【賃貸】SOHO物件を理解して自分に合った選択をしよう

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ここ数年でSOHOという働き方が注目され、それに伴い “SOHO物件”という言葉を耳にする機会が増えてきています。
SOHOワーカーやSOHOで働き始めることを考えている方は、
「SOHOの賃貸物件って何?」
「SOHO物件にはどんなメリット・デメリットがあるの?事務所などの事業用物件との違いは?」
などと疑問に思うことは多いのではないでしょうか?

この記事では、事業用物件に比べたメリット・デメリットから物件の探し方、実際に使っている人の声まで、SOHO物件について知りたいことを全てお伝えします。
SOHOで新しい物件を検討している方は是非参考にして下さい。

1) SOHO物件と事業用物件について
1-1)SOHO物件の4つのメリットと3つのデメリット
2) これだけは知っておきたい!SOHO物件でよくある5つのQ&A
3) SOHO物件を利用している人達の声
4)SOHO物件を扱うサイト紹介
5)まとめ

1) SOHO物件と事業用物件について

「SOHO(Small Office Home Office)」という働き方については、下の記事を参考にして下さい。

◆SOHOワーカーとしての働き方の全知識
http://ashita-office.com/soho-1292

今回の記事では、“SOHO物件”というキーワードが出てきますが、あくまで、不動産業界で使われている言葉となり、厳密に言うと「SOHO物件」という物件は存在しません。
住居物件で事業可能、かつ居住が可能な物件のことを不動産業界ではSOHO物件と呼びます。
SOHO物件の場合、契約形態は「住居契約」になり、原則として居住することが前提で、プラスアルファで事務所としての利用も認めるといった形になります。
一人暮らしの経験のある方であればピンとくるかと思いますが、住居として利用する際の契約形態と同じものになります。

また、事業用物件とは一般的な事務所物件のことをいいます。
一般的な事務所とは、賃貸人と賃貸借契約を交わすことで利用ができる物件のこと指します。事務所や会社など、企業が借りる物件になります。

1-1)SOHO物件の4つのメリットと3つのデメリット

ここでは、SOHO物件のメリット・デメリットを事業用物件と比較をしながらご紹介します。

【メリット】
① 保証金が安い
SOHO物件と事務所物件との大きな違いは「保証金」にあります。
事務所物件では、エリアにもよりますが、一般的には契約をする際に保証金として賃料の10~12ヶ月必要となります。
それに比べ、SOHO物件の場合は一般的には2~3ヶ月分の賃料と安いので、事務所物件に比べて初期費用の負担を軽くすることができます。
住居契約の場合、保証金で12ヶ月分も預けるところはほぼないですよね?
SOHO物件は住居契約となる為、保証金を抑えて入居することができるのです。

≪比較≫

保証金 (15坪×坪単価10,000円=150,000円の場合)
事業用物件 10ヶ月~12ヶ月 1,500,000~1,800,000円
SOHO物件 2ヶ月~3ヶ月 300,000円~450,000円

 

② 退去時に掛かる費用が少ない
事業用物件を借りていて退去をする場合、「原状回復」が必須となります。
原状回復とは床・壁・天井の張替、塗装、そして、空調・ブラインドのクリーニングをして賃貸人に引き渡すことです。
事業用物件の原状回復工事は一般的に1坪あたり30,000円~50,000円と言われており、
15坪の事業用物件を借りていた場合は、単純計算で450,000円~750,000円ほど退去時に原状回復費用として掛かることになります。
一方でSOHO物件は、原状回復の義務はなく、退去時に必要なルームクリーニング代が一般的には1ルーム(約15坪計算)で4~5万円、2LDK(約20坪計算)で約8万円となります。(※こちらはあくまで、故意・過失がない場合に限ります)
これだけでも、金額的なメリットは十分にありますね。
SOHO物件は事業用の賃貸借契約ではなく住居契約となるので、東京を例に挙げると「賃貸住宅紛争防止条例」が適用され、費者保護の観点から経年劣化で汚れた部分は賃貸人が負担することになっているため、退去時にかかる金額が安く済みます。
≪賃貸住宅紛争防止条例についての説明≫
http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/juutaku_seisaku/tintai/310-0-jyuutaku.htm

