【保存版】これがあれば損しない!敷金を全額返還してもらうための全手法

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あなたが今借りているお部屋を退去する時に敷金はどれだけ戻ってくるのか気になりませんか?
「敷金は預けているだけだから退去時に戻ってくるだろう」なんて考えていたらかなり高額な請求をされた経験がある人もいると思います。

実は敷金が全額戻ってくるかどうかは、契約の内容やちょっとしたお部屋の使い方で大きく左右されます。ここで間違えてしまうと全額取り返すのはとても困難になります。引っ越し時は何かとお金がかかるので、出来る限り全額返還してもらいたいですよね。

今回は敷金を全額返還してもらうための全手法と、それでも戻ってこない場合の対応策や注意点をご紹介します。
この記事を読んで敷金を全額返還してもらい、新生活を迎えるための資金を手に入れましょう。

<目 次>
1)敷金は原則全額戻ってくる「預け金」です
 1-1.そもそも敷金とは
 1-2.敷金の返還時期と方法
2)退去時の原状回復は必ずしも引き渡し時の状態に戻す訳ではない
 2-1.原状回復義務が発生するのは借主の故意・過失によって破損・毀損した部分だけ
 2-2.原状回復のガイドラインから見た借主・貸主が負担すべき項目
 2-3.ルームクリーニングは必要です
3)敷金を上手に返還してもらうために重要な5つの注意点
 3-1.契約書をしっかり読もう
 3-2.入居時にはチェックリストと証拠写真を忘れずに
 3-3.退去時の立会いは一人ではなく複数で立ち会おう
 3-4.日頃の部屋の使い方が大切です
 3-5.大きな毀損をしてしまったら自分で直してみよう
4)それでも敷金が返ってこない場合の対処法
 4-1.見積もりの確認と相見積で再交渉してみよう
 4-2.管理会社ではなく大家さんに直接交渉してみよう
 4-3.【テンプレ付き】内容証明郵便を送ろう
 4-4.敷金請求代行会社に依頼する方法もあります
 4-5.【テンプレ付き】少額訴訟という簡易裁判を起こす手順
 4-6.困ったら無料の相談窓口へ相談しよう
5)まとめ

1)敷金は原則として全額戻ってくる「預け金」です

1-1.そもそも敷金とは

敷金とは物件契約時に貸主に預ける「預け金」のことです。あくまで預け金なので、原則として契約が終了した際には全額返還されることになりますが、貸主に対しての債務が残っている場合はこの敷金から充当されることになります。
主に以下の3点が発生した時に敷金が割り当てられ、全額返還が難しくなってしまいます。

■賃料を滞納したまま退去するとき

    賃料の滞納したまま退去することになると、未払い分を清算するために敷金から充当されます。

 

■自分の過失で原状回復が必要になったとき

    原状回復とはお部屋の床や壁・設備などに傷を付けたり破損させてしまった場合、その破損部分を修繕することを言います。この原状回復費用は退去時の敷金か ら差し引かれる費用としては大きなウエイトを占めているため、どれだけ原状回復を発生させないようにお部屋を使うかがポイントになります。また、原状回復費用はお部屋の破損させた室内や設備を修繕するために発生する費用になりますので、退去する際に請求される「クリーニング費用」とは別物となります。

 

■敷金の償却・敷引きがあったとき

    償却・敷引きとは、敷金の中から契約前に決められている予め差し引かれる費用です。理由としては主に2つあります。

 

①礼金的意味合い

    入居者を募集する際に礼金が付いている物件は敬遠されがちですが、敷金に償却として含まれているとあまり気にされない場合が多いため、敷金に含まれるケースがあります。

 

②原状回復費用に充当される場合

    契約前に決められた金額を退去時の原状回復に充てる場合です。こちらのケースは原状回復の必要があるか無いかに関わらず差し引かれてしまうので、キレイに 使って原状回復する必要が無い場合は不要に差し引かれてしまうことになりますが、原状回復が必要な場合は追加で差し引かれることはないので、礼金的意味合 いで差し引かれるよりも借主のデメリットにはなりません。

償却は契約時に決められている費用なので、退去時に交渉しても聞いてもらうのはほぼ不可能です。回避するには契約前に交渉するか、償却のある物件を避けるしか方法はありません。

