気持ちよく引っ越すための【丁寧&ノントラブル】契約解除通知の送り方完全ガイド

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これから新しい場所で、新たなスタートを切るために引越しを決意した皆さん、今の物件と別れる正しい方法、知っていますか?

引っ越しとは、これまでお世話になった今のオフィスや、家から出ていくということです。新生活にワクワクする反面、感慨深く思う心もあるでしょう。
その気持ちが、もし退去時の失敗やトラブルで台無しになったら嫌ですよね。
嫌な気持ちを抱えたままでは、新しい生活もマイナスからのスタートになるかもしれません。

そこで、今の物件と、トラブルなく、綺麗に別れるための第1歩「契約解除通知」の方法をお教えします。契約解除通知は、引越しを決めたあなたが、今の家の為に最初に行うべきことです。
お世話になったオーナーや、あなたが時を過ごしたその物件の為にも、わだかまりなく、良い思い出となるように、より良い第1歩をマスターしましょう!

目次
1. 契約解除通知を行う3ステップ
2. 契約解除通知の自作方法
3. トラブル回避の為に知っておきたい2つのケース
4. まとめ

1. 契約解除通知を行う3ステップ

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賃貸借での契約解除通知とは、契約期間の満了後に自動更新を行わない、もしくは、契約期間が残っていても途中で契約を終了させ退去する際に、貸主へ申し出ることを指します。(貸主から借主への通知もあります。詳しくは3章のコラムへ)

まずは、契約解除通知を行うための3つの手順からお教えします。

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①契約書の確認

退去したい、という意思が決まったら、まずは自身の賃貸借契約書を確認してください。
基本的に「契約解除通知(解約通知、解約通告など呼び方は様々)」には、通知期間が定められています。

第○条 (解除申入れ) 乙が契約期間中に本契約を解除しようとするときは、乙はその3か月前までに甲に対しその旨を通知するものとする。ただし、乙が賃料の3か月分を即時に支払うときは、即時に本契約を解除することができる。

解除通知をする際は、この通知期間を考慮しなければなりません。基本的に、事業用での契約の場合は、解除の為の通知期間は3か月から6か月、住宅ならば1か月から2か月になっています。
事業用の通知期間が長く設定されるのは、賃料が住宅よりも高く、次の借主を探せる期間を用意しなければ、オーナー側の損失が大きくなってしまうからです。

何故ならほとんどの契約書で、この通知期間が足りずに退去する際は、その足りない分の賃料の支払いが求められるからです。

<例>通知期間3か月前なのに、退去2か月前に通知した場合⇒1か月分の賃料支払いが必要

引っ越すと決めたらすぐにでも行動に移しましょう。賃料重複を考えると、通知期間が1か月前ならば同じタイミングで物件探しを、2ヶ月前ならば先に通知を出して物件を探し始める必要があります。
ただし、こちらも一緒に記載されていますが、最初から通知期間分の賃料を支払えば、すぐに退去することが出来ます。

②オーナーに電話連絡
自分が解除通知を出すべき時期が分かったら、実際にオーナーに連絡しましょう。
基本の方法としては、「電話+郵送」です。
ここでは3つのパターンがあります。

(1)契約書に解除通知書がある場合
契約書で通知期間を確認したら、一緒に解除通知書がないか確認しましょう。
契約書によっては、綴じ込まれていることがあります。その場合は必要事項を記入して、郵送してください。
電話でオーナーへ郵送した旨を一言伝えると、後々受け取った・受け取っていないといったトラブルの回避に繋がります。

(2)契約書に解除通知書がない場合
契約書にない場合は、まずオーナーに電話で契約を解除する旨を伝えます。
その際、オーナー側に特定の解除通知書があるかどうか確認してください。オーナー側が持っている場合は、その紙を送付してもらい、必要事項を記入して返送します。

(3)通知書を自作する場合
特定の解除通知書がないと言われた場合は、自作しましょう。
実際、法的問題はないので、電話などの口頭やメールでの解除通知も有効です。わざわざ作らなくても、と思うかもしれませんが、もし仮に「退去するなんて聞いてない」と言われたら、口頭だけでは自分が言ったことを証明することが出来ません。次の移転・転居前に面倒や余計な出費を起こさない為にも、絶対に通知書を相手に送りましょう。
※作成方法は2章契約解除通知の自作方法をご覧ください

