専門家が教える!車庫証明発行までの完全マニュアル

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アイキャッチ(車庫証明)

引越しや車購入時に聞く『車庫証明』という言葉。普通に生活しているとあまり聞かないので、何の事か分からない方も多いのではないでしょうか。

車庫証明は駐車場が無いと手配できないので、自宅に駐車場が無い方は探して契約しなければいけません。車庫証明発行を前提とした駐車場契約にはいくつかルールがあり、悪気無くやっていても知らずに罰則の対象になる事があります。

ここでは駐車場契約も含め、注意して頂きたいポイントを説明します。自分の状況に置き換えて「これは大丈夫だ」と理解出来るように、分かりやすく事例もご紹介しますので、車庫証明発行まで失敗しないよう、また発行後もトラブルに巻き込まれないよう、しっかり知識をつけて下さい。

■目次
1.車庫証明に関して
1-1.車庫証明とは『車を置く場所の証明』
1-2.車庫証明発行が必要な3つのタイミング
2.車庫証明発行をする為に必要な4つの条件
3.車庫証明発行までの流れ
4.よくある質問
5.よくある失敗事例
6.まとめ

1.車庫証明に関して

まずは車庫証明がなんなのかを理解しましょう。本質を理解すれば、その後に出てくるいくつかのルールも頭に入りやすくなると思います。どんな時に必要なのか、どんな注意をしなければいけないか説明しますので、自分の状況に当てはめてみて下さい。

1-1.車庫証明とは『車を置く場所の証明』

車庫証明とは、車を置く場所(=駐車場)を証明する書面の事です。警察が定めた規定をクリアした駐車場(詳細は後述の2をご覧下さい)を契約し、そこに相応しいサイズの車をとめないといけません。誰がどこでどんな車を駐車しているのか、申請を出させて規制する事で、道路交通の円滑化・適正化を図っています。

このルールを守らないと、『3ヶ月以下の懲役、又は20万円以下の罰金』が課せられます。

“保管場所使用承諾証明書との違い”
似た言葉で、『保管場所使用承諾証明書』(以後、保管場所証明と訳す)があります。これは車庫証明を警察に申請する際に提出しなければならない書面の事 で、駐車場の持ち主から出る「ここに駐車する事を許可しましたよ」という証明書です。これの事を車庫証明と言ってしまう人が多いですが、同じ物ではないの で注意が必要です。

保管場所証明

★地域によって少し書式が異なる場合があります。書式は管轄の警察署に直接もらうか、その警察署のホームページでダウンロードしましょう。

1-2.車庫証明発行が必要な3つのタイミング

①車を購入した時
新車を購入した時、中古車を購入した時に必要です。他人や知り合いから車を譲り受けた時も同じです。車の所有者が代わる事になるので、その申請をしなければいけません。車庫証明を発行しないと車の納車が出来ないので、車購入時は車庫証明を発行せざるをえません。

新車

②引越しした時
引越しして住所が変わってから15日以内に変更の手続きをしなければいけません。(規定では、これを守らないと10万円以下の罰金が課せられます)拠点となる住所の管轄の警察署に申請します。申請をすると車のナンバープレートが変わりますが、埼玉にいるのに「湘南ナンバーがいいから」といって管轄外のナンバーにする事は出来ませんので注意しましょう。

③駐車場が変わった時
以前と同じ警察の管轄内で、少し違う駐車場になっただけでも原則は車庫証明を申請しなければいけません。例えば今使っている駐車場が閉鎖になってしまい、すぐ隣の駐車場に借りかえる時もそれに該当します。しかし、あくまで原則的な扱いで、申請をしていなくても罰則の対象にはなりません。

2.車庫証明発行をする為に必要な4つの条件

車庫証明を発行するには以下の条件を守る必要があります。
車庫証明申請後、警察署の担当者が現地調査をしますので、これを守らないと申請の許可が降りません。

①拠点となる住所から駐車場までが直線距離で2km圏内
ポイントは、『自宅の住所』ではなく、『拠点となる住所』という点です。例えば東京から青森に出張中で、出張先で車を買わなければならなくなった時、住民票の住所は東京のままですよね。そんな時でも、拠点となる住所を『賃貸契約書』などで証明できれば、車庫証明の申請が出来ます。

