【徹底比較】居抜き・スケルトン物件のメリットとデメリット

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新しく店舗を出店する際に物件を探していると「居抜き」や「スケルトン」という言葉が出てきますが、どのような意味かはご存知ですか?賃貸物件を借りることには変わりないのですが居抜きとスケルトンでは借りたときの状態が異なりますので、その後の出店計画にも大きく影響してきます。

今回は「居抜き」と「スケルトン」とはどのような状態か、そしてそれぞれのメリットとデメリットをまとめました。

どちらにも利点と欠点がありますので、この記事を読んでどちらの店舗を借りて出店するか判断してください。

<目 次>
1)居抜きとスケルトンの徹底比較
2)居抜き物件は内装をそのまま引き継いで営業出来る
2-1居抜き物件の4つのメリット
2-2居抜き物件の4つのデメリット
3)スケルトン物件は一から理想の店舗を造れる
3-1スケルトン物件の3つのメリット
3-2スケルトン物件の3つのデメリット
4)居抜き・スケルトンで展開している企業紹介
4-1居抜きで展開している企業
4-2スケルトンから展開している企業
5)居抜き物件を探せるサイト
6)まとめ

1)居抜きとスケルトンの徹底比較

居抜き物件とスケルトン物件のメリットとデメリット、主な費用と期間を一覧にしました。
同じ店舗物件でも違いを感じてもらえると思います。

居抜きとスケルトンのメリット・デメリット一覧表

1

居抜き・スケルトンの主な費用・期間比較表

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※スケルトンの内装費用については『3-2スケルトン物件のデメリット(費用がかかる)』で業種別で詳しく説明。

居抜き・スケルトンのどちらにもメリットとデメリットがあります。表の内容を2)3)で詳しく説明します。

2)居抜き物件は内装をそのまま引き継いで営業出来る

居抜き物件とは前テナントが使っていた設備や造作・什器備品等が残っている状態で借りることの出来る物件のことです。賃貸借契約では原則として内装を借りたときの状態に戻す【原状回復】の義務が発生しますが、撤退するテナントしては出来る限り余計な費用(原状回復費用)をかけずに退去したいと思うものです。そこで貸主の合意がある場合に限り居抜きのまま撤退することができ、居抜き物件として募集に出ることになります。

居抜き物件のメリットとデメリットをまとめてみました。

2-1居抜き物件の4つのメリット

・低予算で開店(開業)できる
居抜き物件の一番のメリットは内装にかかる費用を極端に安く済ませることが出来ることです。前のテナントの業態がこれから出店する業態と同じ場合、看板を変えるだけでお店をオープンすることだって可能です。大枠のレイアウトや設備は変えずに壁の色や装飾を変えるだけで雰囲気はかなり変わりますので低コストで出店出来ます。とにかく少しでも初期投資を抑えて出店したい人にオススメです!

・すぐに開店・営業できる
居抜き物件の場合は内装工事にかかる時間がスケルトンからの工事期間に比べてかなり短縮することが出来ます。内装工事の期間は原則として契約期間内(賃料が発生している期間内)の為、少しでも早く開店したほうが無駄な賃料がかからず営業することが出来るので、個人事業主で自分が店舗に立ってすぐに収益につなげたい場合など少人数の出店にオススメです。

・内装プランニングの手間が省ける
スケルトンから内装をつくる際は内装業者と打ち合わせを何度も行う必要がありますが、居抜き物件の場合は、予めレイアウトや設備が残っているので、1から店舗を作るよりも大幅に時間の短縮が可能です。個人事業主や中小企業ですでに店舗を出店して自分が営業している為時間が取れない場合にはオススメです。

・以前からのお客様を取り込める
前テナントと同業種やそれに近い業態の場合は、前テナントのお客様を取り込める可能性が高いです。どの業態のお店でもはじめは集客で苦戦することが多いため、以前からのお客様を取り込めるのはかなり大きなメリットになります。

2-2居抜き物件の4つのデメリット

・自分の思い通りのレイアウトではない
居抜きは前テナントのレイアウトをそのまま使うことが多いため、自分の思い通りのレイアウトを組めないことが多いです。もちろん費用をかけてレイアウト変更をすることも可能ですが、一度作ってある造作を壊して造り直す場合はスケルトンから造るよりも費用がかかる場合があります。一から動線やレイアウトを考えたい場合はお居抜き物件よりスケルトン物件の方がオススメです。

・前テナントの印象を引き継ぐ
前テナントと同じ業種の場合(飲食なら飲食)は良くも悪くも前テナントの印象を引き継ぐ傾向があります。前テナントの評判があまりに悪いと同じ系列の店と間違えられ敬遠される可能性があります。出来る限り契約の前に前テナントの評判や撤退理由を確認しておくことが重要です。

