坪単価の知識をつけて、賃料で損しないオフィス選びを

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オフィスを探している時に必ず耳にする『坪単価』。初めて触れる人にとっては、「坪単価ってなに?」「なぜ賃料と言わないの?」と疑問に思う事も多いと思います。

敢えて坪単価を使う事には理由があります。また、坪単価の使われ方を正しく理解しておかないと、『想定していた費用と実際に掛かる費用が違った』など、トラブルになる場合もあります。

坪単価がなんなのか、どんな注意点があるのかなどを細かくお伝えしますので、オフィスを選ぶ際、特に賃料面で損をしないよう役立てて下さい。

■目次
1.坪単価について
1-1.坪単価はビルのグレードの指標
1-2.オフィス探しでの坪単価は『1坪あたりの賃料』の認識でOK
1-3.坪単価の高安を決めるのは『土地代』

2.坪単価相場について
2-1.坪単価が上がるのは『供給不足』の時

3.検索サイトで坪単価を見る時の注意点
3-1.よく見る『坪単価/共益費込み』とは?
3-2.賃料交渉する時は、共益費は含めないのが一般的

4.まとめ

1.坪単価について

坪単価とは、『1坪あたりの賃料』です。また、1坪の広さは、約3.3㎡(タタミ2枚分)です。例えば、坪単価1万円で20坪のビルを借りれば、毎月の賃料総額は20万円 になります。この基本を踏まえた上で、坪単価が使われる理由や注意点を以下で解説していきます。

1-1.坪単価はビルのグレードの指標

オフィスの賃料の話をする時に、なぜ坪単価を使うのでしょうか?賃料総額で話を進めた方が手っ取り早い気がしませんか?理由を知る為に、以下の2つのビルを比べてみましょう。

① ¥10,000 / 坪 で、30坪のフロア(賃料総額 ¥300,000)
② ¥15,000 / 坪 で、20坪のフロア(賃料総額 ¥300,000)

例えば、広さ重視で探している人は、同じ賃料総額で広く使える①を選ぶでしょう。
また、高級感のあるビル(ブランディングできるビル)を探したい人は、坪単価あたりの金額が高い(=価値が高い)②を選ぶでしょう。もし選ぶ際に賃料総額の表示しかないと、どちらが安くて広く使えるのか、どちらが高級感のあるビルか、見分けがつきません。

オフィス探しをする時、坪数が異なるフロアを比較する事が多々あると思います。その時に坪単価という表示があると、上記のようにそのビルのグレードや割安感がとても分かりやすくなります。

また、借りる側だけでなく、貸す側にとってもグレードや割安感をアピールしやすくなるのです。その為に坪単価という概念がある事を覚えておきましょう。

1-2.オフィス探しでの坪単価は『1坪あたりの賃料』の認識でOK

坪単価とはなにかと聞くと、『1坪あたりの建築費』、『本体価格÷延床面積』、『ハウスメーカーによって違う』、など色々な回答があります。試しにネットで検索してみください。上記のような答えがいくつか出てきます。これは主に新築住宅を建てる時に細かく気にされる事で、新居の建築総費用がどれくらいかかるかを気にしている方達にとっては重要な情報です。

しかし、オフィスを探す場合、こんなに細かい情報は必要ありません。単純に、坪単価とは『1坪あたりの賃料』とだけ考えていただき、それが高ければグレードが高いビル、という認識だけで十分です。新築を建てる時とは違うので、ゴチャゴチャにならないように注意しましょう。

1-3.坪単価の高安を決めるのは『土地代』

坪単価の高い・安いは、ほとんど土地代によって決まります。『内装がすごい』、『設備が充実している』という理由で、土地のグレードが低いのに坪単価が高い、というビルはまず見かけません。

例えば東京で言えば、都心に近いほど土地代は高く、郊外に出れば安くなります。具体的なエリアで言えば、『銀座・丸の内エリア』の坪単価は高いですが、それに比べて『八王子エリア』は安いです。

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丸の内のグレードが高いビル

また、同じ八王子エリアでも、八王子駅付近の坪単価は高いですが、駅から15分以上離れたような場所は安いです。
更に、駅から15分以上離れたような場所に、内容や設備にとても力の入ったビルがあったとしても、坪単価はやはり安いのです。

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八王子のグレードが低いビル

よって、重要なのは、このエリアの坪単価相場はこれくらい、という知識をつける、もしくはすぐに分かるツールを見つけておく事なのです。相場を知る為のおすすめツールがあるので以下でご紹介させて頂きます。

・東京オフィス検索(http://of-tokyo.jp/area/area_list.php)
エリアごとの平均坪単価が掲載されています。賃貸の坪単価が一覧で掲載されているサイトは、売買のサイトに比べて少ないので貴重です。

