定期借家契約についてまるわかり!契約時の注意点も教えます

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物件を契約する際に、「定期借家契約」と言われ、どんなものなのか分からず、不安に感じている人は多いのではないでしょうか?

物件を契約する際に定期借家契約が用いられる割合は、2~3割ほどと普通借家契約に比べて、少ないのが現状です。
しかし、借りる側としては定期借家契約の要点を押さえておかないと、後々大きなトラブルに発展してしまう危険性もあるのです。

ここでは、トラブルに巻き込まれないよう、定期借家契約の概要と契約の際の注意点をしっかりと説明していきます。
契約形態は法律に基づいているため、内容が難しく、理解しがたい部分も多くあります。出来る限りわかりやすく説明していきますので、定期借家契約について理解を深めていきましょう。

これを読んで、あなたができるだけ有利に交渉できるよう、知識を身につけて下さい。

 

1.定期借家契約は「期間が決まっていて、更新が無い契約」
 1-1.普通借家契約と定期借家契約の違いは?
 1-2.定期借家契約とはどんな契約なのか詳しく知ろう!
2.定期借家契約に関する注意点3つ
3.定期借家契約を上手に活用する3つの方法
4.まとめ

1.定期借家契約は「期間が決まっていて、更新が無い契約」

まず初めに、定期借家契約は、「契約期間が決まっていて、期間満了後の契約更新が無い契約」のことを言います。
これから定期借家契約について詳しく説明していきますが、上記のことを念頭に置いておいてください。
ここでは、普通借家契約と定期借家契約の違いや、定期借家契約の特徴的なポイントを説明していきます。わかりやすく説明していくので、しっかりとポイントを押さえていきましょう。

1-1.普通借家契約と定期借家契約の違いは?

不動産を賃貸契約する際は、大きく分けて「普通借家契約」と「定期借家契約」の2つのパターンがあります。
この2つの契約形態の大まかな違いは、契約期間と物件を貸している側・借りている側のどちらに有利なのかということです。

まず1つ目に、「普通借家契約」とはどんな契約かみていきましょう。
普通借家契約では、物件を借りている側(借主)が損失をしないように保護するため、借主に有利な内容が多く含まれています。

普通借家契約では、借主が継続して借りることを希望している場合、物件を貸している側(貸主)からの解約や更新の拒絶は基本的にできません。
※物件を貸している側(貸主)に正当な事由(戻ってそこに住む必要がある、物件を売らなければならないなど貸している物件を明け渡してもらう理由)がある場合は例外となります。

2つ目に、「定期借家契約」とはどんな契約かみていきましょう。
貸主が貸し借りで不都合が生じないように考慮したのが、平成12年に新しく制定された定期借家契約です。

定期借家契約では、法律で自動更新が定められていません。そのため、契約期間が過ぎれば借主は物件を明渡さなくてはなりません。
このことから、定期借家契約は貸主にとって、有利な契約といえます。

1-2.定期借家契約とはどんな契約なのか詳しく知ろう!

ここでは、定期借家契約について詳しく説明していきます。
特徴を整理して、定期借家契約への理解を深めましょう。

初めに、契約時に定期借家契約が求められる理由は、大きく2つあります。
①築年数が古く建物の取り壊しが決まっていて、期間限定の物件として貸している場合
②貸主が賃料滞納等を危惧しているため、立場を有利にした状態で物件を貸している場合

これらを理解しておくと、後々再契約や賃料交渉を行いやすいため、どちらの理由によるものなのかを仲介業者等に確認してみると良いでしょう。

また、定期借家契約の主な特徴として以下の2つがあげられます。

▼ 契約満了後は自動更新ではなく再契約
定期借家契約では自動更新がありません。
期間が満了してしまうと、「更新」ではなく「再契約」としてもう一度契約をし直さなければいけません。そのため、好条件で物件を借りる事が出来ても、再契約をする際は一から交渉していく事になります。物件を使用する期間の目途が立たない場合は、定期借家契約の物件を避けた方が良いかもしれません。

▼ 1年未満の契約が可能

定期借家契約では期間を自由に設定することができ、基本的に制限はありません。ですので、定期借家契約では1年未満の契約をすることも可能です。しかし、一部取り壊しが決まっている物件では始めから、「〇年の定期借家契約」といった設定がされている場合もあります。
また、定期借家契約は賃料が安く設定されていることが多いです。そのため、単身赴任等の短期間のみの使用目的の方は、通常より安い賃料で借りることができるので、利用しやすい契約形態となっています。

定期借家契約が成立するために必要な2つのこと

定期借家契約が成立するためには2つの必須事項があります。
①「契約の更新がなく、期間の満了により終了する」旨を契約書とは別に、公正証書等の書面によって契約を行い、貸主からの説明があること。
②契約期間満了の1年前から6ヶ月前までに貸主から「契約が終了する」旨の通知をされること。
※通知方法=法律上では「文書」による通知は必要とされていませんので、「口頭」で行っても問題はありません。しかし実際は、後々のトラブルを避けるために「内容証明郵便等」の文書によって行われます。
上記2つを満たしていなければ、定期借家契約の効力は発生せず、退去請求があっても退去する必要がありません。

 

 

下記のグラフは、定期借家契約と普通借家契約の違いについてまとめた表となります。
2つの契約が比較されているので、どこが違うのか見比べてみましょう。

2.定期借家契約に関する注意点3つ

定期借家契約の物件を借りる場合、契約前に注意しておくべき事があります。あとから定期借家契約を理由にしたトラブルに発展しないためにも、以下の注意点を確認しておきましょう。