・機材トラブルの危険性がある
居抜きで前テナントの機材を引き継いだ場合、その機材が故障した際には自分の費用負担で直すことになります。居抜きで設備を引き継ぐ際に説明書や保証書が残っていないことの方が多いのでその機材がどの程度の寿命かがわからないことがあります。場合によっては定価10万円の機材を15万円で直さなければいけないケースも出てきますので、事前に貸主や前テナントから分かる範囲での確認・情報収集が必要です。

【確認したほうが良い点】
・いつくらいに製造された機材か
・以前修理したことはあるか
・説明書や保証書はあるか

・造作譲渡費用がかかる場合がある
前テナントが内装費用や設備に金額を設定して、新テナントに買い取ってもらう費用を指します。設備等の使用年数だけではなく立地などを加味した物件の価値で設定されることが多いです。前テナントの言い値で設定されることが多いため、必ずしもその値段に見合った内装や設備という訳ではないので注意が必要です。

【結論】居抜き物件は費用の投資を抑えたい人にオススメ
店舗の出店に費用をかけたくない場合や、すぐにでも出店したい人には居抜き物件がオススメです。費用と時間をかけずに出店が出来るのが何よりも強みです。

居抜き物件を好むのは主に個人事業主や中小企業の飲食店を複数展開している企業が多い傾向があります。以前は退去する際に契約書通りスケルトンまで原状回復して返却するのが一般的でしたが、最近では居抜き物件の方が書期にかかる費用の兼ね合いから好まれる傾向があるため、居抜きで借りることの出来る物件もかなり増えてきています。

3)スケルトン物件は一から理想の店舗を造れる

スケルトンとは『骨組み』を意味し、壁や床を含めた内装造作が一切なく、コンクリートがむき出しの状態になっていることです。基本的にはどの店舗もスケルトンで貸し出してスケルトンに原状回復した上で返すのが賃貸借契約の基本となりますので、居抜き物件と比べると圧倒的にスケルトン物件の方が多いです。

スケルトン物件のメリットとデメリットをまとめました。

3-1スケルトン物件の3つのメリット

・自分の思い通りに出来るので愛着がわく
スケルトン物件は一からレイアウトや壁紙、キッチンの設備やテーブルまですべて自分の好みにすることが出来ます。とても自由度が高く、自分の理想を形にするには一番向いています。初めて造った店舗の場合、その愛着は相当なものでしょう。どの経営者も初めての店舗はずっと記憶に残るものです。ひとつひとつに時間と愛着をかけて、レイアウトや設備にこだわりたい人にはオススメです。

・設備の管理がしやすい
新規で設備を購入する場合、万が一壊れたとしても保証期間内や仕入れ先などの情報が明確なため、早い段階で修理など対応することが可能です。

・前テナントの負のイメージを引き継がない
一から新しい店舗を造る場合、レイアウトや雰囲気・スタッフも異なるため前テナントのイメージを引き継ぐことがありません。ただ、前テナントと同業種の場合はどんなにレイアウトや雰囲気が違っても引き継いでしまう場合があるので事前に確認が必要です。

3-2スケルトン物件の3つのデメリット

・費用がかかる
店舗を造る上で一番費用がかかるのがスケルトンからの内装費用です。スケルトンは本当に何も無いため、トイレやエアコンまで新規で設置する必要があります。そんな諸々の設備を踏まえて、内装業者が相場を一覧にしているサイトがあるのでどれくらい費用がかかるか参考にしてください。

参考:わかりやすい!店舗内装の坪単価(費用)を業種別で一覧にしました
http://support-full.jp/blog/cat19/post-16.html

抜粋すると以下の通りです。

■物販店舗 15~20万円/坪
アパレル店舗や薬局・雑貨屋さんなど、複雑な造作や設備がない物販店舗の相場です。看板作成料なども費用に含みます。

■美容店舗 25~30万円/坪
美容院など水周りの工事が必要な職種の相場です。複雑な工事はせず、必要最低限の工事を行った場合です。シャワー台や水周りの工事が入るため、物販店舗よりも費用はかかります。デザインや素材にこだわったりするとさらに費用はかかります。

■飲食店舗 35万円/坪~
大小問わず、水周り・キッチン周りを設置する飲食店舗の相場です。水周りの工事はもちろん、厨房設備一式を入れるとなると他に比べて費用は高くなります。個室を多く作ったりすると消防設備の設置などでさらに費用はかかります。

■医療店舗 45万円/坪~
歯科医院や内科など個室や特殊な機械を設置したりする医療系店舗の相場です。医療器具はとても高いので、坪単価で考えると平均的に他の業種に比べて高くなる傾向があります。

