フリーレントの会計処理、とにかく簡単に教えます!

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物件契約の最初の期間、賃料を免除してくれるフリーレント。
すごくお得にはなるのですが「事務所を使っているのに賃料0円で処理してしまって本当に大丈夫?」と不安になってしまう方も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、賃料0円で会計処理をしても問題はないのですが、場合によっては帳簿に手を加え、少しずつ計上していく、という2つの方法がとられています。
この記事では、フリーレントの会計処理にはどういう方法があるのかという基礎的な解説から、実際に会計処理を行う際の方法やポイントをとにかく分かりやすくお教えします!

これさえ読めばフリーレントの会計処理ができるようになること間違いなし!
フリーレントの会計処理をミスなくスムーズにこなしましょう!

1)フリーレントの会計処理方法を決めよう
1-1)フリーレントの会計処理は2パターン
1-2)税務上の違いについて
2)フリーレントの会計処理を実践しよう
2-1)仕訳なしの会計処理方法
2-2)仕訳ありの会計処理方法
3)会計処理を間違えた際の対処法
3-1)訂正仕訳の方法
3-2)税務署へ申告してしまったあとの訂正方法
4)まとめ

1)フリーレントの会計処理方法を決めよう

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http://www.photo-ac.com/main/search?q=%E7%AE%97%E6%95%B0&creator=&nq=&srt=dlrank&orientation=all&sizesec=all&crtsec=all&pp=40&p=2

何かとお得な契約ですが、物件を利用しているのに賃料0のまま会計処理を行ってしまって良いのか疑問に思われた方も多いのではないでしょうか。
この章では、フリーレントの会計処理の考え方をお教えしていきます。

1-1)フリーレントの会計処理は2パターン

フリーレントの会計処理は「フリーレント期間に仕訳をするのか、しないのか」の2つに分けられます。
簡単に説明すると「単純にフリーレントの期間は値引き」と考える場合は仕訳をせず、「物件の利用は開始しているのだから、フリーレント期間にもいくらか帳簿をつけましょう」と考える場合は仕訳を行います。

仕訳をするのか、しないのか、実は日本では明確な基準がありません。
そのため基本的には仕訳をしても、しなくても、どちらでも可能である、というのが最近の動向です。

そのため仕訳をする、しないは自分で決めてよいのですが、慣例的に「物件を2年借りる」などと契約期間が定まっている場合は仕訳を行う場合が多く、逆に契約期間が決まっていない場合は仕訳をしないことが多いです。
ただし引越しをするたびに仕訳をしたり、しなかったり、違った方法をとっていると税務署に目を付けられてしまう可能性もありますので、どちらかに決めたほうが良いでしょう。

仕訳をする場合としない場合、それぞれ詳しく説明していきます。

仕訳をしない場合
フリーレント期間の家賃は値引き、という考え方の場合、その期間に賃料は計上されません。
実際に支払いもしていないし、紙面上でも0円、というパターンです。
実際に仕訳を行うのは、フリーレントの期間が終了してからになるため、帳簿と実際の金額のずれもありません。

考え方もシンプルですが、実務上も計算などの手間が不要のため、フリーレントの会計処理ではこちらの方法をとることがほとんどです。

仕訳をする場合
契約期間が決まっている場合は仕訳をし、計上していくことがあります。
契約の期間が決まっているということは、支払う賃料の総額も確定しているということになります。
仕訳を行う場合、この賃料の総額を平均したもの(按分したもの)を計上していくことになります。

実際に仕訳をするとどうなるのか、具体例をもとに見ていきましょう。
1年契約の物件を、途中で解約しないことを条件に3ヶ月フリーレントにして契約したとします。
契約した時点で、12-3=9ヶ月分の賃料を支払うことが確定していますね。
仕訳を行う場合、9ヶ月にかかる賃料の総額を、12ヶ月で平均した金額を毎月帳簿につけていきます。

ただし、計算の手間がかかってしまうこと、実際の支払いと紙面上での金額がずれてしまうことなどから、契約期間が明確でない場合、この方法はあまり採用されません。

どうしてこのような方法がとられるかというと、物件を利用しているのに賃料が発生していないというのはおかしいのでは、という考えがありました。
そこで、「実際は支払っていないけど、せめて紙面上は賃料を記しておこう」と考え総賃料を平均する、という方法がとられました。