① 入居中の賃料交渉は基本的に出来ません

定期借家契約では、入居中の賃料の増減は基本的には出来ません。そのため、通常は定期借家契約を結ぶ場合は、「借主が家賃を減額するよう貸主に請求することが出来ない」という特約がつきます。
普通借家契約では借主に不利な特約は無効ですが、定期借家契約ではこうした特約が認められています。そのため、賃料交渉をしたくても諦めなければいけない場面が多いです。どうしても減額してほしい場合は、貸主に対して直接「お願い」をするしかありません。

 

② 契約時に「定期借家契約」という契約名になっていない事もある
店舗・事務所用の定期借家契約に関しては、必ずしも「定期借家契約」といった契約名になっていない場合があります。定期借家契約かどうか見極める際は、契約期間欄の下に「契約終了の通知をすべき期間」という項目があるので、これがあれば定期借家契約と捉えて下さい。また契約書本文に、第2条「本契約は、前提に規定する期間の満了により終了し、更新がない・・・」と記載されている場合も、同様に定期借家契約となります。仲介業者を挟む場合には定期借家であることを教えてくれるので、そちらも判断材料となります。

 

③  契約期間内では違約金が発生
定期借家契約では、途中解約は認められていません。そのため、期間満了する前に解約をしたいと思ったら、残りの賃料を違約金として支払う必要があります。
※例外的にやむをえない理由の場合は、途中解約が出来る場合があります。
・床面積が200平米未満
・居住用建物
・転勤・療養・親族の介護などのやむをえない事情がある場合
上記3点全てが当てはまれば途中解約が認められますので、違約金を支払う必要がなくなります。
※なお、店舗・事務所兼住宅として賃貸している場合であっても、生活の拠点としていれば、居住用建物として認められます。

定期借家契約の途中解約について詳しく知りたい方は、下記の記事をお読みください。
http://ashita-office.com/teikisyakka-cancel-3499

3.定期借家契約を上手に活用する3つの方法

ここまで見てみると、定期借家契約は基本的に借りる側にとってのメリットが少ないという事が分かります。ですが、目的によっては定期借家契約をうまく活用できる事もあります。これから定期借家契約を活用する方法として3つご紹介していきます。

① 申込の際の賃料交渉に活用できる
定期借家契約を利用して、賃料の値下げ交渉に活用できる事もあります。
基本的に貸主に有利な法律なので、借主にとってはデメリットの方が多いです。そのため、全ての物件に当てはまるわけではないですが、貸主も賃料の値下げ交渉に柔軟な方が多いです。賃料交渉のカギとなるのが、貸主が定期借家契約を設定した理由となります。「建物と特に取り壊しが決まっていて、期間限定でしか建物を貸し出せない物件」の場合は、貸主は出来る限り残っている物件で収益を上げたいと考えています。ですので、入居する人が増えるように、相場より安く物件を借りることが出来るケースもあります。
一方、「賃料滞納等を危惧しているため定期借家契約を求められた」場合は、あまり多くを要求した所で断られる可能性も出てくるでしょう。このような状況は新設した企業が借りる場合や、貸主自身が以前借主との間でトラブルが発生したために、定期借家契約で様子を見ようとする場合が多いです。

 

② 原状回復費を節約できる
短期間のみの利用を希望している方は定期借家契約の物件が合っている場合もあります。また、築年数が古く、取り壊しが決まっている物件では、期間満了後の原状回復の必要がない場合があります。これは、原状回復をした所で、その後すぐに取り壊すのでは無駄な出費になるからです。契約上に、はっきりと「免除する」といった文言は入っていない事がほとんどですが、取り壊し予定がある物件では原状回復義務がない所が多いといえます。
一般的に原状回復費は「坪×5万円」とされています。20坪なら100万円程浮く事になりますので、引越しの際にかかる費用を節約できます。

 

③  相場が上がっても、賃料は上がらずに借りることができる
定期借家契約の契約期間は、物件によってバラつきがあります。しばらく移転をする必要がない借主にとって、定期借家契約では長期間決定した契約内容で借りることも可能です。定期借家契約であれば、契約が10年以上と長期間となる場合でも、相場の上昇が賃料に影響を与えることはありません。相場の変動が激しい地域では、定期借家契約の方が賃料の変動がなく、長い目で見た時に安定したコストで借りることが出来る可能性があります。

 

・定期借家契約であっても、後々普通借家契約に変更できる可能性があります。
もともと貸主が家賃の支払いに不安があって定期借家契約にされていた場合、契約期間を通して借主がきちんと支払いを続けていれば、再契約の際に普通借家契約になる場合があります。そのため、定期借家契約になっている物件が本当に理想的であったら、そういった可能性にかけて入居してみるのも一つの方法です。ただ、定期借家契約から普通借家契約への契約形態の変更は、全体の1~2割程度と非常に少ないということを念頭に置いておきましょう。

4.まとめ

いかがでしたか?
定期借家契約は、事業用の物件では珍しくない契約形態となってきました。
一見借主には不利な契約に見えますが、定期借家契約のしくみと注意点を把握することが、損をしないで契約を交わすカギとなります。
契約の際に定期借家契約を求められたら、ここで紹介したポイントを抑え、あなたにとって少しでも有利な条件で契約出来るようにしてください。

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