水周りの造作や特殊な設備を必要とする業種程、設備の費用も含めて1坪あたりの内装にかかる坪単価は上昇していく傾向にあります。

もちろん、スケルトンでもエアコンだけ残っていたりトイレだけ残っている場合もありますので、物件によってもかかる費用は異なります。上記はあくまで参考としてください。

・店舗のオープンまでに時間がかかる
何も無いところから店舗を造るため、初期構想から打ち合わせ・実際の工事と準備期間を含めると3ヶ月から長いと半年かかる場合もあります。実際の工事期間だけだと1~2ヶ月程度が一般的です。その工事期間も契約期間内の為賃料が発生していることになりますので、ある程度金銭的な余裕が必要です。

・周囲の認知に時間がかかる
新規で出店した際はまだ良くも悪くも認知度が低い状態からスタートになります。もちろん前テナントが同じ業種であった場合や近隣に競合店舗がある場合は認知されるのも早いと思いますが、目の前を通るお客様に入ってもらえるように努力するのはもちろんですが、店舗への呼び込みやインターネット媒体・SNSなどで集客を強化する必要があるでしょう・

【結論】スケルトンは愛着をもって自分の思い通りに店舗を造りたい人にオススメ
大手企業は店舗数と統一された店内でブランディングを高めるためスケルトンから店舗を造る傾向があります。また、中小企業や個人事業主でも、店舗にこだわりをもって、一から自分のプロデュースした店舗を造りたい場合はスケルトンの方が向いているでしょう。

4)居抜き・スケルトンで展開している企業紹介

実際に皆さんが知っている店舗で居抜き物件を使って展開している企業やスケルトンから展開している企業をご紹介します。

4-1居抜きで展開している企業

・株式会社エムグラントフードサービス http://www.mgfood.co.jp/

3

サラダバー・カレーライス食べ放題のステーキハウス【けん】や【ふらんす亭】を展開する企業です。この会社の代表者はロードサイド(大きな幹線道路沿い)のファミレス撤退物件を居抜きのまま借り続ける『ロードサイドのハイエナ』の異名をとる居抜きブームの火付け役となった企業です。

・株式会社サブライム http://32lime.com/

4

徹底的な投資回収に重きを置き、コスト管理の徹底をしながら、居酒屋を中心に複数業種を全国で展開する企業です。原則居抜きでの物件取得と数か月での投資回収を徹底しているのが特徴です。

4-2スケルトンから展開している企業

・すかいらーくグループ http://32lime.com/

5

言わずと知れた大手ファミレスグループ企業です。資金力があるのとブランディングを意識している為、内装は統一している為、居抜きよりもスケルトンから造るケースがほとんどです。

・株式会社ダイヤモンドダイニング http://www.diamond-dining.com/

6

100店舗100業態を達成させた飲食店でも数少ない上場企業です。どの店舗もデザインやテーマを意識した店舗の為、居抜きよりもスケルトンから店舗を造っています。

5)居抜き物件を探せるサイト

すでに居抜き物件は市場に出回っており、専門に取り扱っているサイトも多数あります。スケルトン物件の情報もありますのでどちらで出店するにしても総合的に判断しやすいのが専門サイトの特徴です。店舗物件取得はスピードが命です。探している競合も多いので毎日新着情報を確認するようにしましょう。

・居抜き市場 http://www.inuki-ichiba.jp/

7

業態問わず居抜き物件・スケルトン物件が多数掲載されています。会員登録すると自分の条件に合った物件や新着情報をいち早くメールで紹介してくれますので是非登録してみてください。

・店舗そのままオークション http://www.sonomama.net/

8

こちらのサイトは居抜き・スケルトンの物件紹介の他、居抜きで店舗を閉めたい方の募集もしていますので、流通情報よりも早く他にはない物件を探し出せる可能性があります。また、セミナーも行っているので、これから開業したい人は参考になると思いますので是非参加してみましょう。

・サロン不動産net  http://www.salonfudousan.net/

9

美容室やエステサロンなど美容関係に特化したサイトです。閉店する美容院からの人材紹介などワンストップで相談出来ますので、美容関係で出店する際には利用してみましょう。

・ホクトシステム http://www.hoct.co.jp/ ※有料サイト

10

こちらは物件紹介サイトではなく、各不動産会社が物件情報を提供したものを取りまとめて会員に資料を送付するという有料の完全会員制サイトです。こちらはネット上に掲載されている情報の他、掲載前の新着情報まで網羅しているので、少しでも新鮮な情報が欲しい場合はオススメです。

6)まとめ

いかがだったでしょうか?
居抜き物件は費用面では大きなメリットですが、自由度はスケルトンの方があります。
これから独立開業する場合や、店舗の造作に出来る限り費用をかけずに出店するには居抜き物件は最適ですが、資金的に余裕があり、レイアウトや設備などを一から考えて愛着をもって店舗を造りたい場合や、複数店舗を展開していて内装を合わせてブランディングを意識したい場合はスケルトン物件が良いでしょう。

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