また、2km圏内だからといって、拠点から1.98kmにある駐車場で車庫証明を申請しようとして、警察に申請を拒否される場合もあります。申請可否の判断材料の一つとして、『ちゃんと使い続けられる駐車場なのか』というポイントがあります。「そんなに遠い駐車場を契約して、ちゃんと使い続けられるの?」と警察署の担当者に思わせてしまわないよう、後先考えて駐車場を選ぶ事が重要です。

②駐車区画が車全体を収容できるサイズ
車のサイズが駐車区画のサイズに収まっている必要があります。駐車場の持ち主が、区画の全長を5mまでと定めている場合で、車の全長も丁度5mの場合は問題ありません。ただし、その持ち主の測定に誤りがあり、実は4m90cmしかなかった場合、車庫証明の申請は通りません。機械式の駐車場ではそのような事はまずありませんが、平地の駐車場では可能性として起こりえるので、最終的には自分で現地測定すると確実です。

駐車場

③道路から支障なく出入りできる
駐車区画のサイズに問題がなくても、駐車場に行くまでの道のりが細すぎたり狭すぎて車が通らない事が明らかな場合、車庫証明の申請は通りません。申請が通る、通らない以前に、自分が今後困るので、必ず事前に現地までの道のりは見ておきましょう。

④時間貸し駐車場ではない
一般的に『時間貸し』や『コインパーキング』と呼ばれる駐車場では申請できません。
いつ誰がそこに駐車している、という保証が無い為です。

時間貸し

3.車庫証明発行までの流れ

「車庫証明はすぐ発行できる」と思っている方が多いですが、車庫証明の申請だけで4日前後掛かります。また、車庫証明の申請は駐車場契約を済ませてからでないと出来ません。そう考えると、駐車場の契約に掛かる時間も考慮しなければいけないので、早くても駐車場の契約を含め約1~1.5週間は見ておかないといけません。事前に流れとスケジュール感を把握して、予定通りに進められるようにしましょう。

1. 駐車場を契約する。
駐車場を契約し、駐車場の持ち主から保管場所証明をもらいます。
注意してほしいのは、駐車場の持ち主により保管場所証明を出すタイミングが違う点です。

例えば初期費用の入金が完了したら出す人、契約書類のやり取りが全部終わってから出す人など、持ち主によってルールが違います。特に引越し前など、遠方から郵送でやり取りする場合は、入金と契約書類の到着のタイミングがずれる事が多いので、このタイミングの違いのせいで自分が想定していたスケジュールを狂わせてしまう可能性があります。事前に持ち主に確認をし、スケジュール通りに進められるよう注意しましょう。

また、オフィスビルの駐車場等、契約前の審査に1~2週間掛かる駐車場もありますので、審査に掛かる時間のチェックも重要です。

2. 警察署で車庫証明の申請をする。
保管場所証明が手に入ったら、警察署で車庫証明の申請をします。保管場所証明以外にも必要書類があります。詳細は以下の通りです。

① 自動車保管場所証明申請書
② 車の保管場所の所在図・配置図
③ 保管場所使用承諾証明書
④ 使用の本拠の位置が確認できるもの
⑤ 認印

特に②に関しては、駐車場の持ち主が出してくれる場合とそうでない場合があります。出してくれずに「自分でやって」と言われてしまう場合もあるので、その場合は指定の用紙を警察署でもらう、もしくはサイトでダウンロードして作りましょう。

配置図

また、意外と忘れがちなのが④です。免許証の住所が更新されていれば問題ありませんが、更新されていない場合は、住民票や公共料金の領収書でも対応できます。免許の住所を更新していない方は以外と多いので、忘れないようご注意下さい。

その他の細かい申請の仕方や必要書類に関する詳細は、以下のサイトが細かく丁寧に説明してくれているので、参考にしてみて下さい。

車庫証明書き方マニュアル

なお、車庫証明の申請は本人でなくても、申請に必要な書類が揃っていれば誰でも出来ます。家族でも、車を購入する時にお世話になったディーラーでも大丈夫です。ただし、ディーラーにお願いすると代行料を追加で請求される事が多いので注意しましょう。

■注意点『車庫証明申請時、勝手に保管場所証明の代わりに駐車場契約書の控えで申請してはいけません』
車庫証明の申請時には保管場所証明を提出する必要があります。しかし警察側では、その代わりに『月極駐車場の契約書控えの提出』でもよしとしています。

警察がよしとしているなら良いのでは?と思われる方も多いと思いますが、駐車場持ち主としてみれば、自分が知らない間に車庫証明の発行が行われていたら困ります。なぜなら、前述の通り、車庫証明が発行されるとその区画では半年経過しないと次の車庫証明が発行できないからです。ただし、駐車場の持ち主に事前に了承を得ていれば、保管場所証明の代わりに契約書の控えで申請しても問題ありません。