≪比較≫

原状回復義務 (15坪の場合)
事業用物件 坪30,000円~50,000円 450,000円~750,000円
SOHO物件 無※1 1ルーム~2LDK 40,000円~80,000円

※1 SOHO物件の場合は、原状回復費用ではなくルームクリーニング費用となります。

③ 住居兼事務所なので、自宅と事務所の二重家賃が発生しない
SOHO物件は、居住かつ事務所での利用が可能な為、当然のことながら住むことができます。したがって、事務所を別で借りて自宅と事務所の家賃を支払う必要がなくなります。
また、通勤が不要なため交通費や時間的コストもかからず、余計なストレスまで軽減できます。
一方、事業用物件では、ほとんどの賃貸借契約書の中に“居住することを禁止する”文言が明記されています。

≪比較≫

事務所家賃 自宅家賃 水道光熱費 交通費
事業用物件
SOHO物件

※○(費用が掛かる) -(費用が掛からない)

④ SOHO物件は賃料に消費税が掛からない
住居物件の場合、国税庁で「住宅の貸付けは非課税」と決められており賃料に消費税はかかりません。
一方で、事業用物件は課税対象となるため、月額150,000円の事業用物件を借りた場合、消費税は12,000円になります。
(2016年1月現在の税率8%で計算をしています。)
一般的に物件の契約は2年間となるので、消費税のみを2年間で計算すると288,000円になります。
SOHO物件は住居物件なので非課税となり、契約年数が長ければ長いほど事業用物件と比べて得をするということになります。

≪比較≫

消費税 賃料 消費税 2年間の合計消費税
事業用物件 課税対象 150,000円 12,000円 288,000円
SOHO物件 非課税 150,000円

※2016年1月現在の税率8%で計算をしています。

【デメリット】
① SOHO物件では登記ができない
SOHO物件の場合、契約形態が住居契約となるため法人登記ができません。
なぜなら法人登記をした場合、事業をすることが前提となるため、法人登記をした時点で物件自体が課税対象になります。
そうなると、賃貸人は賃借人から受け取る賃料に消費税を課税して税務署へ納税をしなくてはならなくなります。そこまで手間のかかることを賃貸人はしません。

SOHO物件で法人登記をしている人もいますが、その場合賃貸人に無断で登記をしているケースと、賃貸人は知ってはいるものの黙認をしているケースがほとんどです。
無断で登記をすることはトラブルのもとになるので、どうしても登記をしなければならない場合は、事業用物件を探すのがベターです。

ちなみに、SOHO物件では一般的に館内案内板には個人名が表記されますが、賃借人によっては社名を表記できる物件もありますので、法人で借りる場合は内見をする際などに確認することを忘れないようにして下さい。

≪比較≫

法人登記 館内案内板への法人名表記 館内案内板への個人名表記
事業用物件
SOHO物件 × ×※1

※1 賃借人によっては社名を表記できる物件もあります。

② 実効面積が事業用物件に比べて小さい
SOHO物件は住居物件を事務所として使用しているため、お部屋の造りは住居仕様になっています。そのため、キッチンや洗面台、浴室なども設備して付いているため、実際に執務スペースとして使用できるスペースが小さくなります。
SOHO物件を利用されている方は、浴槽を書庫や倉庫にして使用するなど工夫して使用している方が多いです。

③ 賃借人の住民票を物件に移さなければいけない場合がある
SOHO物件の場合、賃貸人が居住用として税優遇を受けている場合がある為、賃貸人によっては住民票の移転を義務付けられることがあります。
実際に生活をしながら事務所として物件を利用するなら問題ありませんが、別の場所に自宅をお持ちの方は、SOHO物件を契約する前に必ず賃貸人もしくは仲介会社へご確認下さい。