仕訳なしのときに説明をした「フリーレント期間の賃料は値引きである」という考えは比較的新しい考え方です。
値引きという考えも広がってきていますが、契約期間が明確に定まっている場合は仕訳を行うことが多いです。

1-2)税務上の違いについて

仕訳の有無によって変わってくるのが法人税です。
法人税は(益金―損金)×税率を計算して算出するので損金が増えれば増えるほど安くなるという仕組みがあります。
仕訳を行い早い段階で家賃を損金計上できれば一時的に法人税が安くなる可能性があります。

仮に20万円家賃として支払わなければならなかったとします。
その場合、損金として計上される金額はそれぞれ下記の通りになります。

フリーレント期間 フリーレント終了後
 仕訳あり  0円 20万円
 仕訳なし  10万円 10万円

仕訳を行う場合、フリーレント期間に家賃を10万円損金として計上できるため、その分法人税が免除されます。
ただし、フリーレント期間が終了した後本来20万円免除されるはずだった法人税が10万円しか免除されない、ということになるため終了後の負担が重くなります。
ただしトータルで損金計上できる家賃は変わらないため支払う法人税の総額はかわりません。

そのため後々の負担が増えてでも引越し時期の法人税を抑えたい、という場合は仕訳を行うメリットがあるといえますが、1)フリーレントの会計処理方法を決めようの通り手間がかかるのを避けたい場合は仕訳を行わないほうが良いでしょう。

2)フリーレントの会計処理を実践しよう

ここでは実際に会計処理をどのように行っていくかを見ていきましょう。

2-1)仕訳なしの会計処理方法

仕訳なしの場合、フリーレント期間の賃料は免除となります。
そのため、フリーレント期間に賃料は計上されず、終了してから実際に支払った賃料を計上していきます。

下記の物件を契約した場合を例に実際に会計処理をどう行うかを見ていきましょう。
家賃 20万
契約期間 2年=24ヶ月
フリーレント期間 6ヶ月

補足になりますが、便宜上、共益費は0円として考えます。
実際にはフリーレント期間も終了したあとも地代家賃として毎月共益費が加算されると考えてください。

フリーレント期間
値引きと考えるため、貸方、借方ともに0円です。
例 家賃 20万

借方 金額 貸方 金額
地代家賃 0 現預金 0

フリーレント期間終了後
家賃の計上が始まります。
例 家賃月20万

借方 金額 貸方 金額
現預金 200,000 現預金 200,000

2-2)仕訳ありの会計処理方法

1-1)フリーレントの会計処理は2パターンで説明したとおり、賃料を平均して計上していきます。
そのため地代家賃として計上されるのはフリーレント期間も終了後も変わりません。
2-1)仕訳なしの会計処理方法と同様の物件を契約したと仮定して、会計処理がどうなるのかを見ていきます。

・例
家賃 20万
契約期間 2年=24ヶ月
フリーレント期間 6ヶ月

実際に賃料を支払うのは24-6=18ヶ月です。
そのため、総賃料は20×(24-6)=20×18=360万円になります。
この総賃料を契約期間である2年=24ヶ月で割ったものが月々の賃料として計上されていくので
360÷24=15万円ずつ計上していきます。

会計処理としてはフリーレント期間は15万円を計上し、貸方は15万円を未払い金として計上します。

貸方 金額 貸方 金額
地代家賃 150,000 未払い金 150,000

フリーレント期間終了後も変わらず、15万円を地代家賃として計上していきます。
問題は、フリーレント期間中の未払い金です。
フリーレント期間終了後の会計処理でこの未払い金を少しずつ計上して、なくしていく必要があります。

いくら計上していくのかは、単純に言ってしまえば実際に支払った賃料と計上されている賃料の差額です。
20-15=5万円ずつ毎月計上していくことで未払い金は解消されます。

