3つ目の柱は、「自社の理念やノウハウ」です。
自社の理念や行動規範については、唱和を通してまず言葉として覚えてもらうと同時に、そこに込めた想いの部分も共有する必要があります。そのため、唱和+座学を組み合わせてレクチャーするのが効率的です。研修メニューに組み込む他に、北水会グループの新人研修のように、朝礼に理念唱和を組み込む方法もあります。


参照:http://blog.livedoor.jp/hokusuikaigroup/archives/57324429.html

自社のノウハウについては、短期間で伝えることが難しいケースも多く、新人研修では概要に止め、OJTを通して伝達する企業が多いようです。

4.まとめ.研修会社への丸投げはNG

最後に、「新人研修を誰が運営・実施するのか?」の部分についても触れておきます。

新人研修を行う際は、「自社のみで行う」「研修会社に依頼する」の選択肢があります。
自社のみで行う場合のメリットは「費用を抑えられる」という点ですが、ノウハウなし、見よう見まねのプログラムでは精度が低くなるリスクがあります。

研修会社に依頼する場合のメリットは、「充実した研修ができる」ことですが、丸投げすると費用がかさみ、御社らしさのないプログラムになってしまいます。
現実的には、自社と研修会社の両者で分担(連携)し、研修を行うことも多いようです。これにより、費用を抑えながら、御社らしい充実したプログラムが実行しやすくなります。
まずは、「業界名 新人研修 研修会社」などのキーワードで検索し、気になる研修会社があったら面談をするところから始めましょう。

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