1-2.敷金の返還時期と方法

退去
敷金は契約終了後に原状回復費用やルームクリーニング費用が発生する場合は差し引かれ、おおよそ1~2ヶ月以内に振込にて返還されるのが一般的です。

2)退去時の原状回復は必ずしも引き渡し時の状態に戻す訳ではない

退去時に発生する「原状回復」は元の状態に戻すことを言いますが、通常の生活で消耗・劣化した部分については「経年劣化」と呼ばれ、修繕は貸主の費用負担で行うことになりますので、必ずしもお部屋をすべて入居時の通りに修繕しなくてはいけない訳ではありません。

また、過去の判例でも通常の使用をしていて劣化した設備について借主は費用負担をしないという判決も出ていますので、過去の判例を参考にしてみてください。

【参考】過去の判例
http://www009.upp.so-net.ne.jp/law/siki007.html

2-1.原状回復義務が発生するのは借主の故意・過失によって破損・毀損した部分だけ

借主の「原状回復義務」というのは、経年劣化を除いた借主の故意・過失、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧することとしています。よって、通常の生活で自然消耗(劣化)した場合の修繕費は賃貸人の費用負担とされています。

原状回復については国土交通省が定めるガイドラインがありますので参考にしてください。

・国土交通省のガイドライン
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000021.html

・【PDF版】原状回復をめぐるトラブルとガイドライン
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/torikumi/honbun2.pdf

・【イラスト付き】賃貸住宅トラブル防止ガイドライン(東京都)
http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/juutaku_seisaku/tintai/310-6-jyuutaku.pdf

・賃貸住宅紛争防止条例&賃貸住宅トラブル防止 ガイドライン
http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/juutaku_seisaku/tintai/310-23-00-jyuutaku.pdf

2-2.原状回復のガイドラインから見た借主・貸主が負担すべき項目

例えば壁のクロスでも、日照で黄色く変色した場合と、タバコのヤニで黄色く変色した場合では同じ変色でも負担する立場が異なります。フローリングもテレビの台の跡は自然損耗と解釈され借主の負担ではないとしても、模様替えなどでベッドを引きずってしまい傷が付いた場合では借主の負担となってしまいます。

主な項目を一覧にしたので確認しておきましょう。

■借主が負担することになる主なポイント

①床のキズ・汚れ

    ・家具(ベッド・イス等)を移動させた際に付いたフローリングや畳のキズ・へこみ
    ・清掃しても落ちないほどのカーペットやフローリングについたシミやカビ
    ・タバコの焦げ跡

 

②壁・天井・ガラスのキズ・汚れ

    ・壁に打ち付けたクギやネジの穴
    ・タバコにヤニによる変色や臭いで通常のクリーニングでは綺麗にならないもの
    ・エアコンからの水漏れを放置したために腐食した壁や床
    ・ペットがつけた床や壁・柱のひっかきキズ
    ・窓ガラスに入ったヒビ

 

③台所や風呂・トイレの汚れ

    ・台所の油汚れ(軽度であれば負担しない場合あり)
    ・清掃した形跡のない過度な水垢・カビなど

 

④その他設備

    ・紛失した鍵
    ・破いた障子
    ・破いた網戸

 

ここでいう「汚れ」とは多少の汚れであれば通常損耗と考えられる場合が多いですが、あまりにも長い期間放置しておくとどんなに清掃しても落ちない汚れになってしまいます。そのようなときは借主負担になることが多いので、日頃からお部屋はキレイに使うことを心掛けましょう。

■貸主が負担することになる主なポイント

①床のキズ・汚れ

    ・日照など自然現象による畳の表替え
    ・フローリングのワックス
    ・一般的な家具による床のへこみ(明らかに重量のあるへこみはNG)

 

②壁・天井・ガラスのキズ・汚れ

    ・ポスターや絵画のあとの変色
    ・画鋲の穴
    ・軽度なタバコのヤニによる変色
    ・長期間入居していたことによるクロス剥がれ
    ・テレビや冷蔵庫跡の電気ヤケ(黒いシミ)
    ・自然光によるクロスの変色
    ・地震等自然災害によって割れたガラス窓

 

③台所や風呂・トイレの汚れ

    ・キッチン・風呂・トイレの消毒
    ・通常使用による排水詰まり

 

④その他設備

    ・引越し時の鍵交換
    ・劣化した網戸の交換

このように通常使用をした際に起こる劣化については貸主負担で行うことになります。

 

※ローカルルールで借主が負担すべき費用が貸主負担になることも!?
例えば東京では「東京都の住宅紛争防止条例」という通称「東京ルール」と呼ばれる条例があり、6年以上住めば経年変化による設備の手直しにかかる費用は貸主負担になります。その他の地域では「●●ルール」と呼ばれる条例は聞きませんが、その土地の風習がありますのでお住まいのエリアの不動産屋さんに相談してみましょう。