■車庫証明申請費用に関して
また、申請に掛かる費用は地域により多少異なりますが、3,000円前後が相場です。以下のサイトに細かく案内があるので、あなたの地域がいくらになるか確認してみて下さい。

車庫証明の費用・手数料-名義変更のすすめっ

3.警察の担当者が駐車位置を調査し、問題ない事を確認。
申請が出ると、警察署の担当者が現地調査します。拠点の住所から駐車場が2km圏内か、駐車場のサイズが適切かなど、前述の1-3の項目をチェックします。

4.車庫証明を受け取りに行く。
地域によりますが、申請から約4日前後で申請の許可が降りるので、再度警察署に取りに行きます。2.の申請時に「○日後に取りに来てください」と通知があるので従いましょう。「申請がおりました」という通知は無いので注意しましょう。

4.よくある質問

ここでは、私が長年駐車場の仲介をしていて、よくお客様から聞かれる質問をまとめています。自分が疑問に思っていた事と同じ質問もあると思いますので、チェックして疑問を解決して下さい。

Q.「駐車場の賃料発生日は、車の納車日ではないの?」
違います。車庫証明発行が伴う月極駐車場契約では、保管場所証明に記載された開始日が賃料発生日になります。例えば以下の場合、賃料発生日は1月3日です。

・駐車場の持ち主から、保管場所証明を1月1日に頂く。
・保管場所証明に記載されている開始日は1月3日。
・1月3日に警察署に車庫証明を申請しに行く。
・1月7日に車庫証明の申請が降り、そのままディーラーに納車手配を依頼する。
・1月11日に車が納車され、駐車場を使い始めた。

Q.「警察署に車庫証明の申請をしたら、「まだ早い」と申請を拒否されたけどどうして?」
それは恐らく、提出した保管場所証明の『開始日』がまだ先の日付だからです。例えば警察署に申請しに行った日が1月1日で、保管場所証明に記載された開始日が1月3日の場合、警察は1月3日になるまで申請を受け付けてくれません。
自分(もしくは代理人)がいつ警察署に申請をしに行けるか、また、納車はいつ頃の予定なのか、スケジュール感を把握して動かないと思った通りの日程で手続き出来ませんので注意しましょう。

Q.「駐車場持ち主に、保管場所証明の日付の部分を空白にして出してもらえる?」
要相談です。前述の通り、保管場所証明の開始日欄に記載された日以降でないと、警察は車庫証明の申請を受理してくれません。ですので、この欄を空欄にして出してもらえると、こちらで日付を調整出来るので助かります。

車を購入する際に、購入先のディーラーに「保管場所証明の契約開始日の欄は空白にしてもらってきて下さい」と言われる場合があるのはその為です。しかし、駐車場の持ち主によっては、「悪用されるのでは」と嫌がる方も居ますので、お願いしたい場合は事情をちゃんと説明しましょう。

Q.「自分で車庫証明の申請をすれば『保管場所証明の発行手数料』は掛からない?」
これは間違いです。駐車場で保管場所証明を発行する時に掛かる発行手数料は、あくまで『証明を発行する手数料』です。この手数料を『代わりに警察署まで行って車庫証明の申請手続きまでやってくれる手数料』と勘違いする方が居ますのでご注意下さい。

Q.「会社名義で駐車場契約をする時、会社住所が駐車場から2km圏外でも私(利用者)の住所が2km圏内なら車庫証明発行はできる?」
発行できます。警察署で車庫証明を申請する際、『所有者は会社、使用者はあなた』として申請しましょう。

Q.「なぜ保管場所証明の発行に手数料が掛かるの?」
駐車場の持ち主が損をしないようにする為です。中には無料で発行してくれる所もあるのになぜ掛かるのでしょう?