上記のように、SOHO物件にはメリット・デメリットの両方が存在します。
これらの内容を加味していただき、SOHO物件か事業用物件のどちらが合っているかを考える参考にして下さい。

2) これだけは知っておきたい!SOHO物件でよくある5つのQ&A

ここでは、SOHO物件について、よくある質問をプロの視点でまとめて回答します。SOHO物件を借りる際は多くの人が気になっているところなので、SOHOを検討している方はきっちりおさえておきましょう。

質問1「現在使用している自宅を法人の事務所として使用することは可能ですか?」
回答:賃貸人の承諾を得られれば可能です。
全ての物件でできるという訳ではなく、賃貸人によっては不特定多数の出入りがある業種などは承諾を得られないケースや、仮に承諾を得られた場合でも保証金の積み増し、賃料の値上げを求められるケースがあります。
ですが、賃貸人によっては敷金の積み増しや賃料の値上げをせずにSOHO物件として利用を承諾してくれる場合がありますので、自宅をSOHO物件として利用することを検討されている方は、まず賃貸人へ確認をして下さい。

質問2「SOHO物件で店舗として使用することは可能ですか?」
回答:不特定多数の出入りがあるネイルサロン・エステサロン等の店舗利用の場合は断られることがほとんどです。
事業用の物件でも設備工事で建物を傷つける恐れがある為、店舗利用をすることは難しく、SOHO物件(住居)となるとかなりハードルが上がります。
長年不動産業界にいる私でさえ、SOHO物件で店舗可能な物件と出会ったことは一度もありません。中には、賃貸人に無断で店舗として利用していることが見つかってしまう人もいますが、その場合は問答無用で契約解除となります。
そうなった場合は、当然営業が出来なくなり売上に大きく影響するので、店舗での利用をお考えの方は、事業用の物件で店舗を探されることをおすすめします。

質問3「SOHO物件で内装工事はできますか?」
回答:可能です。
ただ、せっかく原状回復義務のないSOHO物件に入居しているのに、内装工事をして原状回復費用を支払うことについてはあまりおすすめしません。
内装工事を考えるよりは、デザイナーズSOHO物件など利用者のことを考えたおしゃれなSOHO物件がありますので、そちらを利用される方がいいでしょう。
デザイナーズということもあり、相場よりも若干高めの価格設定ではありますが、おしゃれにこだわりのある方はこちらをおすすめします。

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出典:http://www.soho-rent.com/  出典:http://www.r-store.jp/room/64637

質問4「SOHO物件の入居審査は厳しいのでしょうか?」
回答:実際のところは業者によりますが、基本ゆるくはありません。
SOHO利用=住居兼事務所ということで、実際の業務でどれだけ売上を上げているかが問われます。参考までに、審査に際しての必要書類は下記の通りです。

法人契約 個人契約
直近3年分の決算書 直近3年分の確定申告書
会社概要 事業内容
会社謄本(取得後3ヶ月以内のもの) 賃借人の経歴書
事業計画書※1 連帯保証人の直近1年分の収入証明
代表取締役の経歴書 連帯保証人の身分証明証
連帯保証人の直近1年分の収入証明
連帯保証人の身分証明証

※1 新規法人や設立2年目の法人に求められる場合があります。

一般的には上記の書類を求められるケースが多いです。
したがって、売上や収入が少ない場合は事業用物件同様、審査を通ることは難しいでしょう。
必要書類をきちんと用意して、事業計画を明白に説明できるようにすることがポイントです。

質問5「SOHO物件の情報は多いのでしょうか?それとも少ないのでしょうか?」
回答:SOHO物件として賃貸を募集している物件は、事業用の物件と比べると非常に少ないです。
事務所利用の場合、不特定多数・特定多数の出入りが多く、他の入居者に迷惑を掛けてしまうという懸念がある為、賃貸人も事務所での利用を認めないケースが多いです。その為SOHO物件は希少価値が高いので、もしSOHO物件でいいところが見つかったら、お早めに物件を抑えることをおすすめします。