【参考】
プロが教える原状回復と東京ルール徹底解剖
http://ashita-office.com/tokyo-rule-149

2-3.ルームクリーニングは必要です

退去時に一番論点になるのが「ルームクリーニング費用」です。原則として業者を入れてのルームクリーニングは、次の入居者へ貸すための必要な修繕と解釈されて貸主負担となりますが、ひどい汚れを残したまま退去していいという訳ではありません。しっかりと自分で出来る範囲のルームクリーニングをするのが敷金を全額返還してもらうにはとても重要です。

国土交通省のガイドラインに沿って言うと、通常の使用(故意過失とされるような傷や損傷がない)をしており、客観的に見てもキレイな状態まで掃除されているのであればルームクリーニングの特約があってもその費用負担をしなくても済む可能性があります。自分のお部屋の契約書にルームクリーニングの特約があっても、まずはお部屋を誰が見てもキレイだと言われるくらいしっかりと清掃をしましょう。その上で貸主や管理会社に交渉するのも敷金を全額返還してもらうための手段です。

【ルームクリーニング費用の相場】
~30㎡ :一律30,000円 ※エアコン洗浄込み
30㎡~ :1㎡あたり1,000円が目安

3)敷金を上手に返還してもらうために重要な5つの注意点

3-1.契約書をしっかり読む

基本、契約とは貸主と借主の双方の合意の元で行われることになりますが、実際は貸主側の作成した契約内容で契約する前提となっていることがほとんどですが、気になるところはどんどん交渉して出来る限り自分の希望に近い条件まで持っていきましょう。特に敷金の返還に関して注意すべき点があります。

■特約事項に注意しよう
「特約事項」とは契約書の内容に追加して盛り込まれる内容のことです。
特約事項に敷金は返還されないなどの記載やクリーニング費用の負担の記載があった場合は、契約前にその特約を外してもらうように一度交渉してみましょう。仮に契約後であってもあきらめる必要はありません。特約条項には3つの決まり事があります。この要件を満たさない場合には特約はすべて有効ということにはなりません。

(1)特約の必要性があり、かつ、暴利的でないなどの客観的、合理的理由が存在すること
(2)賃借人が特約によって通常の原状回復義務を超えた修繕等の義務を負うことについて認識していること
(3)賃借人が特約による義務負担の意思表示をしていること※常識の範囲内でのクリーニング代などは、契約時の合意により借主負担となります。暴利的な金額でない限り無効にするのは難しいです。

■敷金の償却・敷引きに注意しよう
1-1で説明しましたが、敷金には関東エリアでは「償却」、関西エリアでは「敷引き」と呼ばれる退去時に戻ってこない費用があります。この償却は契約書の内容によって意味合いが変わってきます。

3-2.入居時にはチェックリストと証拠写真を忘れずに

入居する際には、まず荷物を搬入する前にお部屋に入って状況をチェックしましょう。このチェックを怠ってしまうと、自分がつけた傷だという証拠が無くなってしまうため、退去時に原状回復費用を請求されても反論出来なくなってしまいます。

■入居時にチェックリストを使ってお部屋をチェックする
お部屋のチェックリストを用意して細かな傷もすべてチェックしておきましょう。チェックリストは不動産会社が用意している場合もありますが、用意していない場合もあります。こちらにチェックリストを用意しますのでダウンロードして使ってみてください。入居時チェックリスト※チェックリストダウンロード

■証拠写真を撮る
お部屋の傷を見つけたらすぐに証拠写真を撮りましょう。あとからどういう状態だったか確認するためです。写真に日付が入っているとなお良いです。

■メールで貸主もしくは管理会社に送る
せっかくチェックリストや写真を用意しても送らないと意味がありません。チェックリストは押印して郵送で送り返すのが一般的ですが、万が一のことを考えて 自分でもPDFで保管して、メールで写真と一緒に送りましょう。
これで入居時の写真ということと相手方に送ったという証拠になります。
もちろん相手に確認 してもらうのが大切なので送りっぱなしではなく電話でメールを確認してほしいという旨と、確認したという返信メールがあると安心です。