過去に車庫証明だけとってすぐに解約をする『車庫飛ばし』と呼ばれる行為が頻発しました。これは、2km圏内にある駐車場を契約してとりあえず車庫証明を発行し、後は遠くてもいいから安い所に移し変えて駐車場維持費を浮かせたい人達が多く居た為に起こりました。

借りる人達は、『車庫証明を発行したら、同じ区画で半年以上車庫証明を発行できない』という持ち主側が損をしてしまう事なんて気にしません。また、車庫飛ばしをした本人が注意をされるかと思いきや、車庫飛ばしをされた駐車場持ち主が、警察から「なぜ車庫飛ばしさせるのだ」と理不尽な指導を受けてしまうのです。

「保管場所証明の発行条件として、発行手数料 5,000円掛かる」や、「発行条件として前家賃3ヶ月前納が必要」と言われる理由は、車庫証明の発行に少しリスクを課す事で、車庫飛ばしをし辛くする、また実際に車庫飛ばしをされてしまったとしても、持ち主の負担が軽減できる為です。

Q.「車庫証明を発行したら、半年解約できないのはなぜ?」
駐車場の持ち主が困ってしまうからです。
月極駐車場を契約した事がある方なら、契約書の中に『車庫証明を発行した場合、半年以内の解約は不可とする』という条文を見かけた事があるかもしれません。あるいは、解約不可とは言わずとも、違約金が掛かるという条文かもしれません。

なぜこのようなルールがあるかというと、例えば駐車区画が1番、2番、3番と3区画あり、1番で車庫証明を発行した場合、警察の指導により、その1番では半年経過しないと次の車庫証明の申請が出せないのです。
発行してから半年以内に、次にまた同じ区画で他の利用者に「契約したい、車庫証明も出したい」と言われると、駐車場の持ち主が困ってしまいます。ただし、守らないと法の罰則を受ける訳ではありません。

「車庫証明を出したいけど2ヶ月以内に引越しする事が決まっている」というように、半年以内に解約する事が事前に分かっている方も居ると思います。その場合は事前に駐車場の持ち主と相談する事で、許可をもらえる場合も十分にあります。

5.よくある失敗事例

ここでは、よく聞く失敗事例をご紹介します。恐らくこの事例に当てはまる方は少なくないと思います。一度目を通して頂き、同じような失敗を繰り返さないようご注意下さい。

■駐車場契約時に車庫証明を発行し、契約して2ヶ月後に解約をしたら、違約金として賃料の1ヶ月分を請求された。

これは、契約書の解約条件をよく確認していなかった為に起こった失敗事例です。

「車庫証明発行をして半年以内に解約すると違約金が発生する」という条件の駐車場は少なくありません。また、駐車場によっては違約金ではなく「敷金を返さない」という条件の所もあります。特に転勤が多い方は、半年以上は契約するつもりでも、やむをえない事情で駐車場を短期解約せざるを得ない場合もあると思います。そんな時に余計な出費を増やさないよう、車庫証明発行時は特に解約条件を事前に確認しておきましょう。

■納車日まで時間がなく、急いで駐車場を契約したら車が入らず、駐車場契約をキャンセルできずに初期費用を無駄にしてしまった。

これは車を新しく購入する方に意外と多い失敗事例です。
特に新しく車を購入する方は、駐車場契約時には車が手元に無い状態がほとんどですので、駐車場で試しに車を入れてみるという作業が出来ません。(ディーラーに代車を用意してもらって出来る場合もあります)

その為、駐車場の持ち主や仲介業者から提示されたサイズ情報を元に、サイズに問題がないか判断する事になりますが、そのサイズ情報が無い場合も少なくありません。ですので、手元に車が無いとしても、視認だけでも結構ですので必ず契約前(特に初期費用入金前)に、駐車場の現地確認をしましょう。

ちなみに、駐車場を契約してしまった後、もしくは初期費用を入金してしまった後に「やっぱり入らなかった」と言っても、キャンセルではなく解約扱いにされてしまう場合がほとんどです。解約扱いになると初期費用が返金されないので注意しましょう。

5.まとめ

車庫証明発行に関するルールは警察が定めた物なので、最低限のルールを覚えておけばトラブルが防げると思いがちです。しかし、この記事を読んでご理解頂けたと思いますが、車庫証明は駐車場がないと発行できないので、駐車場契約をしなければいけません。駐車場契約にもルールがあり、また駐車場の持ち主側にも車庫証明に関するルールがある事を考えなければいけません。

駐車場に限らず、土地が絡む場合、土地を持つ人と借りる人との関係は信頼によって成り立ちます。自分の要求を通してもらえるように交渉したい気持ちも分かりますが、相手の事を考える事も大事です。しかし、ルールを知らなければ相手の事を考えようもありません。この記事を読んでそれぞれのルールを理解できたら、自分のやりたいと思っている事は問題なく出来るのか?次の事を考えながら、失敗やトラブルを起こさないよう、手続きを進めてみてください。

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