③郵送
いざ郵送する際は、「内容証明郵便」「配達証明郵便」を使いましょう。

「内容証明郵便」・・・あなたがどういう内容で・いつ送ったのかを郵便局が記録 <コスト>430円
「配達証明郵便」・・・いつ配達され・実際に相手が受け取ったことを記録し、教えてくれる <コスト>310円

内容証明によって、契約解除通知書の中身や発送日を第3者が証明してくれ、なおかつ配達証明によって、それがちゃんと相手の元に届けられたことを知ることが出来ます。
面倒な手段かもしれませんが、これにより相手による内容の改ざんや、受取日のごまかし、そもそも受け取っていない、などという悪意ある嘘や騙しを防ぐことができます。

ネックは料金が高いことです。
この2つをつけて郵送すると、総額1252円(一般書留代含む)と、郵便1つでかなりのコストがかかります。
どちらかだけに絞る場合は、配達証明を選びましょう。内容証明郵便は、出し方が決まっておりコストも手間もかかりますが、配達証明郵便は、郵便を出す際に「配達証明してほしい」と伝えるだけで大丈夫です。
オーナーの下に届けられたという事実の方が重要なので、配達証明をお勧めします。(内容証明の場合、そもそも受け取ってもらえなかったら、退去通知できない為)

この3つのステップで、契約解除通知は完了です。
その後はオーナーと、明確な退去日の決定・原状回復箇所や予算、工事の予定・明け渡し方法について話し合っていきましょう。

2. 契約解除通知の自作方法

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前章の②オーナーに連絡する(3)では、契約解除通知がオーナー側で用意されていない場合、自作しましょう、と述べました。
その具体的な自作方法について触れていきます。

ネット上に雛形は無数にありますが、どんな内容がなければいけないのか、どこまで書かなければいけないのか分からないですよね。1番手っ取り早い方法はオーナーに必要事項を確認することですが、特に指定もない場合は、契約を解除したい旨を記した1文と、以下の6項目を書きます。

雛形を見ながら確認していきましょう。
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[書き出し]
この雛形に載せた1文はとても丁寧に書かれている例です。
契約日や契約書の項目を記載することは、「あなたの契約書通りに解除しますよ」という表明になります。

下記のようなシンプルな1文でももちろん構いませんが、オーナーとの関係を悪くさせずに退去するならば、全ての面で丁寧を心掛けておくことに越したことはありません。

<シンプル例>「私は、下記のとおり、賃貸借契約を解除し、賃借物件を明け渡すことを通知し、履行することを確約いたします。」

[必要な6項目]
①記入日(送付日)

②退去日(契約解除日、明け渡し立会日とも)

③相手の名前(会社名)

④自分の名前(会社名)

⑤今の物件名と次の物件名
次の物件名や住所を載せる理由は、転居後に届いた郵便物などを転送できるようにするためです。事業用ならば絶対載せる必要もないですが、もし電話などで確認されたら素直に教えてあげましょう。

⑥敷金返還先の口座情報
事業用ならば原状回復は退去(明け渡し)までの間に、住宅ならば退去後に行われます。
どちらにしろ、敷金の返還は退去後に行われることが多いため、返却先を書いておきましょう。償却になる、むしろ敷金だけでは原状回復費は足りない、と知っているならば書く必要はありません。

[契約解除通知書 雛形]
上記から雛形をDL出来ます(kaijo-originalをクリックしてください)。電話でオーナーから特記事項などはないか伺い、自分たちにあった形式に変えて利用してください。

“退去理由はいる?いらない?”
解除通知書に必要な6項目を教えましたが、退去理由は要らないのか、気になりませんでしたか?恐らく電話で退去を通知した際に、「なんでですか?」と聞かれるでしょう。向こうとしても、新しい借主を探さなければならない手間が出てくるため、もし自分たちの落ち度で退去されるのであれば食い止めたいからです。基本的に、退去理由は伝えなくて良いことになっています。

しかし、会話の流れやこれまでの信頼関係を考えると、退去理由をごまかす・伝えないのは、終わり方として良くありません。角が立たない程度に、理由をはっきり伝えましょう。