3-3.退去時の立会いは一人ではなく複数で立ち会おう

物件や管理会社によっては退去時の立ち合いが必要なく、鍵を返した後に管理会社がチェックをして費用を請求してくる場合があります。

このケースだと言われるがまま請求をされてしまうので、必ず退去時は立ち会いましょう。また女性の場合は管理会社が怖い感じの人だと言い返せない場合もあるかと思います。出来る限り第三者も一緒に立ち会ってもらうようにしましょう。

3-4.部屋の使い方に気をつける

2-2で借主と貸主の負担内容について触れていますが、入居期間中のお部屋の使い方で注意すべきなのがベッドを移動させた際のフローリングの傷やタバコのヤニによるクロスの変色や臭いです。

フローリングに多少の傷がついてしまうのは自然損耗と解釈されることが多いので借主に負担がいくことは少ないですが、大きな目立つ傷をつけてしまうと修繕するのは借主負担となります。

また、ガイドラインではタバコによるクロスの変色や臭いは軽度であれば貸主側の修繕義務となりますが、非喫煙者からみると一度ついた臭いや変色はどんなにクリーニングしても気になってしまうものなので、どれだけ頑張って換気をしたり洗剤で磨いても、根本の臭いが消えることはほとんどないので基本的には借主負担となるケースが多いです。

お部屋では出来る限り喫煙しないようにするのが理想的ですが、喫煙する場合は窓を開けて換気をする、換気扇の前でしか喫煙しないなど、少し面倒かもしれませんが日頃から注意しましょう。

3-5.明らかに請求されそうな箇所は自分で直す・もしくは業者手配も手段のひとつ

ちょっと裏ワザになってしまいますが、自分で出来る修繕キットが販売されています。このようなアイテムを使って、傷を目立たせないようにするのも原状回復費用を発生させない為のポイントです。退去の立ち合い後にはできないので注意しましょう。

クロスの穴埋め
クロス

GLホーム:クロスの壁に釘や画鋲の穴!ササッと自分で直しちゃいましょう!
http://www.glhome.lixil-jk.co.jp/blog/2012/03/post-114.html

 

フローリング補修
フローリング

家仲間コム:自分でフローリング補修とプロのフローリング補修の価格
https://www.ienakama.com/tips/page/?tid=358

このような紹介サイトが多数あるので参考にしてください。
ですが、補修キットを使ったからと言ってすべてがキレイになる訳ではありません。例えばこんな記事があります。

紹介サイトのようにやっては見たけどあまり芳しくない結果に・・・そんなこともありますので注意しながらやってみてください。

SUUMOジャーナル:補修グッズで原状回復。どこまで可能?
http://suumo.jp/journal/2012/06/20/21455/

4)それでも敷金が返ってこなければ

4-1.見積もりの確認と相見積で再交渉してみよう

管理会社から出てきた見積もりがあまりにも高額だった場合、すぐに了承はしないようにしましょう。相場と離れた金額や、いわれの無い負担額があった場合は自分の非ではないとしっかりと主張するべきです。また、どの業者も見積もりは無料ですので自分で業者を呼んで見積もりをとってもらい、再度交渉しましょう。

こちらのサイトで原状回復の一括見積もりが出来ます。よかったら問い合わせてみてください。

原状回復比較ナビ
http://genjo-hikaku.com/area/tokyo/?gclid=CPvw8pPO0MkCFQx9vQodMx0NKg

原状回復一括見積支援サイト
http://mitumorisien.com/

4-2.管理会社ではなく貸主に直接交渉してみよう

実務上の話ですと、管理会社に相談した内容がすべて貸主にまで報告されていることはほとんどなく、管理会社が判断して貸主に事後報告しているケースがほとんどです。どんなに交渉しても管理会社がマニュアル通りの対応をして聞いてもらえないことも多々あります。

ですが原状回復については貸主の負担部分も出てくるので出来れば貸主と話したいのが本音です。地方にいる貸主では厳しいかも知れませんが、同じマンション・アパートに住んでいる貸主の場合は、一度貸主に直接交渉してみましょう。入居期間中にしっかりと挨拶したり好印象をもたれていれば話をきいてもらえるケースもあります。
もし、貸主が同じマンション・アパート内に住んでいるときは、なるべく顔見知りになっている方が良いです。

※契約書には貸主の連絡先が明記されていることが多いですが、今まで付き合いもなく、いきなり連絡しても対応してもらえないケースもあります。敷金のトラブルはナーバスになることもありますが、感情的になって電話するのは止めましょう。