・土地代データ(http://www.tochidai.info/)
このサイトで使用している坪単価は、賃貸用ではなく売買用の坪単価ですので、使用時は注意が必要ですが、エリアの賃料感を比較する分には賃貸にも十分使えます。かなりのデータ量を持つサイトで、全国の平均坪単価が網羅されているので、気になるエリアの相場感を知る事ができる上に、前年比データで相場の変動感を見比べる事もできます。

2.坪単価相場について

2-1.坪単価が上がるのは『供給不足』の時

坪単価が上がるのは、主に『そのエリアの需要に対する供給が不足している時』です。例えばA区に人気が出てきてほとんどのビルが満室、A区内で久しぶりに空きが出たビルのオーナーは、『値上げしても借り手は居るだろう』と値上げを考えます。言われてみれば当然の話ですよね。

では、どんな時に人気が出てくるのかというと、分かりやすい所では以下の2点です。

・オリンピック開催が決定した時
・最新の大型ビルが建てられた時

■オリンピック開催が決定した時
2020年の東京オリンピックが決定してから、選手村が作られるエリア周辺のマンション購入者は殺到しました。住む人が増えれば、当然オフィスの需要も高まってきます。

■最新の大型ビルが建てられた時
東京ミッドタウンが出来た2007年前後の周辺の値上がりも目立ちました。このような最新の大型ビルが建てられると、大手企業がそのビル、もしくはそのビル周辺に集まりやすく、自然と周辺の需要は高まり、やがて供給不足に陥ります。

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東京ミッドタウン

上記の理由以外で坪単価が上がる時は、『リフォームした時』や、『ビルの貸主がチェンジした時』が挙げられます。

リフォームに関しては、貸主側が『もっと儲けたい』、『空室を埋めたい』という理由で行われる事が多いので、値上がりしやすいです。ただし、『全然空室が埋まらないので、同じ値段で内装を良くしてみた』なんていう事も十分あり得るので、一概には値上がりするとは言い切れません。

また、ビルの貸主がチェンジした時に関しては、元の坪単価と変わらない場合や、逆に値下がりする場合もありますが、値上がりの機会にも十分なり得ます。

3.検索サイトで坪単価を見る時の注意点

3-1.よく見る『坪単価/共益費込み』とは?

オフィスを探し始めると、色んなビル検索サイトを見ると思います。その中で、『坪単価 / 共益費込み』という記載を見た事がある方は多いのではないでしょうか。

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この時点では、『坪単価の表示に共益費を含めて表示するサイトが多いが、含めないサイトもたまにあるので注意』ぐらいの認識で問題ありません。

もっと注意してほしいのは、【 初期費用に掛かる『保証金』を見る時 】です。
なぜ注意して頂きたいかというと、【 保証金には共益費は含まない 】からです。例として以下の物件を見てみましょう。

『Aビル 2F(30坪)』
・坪単価(共益費込み) ¥10,000(内、共益費 ¥2,000)
・保証金 賃料の10ヶ月分

上記のAビルの初期費用で掛かる保証金の総額は、
坪単価から共益費を除いた賃料単価は ¥8,000/坪 なので、
【 坪単価 ¥8,000 x 30坪 x 保証金 10ヶ月分 = ¥2,400,000 】です。

これをご存知無い方は、共益費を含んだ坪単価 ¥10,000で計算して間違えてしまう事があるのでご注意ください。

上記から、共益費の割合が高い物件は、初期費用が安いと言えます。豆知識として覚えておいて損はありません。

ちなみに共益費とは、エレベーター、共用トイレ、外灯など、共用で使われている設備に掛かる費用です。

また、消費税に関しても、ほとんどのサイトが税込表示ですが、たまに税別で表示しているサイトもあるのでご注意ください。

3-2.賃料交渉する時は、共益費は含めないのが一般的

賃料交渉する時は、共益費は値下げ出来ない事がほとんどなので、共益費は別で考えます。
例えば、【 坪単価/共益費込み ¥10,000(うち、共益費 ¥2,000) 】という条件のビルで賃料交渉する場合、『坪単価 ¥8,000から¥7,000に下げて、坪単価/共益費込み¥9,000で』というイメージで交渉します。

4.まとめ

この記事をご覧いただいている方は、オフィス探しを失敗させてたくない、という意識がとても高い方だと思います。その意識を持ち、坪単価などの細かい知識をつける事で、色んなオフィス検索サイトを上手に使えるようになります。また、細かい事は仲介会社に丸投げする方が多いので、例えば仲介会社が提示してきた初期費用計算を「本当にそれで合っているの?」と疑える力をつけるだけでも、失敗のリスクは減らせます。

「この人分かっているな」と仲介者に思わせられれば、有利な条件を引き出せる事も少なく無いので、ここでの知識をオフィス探しに役立ててみてください。

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