文章にして退去理由を書く場合は、挨拶の1文に加えるか、もしくは項目の中に追加して書きます。くどくど書かずシンプルにまとめることが大切です。

3. トラブル回避の為に知っておきたい2つのケース

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今までお世話になった住宅やオフィスを出て、新しい場所でスタートを切るときに、トラブルでバタバタしていては気持ちよく心機一転出来ません。
最後に、契約解除を通知してからありがちなトラブル2つについて触れておきます。
過去、誰かが経験したトラブルや疑問と、その結果を知って、スマートな契約解除を行いましょう。

{通知期間が満たないケース}
◎平成16年4月28日 敷金返還請求控訴事件 (広島高等裁判所第3部)
http://xn--eckucmux0ukc1497a84e.com/koutou/2004/04/28/54768
[概要]
控訴側:借主。最初の契約期間10年が過ぎ、契約を更新した際にその利用権(地位)を譲ってもらった。
被控訴側:貸主。

借主が解約を通知して3か月後に建物を明け渡した後に、敷金半分(500万)と遅延損害金の支払いを求めた。しかし、貸主は元々敷金を返さない約束だったこと、通知期間は6か月だったこと、この2つは契約を更新した後も有効だと主張し、争いに。

[結果]
最初の判決では3ヶ月分の賃料が発生。
しかし最終結論は、10年の契約実績と、法的な更新をしても、以前の契約内容まで自動的に引き継がれることはないこと、また6か月の通知期間があることもお互いの了承の元ではなかったことから、足りなかった通知期間3か月分を払う必要はないということに。

【ポイント】
解除通知期間が足りずに退去する場合、本当に足りない分の賃料が請求されることを、改めて念頭においてください。例えばより良い物件が見つかって、移転・引越しが決まってすぐに行動したくても、オーナーには関係ありません。退去時までしっかり契約書に沿って行動しましょう。

借り始めのタイミングでは、必ず契約書の確認(重要事項説明)があります。その際に、解除通知についても必ず触れるので、知らなかったという理由は通りません。
また、事業用・住宅共に少ないケースですが、許可のもと、使用権を譲渡してもらった場合は必ずオーナーと再度契約書の中身について確認してください。今回のように、「通知期間が6か月なんて知らない!」という事実確認のし忘れが、控訴まで長引くような事態を引き起こします。

{解除通知したけど、撤回したいケース}
◎2015年4月17日 弁護士ドットコムにて
https://c-1012.bengo4.com/10/1237/1298/b_341137/
[概要]
電話で退去通知をしたけれど、やっぱり出来れば住んでいたい。退去通知には書面での申請が必要とのことだが、自分は電話だったから、退去通知を取り消すことは出来るだろうか。

[結果]
弁護士2名からの回答では、次の入居者が決まっていなければ相談次第で大丈夫。

【ポイント】
このような解除通知の撤回を行うことは、民法第540条によって基本的に禁止されています。賃貸借の場合は、解除通知が来た時点で、次の入居者探しが始まっている可能性があるからです。まだ次の入居希望者が見つかっていなくても、その為の広告費などを考えると、すんなりと戻ることが出来るわけではありません。

しかし、この撤回自体は少ないことではありません。そこで、契約書にはこの撤回について、

乙は、本条第1項の規定に従い終了又は解約の予告をした後に予告を撤回しようとする場合は、甲の書面による承諾を得ない限り、予告の撤回はできない。
という文言が加えられている場合があります。

解除通知をして→それを撤回し→やっぱり解除する、なんてことが起きないように、書面による念押しを必要としています。
この面でも、解除通知を気まぐれで行ってはいけません。

再三言ってきましたが、移転・転居に伴う解除通知は、次の物件探しや引越し時期、予算も含め、計画的に行ってください。

4. まとめ

ここまで見ていただいたように、契約解除通知自体は簡単です。
大変なのは、解除通知を行うタイミングや、引越しに伴う一連のスケジュールです。
必ず契約書で通知期間を確認し、それに合わせて契約解除通知を行う日や退去日、次の物件探しを行ってください。

新たな場所で気持ち良いスタートを切るためにも、オーナーといざこざなく、スムーズに退去して、次への1歩を踏み出せる力になれれば幸いです。

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