≪SOHO物件と事業用物件のまとめ≫

SOHO物件 事業用物件
敷金 2~3ヶ月 10~12ヶ月
原状回復義務 無※1
賃料に消費税
法人登記 不可
館内案内板の法人名表記 不可※2
内装工事
物件数

※1 SOHO物件の場合は、退去時にクリーニング費用として40,000円~50,000円が掛かります。(目安)
※2 物件によっては社名を表記できる物件もあります。

3) SOHO物件を利用している人達の声

ここまで、SOHO物件のメリット・デメリットや質問を紹介してきました。
では、実際にSOHO物件を利用している人はどんな感想を抱いているのでしょうか?
ここでは2つ程紹介しますので、SOHO物件での仕事の仕方の参考にして下さい。

【Aさん】
私が建築家として独立したときは、埼玉に事務所を構えていました。そして北九州で仕事をすることになったのを機に福岡に来ました。初めは現場近くにアパー トを借りて住居兼事務所を構え、次に新高砂マンションの自分でリノベーションした部屋に住居兼事務所を。そして現在の山王マンションに事務所と住居、というふうに仕事によって住む場所を転々としてきました。今回初めて「学生気分から抜け出そう。」という気持ちで住居と事務所を分けてみたのですが、結局寝る ために帰るだけになってしまい、今はちょっと住居のほうは無駄だったかなと思い始めています。(笑)
【Bさん】
物件を選ぶ基準は、「仕事場としてこの部屋がどう」というより、「自分が暮らす空間としてどうか」ということが最優先でした。ただ、部屋のレイアウトは仕事のしやすさや暮らしやすさを考えて変えていっています。2年ほど前に、管理会社さんに相談にのってもらって、壁に釘を打って絵を飾ったり、お風呂場のタイルを張り替えたり、いろいろしました。これが自分の住まいについて見つめなおすきっかけにもなりましたし、古い物件は住まいの自由度が高いということに改めて気づきました。

4)SOHO物件を扱うサイト紹介

ここではSOHO物件を扱うサイトをご紹介します。
これまでの記事を読んで、SOHO物件の賃貸を前向きに検討している方には必見です。

■様々なカテゴリーで検索が可能
SOHOオフィスナビ
http://sohonavi.jp/

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SOHOオフィスナビは、東京都内で住居兼事務所、事務所利用ができるSOHO物件を一括で検索できるサイトです。
主な特徴としては、デザイナーズ物件だけに限らず、「タワーマンションSOHO・初期費用激安SOHO」など、様々なカテゴリーに分けて検索することが可能です。
東京で40坪以下のSOHO物件の掲載数は業界の中でもトップクラスですので、このサイトを見れば物件探しには困らないでしょう。

■デザイナーズ・リノベーション専門。おしゃれなSOHO物件を探すならこのサイト。
R-STORE
http://www.r-store.jp/category/53

soho12

R-STOREは東京のデザイナーズ・リノベーションなどおしゃれなSOHO物件だけ多数掲載。目利きのスタッフがおしゃれな物件だけを収集、現地取材し、たくさんの写真と文章で一つ一つ丁寧に紹介しており、サイトもシンプルで見やすく、そして使いやすくなっています。内装工事費用をかけずにおしゃれなSOHO物件を使いたい!といった方にはおすすめのサイトです。

5)まとめ

SOHO物件と事業用物件では、全く違うことが理解いただけたかと思います。
SOHO物件はSOHO物件の魅力があり、事業用物件は事業用物件で魅力があります。
個人事業者・法人ともに来客数が少ない場合や、入居する時も退去する時もとにかく費用を抑えたい!という方はSOHO物件に向いているかと思います。
今の働き方とこれからの働き方・来社数・目的などによってSOHO物件が適しているのか?事業用物件が適しているのか?が大きく変わってきますので、今がどのような働き方なのか、そして今後どのような目的で事業を行っていくのかを今一度確認して下さい。
そして、SOHO物件のメリット・デメリットをふまえ、自分がSOHO物件と事業用物件のどちらで事業を行うのが向いているか、選択をして下さい。

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