4-3.内容証明郵便を送ろう【テンプレート付】

上記をすべて試しても話が前に進まないようであれば内容証明郵便を送りましょう。

■内容証明とその効果
内容証明とは、郵便の内容を郵便局が証明してくれるため、何かの問題に直面して相手方とやりとりする際、その問題が解決できず裁判になった場合、証拠としての価値が上がります。内容証明郵便は形式が決まっているために、送る方もそれなりの手順を踏んで出すのと同時に、受け取る方もサインが必要なり配達記録も残ります。

また書式に公的な雰囲気があるため、初めて手にした時はかなりの心理的プレッシャーを与えることが出来ます。

一点注意しないといけないのは、一度受取人に出した後にその内容を変更、訂正はできません。間違った内容で送らないようにしっかりと内容を確認してから送る必要があります。

■内容証明の形式と書き方【テンプレート付】
内容証明は普通の郵便と異なり形式が決まっています。

<内容証明の形式>
・紙1枚につき520字以内(用紙の指定は無し。通常はA4サイズ、B4サイズ、B5サイズが使用される。)
・1行20字以内、1枚26行以内
・日本語(漢字/ひらがな/カタカナ・数字)で書く (ただし会社名などの固有名詞を除く)
・パソコン、手書きでもOK

<注意点>
法律上の効果は普通郵便と同じですが、裁判などで効力を発揮する証明郵便となるため、内容証明を書く際には以下の点を注意しましょう。

・関係のない事柄は書かない(挨拶などの前置きは不要)
・あいまいな表現はしない。
・内容を簡潔で明確に書くこと。
・内容と事実が一致していること。

<書き方>
次に内容証明の書き方です。すべて必要な内容ですのでしっかりと明記しましょう。また、契約書や見積書に記載の内容を転載する場合は、必ず書き方・書式(数字・漢数字など)は合わせるようにしましょう。

①契約書の内容を記載(契約の事実と敷金額の明記)
・契約年月日
・物件名称
・契約締結日
・敷金の金額

②賃貸借契約終了の事実と敷金の返還金額が記載された見積書(請求書)の通知
・契約終了日
・見積書を受け取った日付
・敷金から差し引かれる予定の金額

③自分が負担すべきではないと思われる内容とその根拠
国土交通省のガイドラインに反していると思われる内容と項目を箇条書きで記入

(例1) 壁クロス修理費用返還請求
貴殿は敷金返還の見積書に書かれているように、壁クロスの修理費用◯万円を私に負担させようとされていますが、国土交通省のガイドラインの指針では太陽光が原因による壁クロスの変色や劣化は、貸主が修理費用を負担すると謳われています。そのため私には壁クロスの修理費用として◯万円を敷金から差し引かれることを了承できません。

(例2) クリーニング代返還請求
私は退去時に通常の基本的クリーニングは済ませており、原状回復義務は果たしおります。したがってプロの清掃業者を入れるかどうかは、あくまで貸し主様の都合によるものですので、清掃業者に支払う費用は当方が負担すべきものではありません。
したがいまして、私にはクリーニング費用○万円を負担する義務はありません。

④敷金の返還を求める金額及び方法・期日
・返還請求する金額
・返還先銀行口座
・返還期日の年月日

また、期間内に支払いがなかった場合、少額訴訟へ移行する旨も記載するようにしましょう。

内容証明を差し出すことのできる郵便局は、集配郵便局及び支社が指定した郵便局のみです。すべての郵便局で出来る訳ではありませんので、前もって差出予定の郵便局へ電話で確認することをオススメします。

書き方が分からない場合は郵便局へ持っていくと係の人が教えてくれますが、慣れていないとかなりの時間と手間がかかりますので雛型を用意しました。ダウンロードして利用してください。

内容

※内容証明ダウンロード

■内容証明を出す際の必要書類と費用
内容証明の記入が終わったらいよいよ提出です。

<用意するもの>
・手紙(通知書)3通 ※内容は全く同じもの
・封筒1通 ※差出人及び受取人の住所氏名を記載したもの
・印鑑
・内容証明の加算料金を含む利用料金

手紙が3通必要なのは証拠としてしっかりと残るよう以下の3か所が保管するためです。
・相手に送る用
・郵便局が保管する用
・送り主用

内容証明郵便を送るのにかかる費用は、大体1,300~2,000円前後と考えておきましょう。内訳を記載しましたので参考までにどうぞ。
料金内訳

・通常郵便物の料金 82円(定型25グラムまで)
・内容証明料 430円(※内容証明の文の用紙1枚の場合)
・書留料 430円
・配達証明料 310円(配達証明が必要な場合)
・速達料 280円(速達で送る必要がある場合)