どうしてそうなるのか、少し詳しくお話します。
フリーレント期間6ヶ月分の未払い金は15×6=90万円です。
この未払い金を残りの契約期間24-6=18ヶ月で計上していく必要があります。
そのため毎月未払い金として計上するのは90÷18=5万円となります。
これを契約終了まで継続することで、フリーレント期間の未払い金をなくすことができます。

貸方 金額 借方 金額
地代家賃 150,000 現預金 200,000
未払い金 200,000

3)会計処理を間違えた際の対処法

フリーレントの会計処理、通常の賃料と違い難しい部分もあったのではないでしょうか?
もしかしたら間違って処理してしまった方もいるかも知れません。
この章では、間違って処理をしてしまった場合の対処法をお教えします。

フリーレントの会計処理、といっても基本的には通常の会計処理の対策と同じです。
確定申告を税務署へ提出する前とした後で対策が変わってきますので、段階にわけてお話していきます。

3-1)訂正仕訳の方法

確定申告や決算を出す前に仕訳の段階で間違えてしまった、というときの対処方法です。
人間が行うものですから、どうしてもミスは出てしまいます。
ただし、その際に消しゴムや二重線で消すのではなく、訂正仕訳というものを行います。
これは新しい仕訳を入力することによって、初めから正しい仕訳をしたのと同じ状態にすることをさします。

訂正仕訳の手順を、具体例と合わせてみていきましょう。
今回は下記の仕訳を訂正していく方法を考えます。

貸方 金額 借方 金額
地代家賃 100,000 現預金 100,000

①誤った仕訳を取り消すために、貸方と借方を逆にした仕訳を行う。

貸方 金額 借方 金額
地代家賃 100,000 現預金 100,000
現預金 100,000 地代家賃 100,000

この仕訳によって、間違えた仕訳を帳消しにします。

②正しい仕訳を行う

貸方 金額 借方 金額
地代家賃 100,000 現預金 100,000
現預金 100,000 地代家賃 100,000
地代家賃 200,000 現預金 現預金

新しい仕訳を加えることで訂正を行っています。
今回は金額を訂正しましたが、勘定科目などを間違えた際なども、このときに正しい仕訳を記載しましょう。

3-2)税務署へ申告してしまったあとの訂正方法

確定申告などをした後で、訂正に気づいた場合についてみて行きましょう。

申告期限内に気づいた場合
確定申告を行ったあと、申告期限内に気づいた場合は、確定申告の再提出を行います。
これを訂正申告といいます。
特別に用紙があるのではなく、通常の申告書の上部に「訂正」と朱書きして提出すれば、それが「最終的な確定申告」として認められます。

訂正申告を行った場合のペナルティはとくに課されません。

申告期限終了後に気づいた場合

修正申告、もしくは更正の請求というものを行います。
修正申告は、税金が増えるときや還元が減るとき、自分にとって損になる場合に、更生の請求は税金が減るときや還元が増えるとき、自分にとって得になる場合に行うという違いがあります。
また、修正申告の提出期限は定まっていませんが、更正の請求の場合は、申告後5年までしか受け取ってもらえません。
税金を減らしたい場合は早く着手することが大切です。

また、修正申告の場合、ペナルティが課されます。
自分で気づいた場合と税務署に指摘され気づいた場合ではペナルティが違います。
自分で気づいた場合
不足している税額のほかに延滞税が課されます。

税務署に指摘された場合
不足している税額、延滞税に加え、その税額の10パーセントの過少申告税が課されます。
ただし隠蔽など悪質なものだと判断された場合には十加算税が課されます。

仕訳をし、申告をするのは人間です。
ミスはつきものですが税務署に指摘される前に、もっといえば申告期限内に正しいものを提出することが重要です。

4)まとめ

フリーレントの会計処理についてご理解いただけましたでしょうか?
手軽なのは仕訳をしない方法ですが、契約期間が定まっている場合は慣例的に仕訳を行うことが多いです。
仕訳を行う場合は少し複雑になってしまいますが、基本的には賃料の総額を平均したものを毎月計上していく、ということを抑えておけば間違いはありません。

オフィスの移転は何かと忙しくなる時期ですが、だからこそ普段の処理を着実に行っていきましょう!

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