※内容証明料については用紙が2枚以上の場合、1枚増えるごとに250円加算される。
配達証明料や速達料は必須ではありませんが、配達証明はいつ届いたかの記録が残るために④は付けておいたほうがよいでしょう。

上記書類と費用を用意して、郵便局で「内容証明郵便を出したい」旨を伝えて手続きが開始されます。

4-4.敷金請求代行会社に依頼

敷金に関するトラブルは全国でありますので、それに特化した業者がいるのも事実です。また相談窓口もありますので利用してください。相談相手はみんなその道のプロですので安心して相談出来ます。

・敷金返還請求net:http://www.alfaepoch.com/

・敷金返還ホットラインセンター:http://shikikin-hotline.com/

・敷金ポリス:http://www.geocities.jp/shikikinpolice/

4-5.少額訴訟

内容証明や代行会社に依頼しても話に進展が無ければ少額訴訟を起こすのも方法のひとつです。「訴訟」と聞くと裁判や弁護士をイメージしてしまいますが、少額訴訟は必要な手続きを済ませるだけで誰でも起こせます。

■少額訴訟とは誰でも手間をかけずに起こせる訴訟です
少額訴訟とは、60万円以下の少額債権の請求を求める裁判のことで、通常の裁判とは異なり手続きも比較的簡単で、時間も費用もさほどかかりません。また、通常訴訟で必要な専門的な法律知識も不要です。

訴状を出してから1~2カ月後に審理が開かれ、原則1回で判決が出ますので、通常訴訟より短期間で敷金を取り戻すことができます。

■かかる費用は請求する金額によって異なります
請求する金額にもよりますが、5,000~10,000円前後で訴訟を起こすことが出来ます。費用の内訳は下記の通りです。

①収入印紙代
申立の手数料としておおよそ請求金額の1%程度の収入印紙を訴状に貼ります。

収入印紙

②郵便切手
郵便切手は管轄の裁判所によって費用が異なります。概ね3,000~5,000円程度です。

③全部事項証明書
相手が法人の場合、全部事項証明書の取得が必要です。600円で最寄りの法務局で取得することが可能です。

■少額訴訟の流れとチェックリスト
少額訴訟を起こすには下記の順で進めることになります。

<少額訴訟の流れ>
訴状を作成する

必要な書類を揃える

管轄裁判所へ必要書類を提出

期日の連絡と事前聴取

相手からの書類があれば受取り

法廷で審理

判決

強制執行(勝訴しても支払ってくれない場合)

スムーズに手続きを進めることが出来るようにチェックリストも用意しました。是非活用してください。

訴訟チェックリスト

※チェックリストダウンロード

【訴状を作成する】
訴状の書き方と必要項目は下記の通りです。まずは訴状をダウンロードしてください。記載する流れに沿って説明します。

訴訟

※訴状ダウンロード

■原告(申立人)
あなたの氏名・住所・TEL・FAXを記入します。押印も忘れずに。

■被告(相手方)
相手方の氏名・住所・TEL・FAXを記入します。相手方が法人の場合、全部事項証明書に記載されている通りに記入してください。

■請求の趣旨
返還を求める金額、退去した日または訴状送達の日の翌日のどちらかを選び記載します。
最後の「及び仮執行の宣言」にチェックを入れましょう。

■紛争の要点(請求の原因)
賃貸借契約締結の年月日・物件名・賃貸期間・1か月分の賃料・預けた敷金金額・賃貸借契約終了日・物件を明け渡した日を記入します。

その他の参考事項には、あなたの主張と貸主の主張が異なる詳細を記入します。スペースの都合で書けない場合は、「別紙の通り」と記載し、別紙を用意しても大丈夫です。

【その他の参考事項:記入例①】
貴殿は敷金返還の見積書に書かれているように、壁クロスの修理費用◯万円を私に負担させようとされていますが、しかし国土交通省のガイドラインの指針では太陽光が原因による壁クロスの変色や劣化は、貸主が修理費用を負担すると謳われています。そのため私には壁クロスの修理費用として◯万円を敷金から差し引かれることを了承できません。

【その他の参考事項:記入例②】
私は退去時に通常の基本的クリーニングは済ませており、原状回復義務は果たしおります。したがってプロの清掃業者を入れるかどうかは、あくまで貸し主様の都合によるものですので、清掃業者に支払う費用は当方が負担すべきものではありません。したがいまして、私にはクリーニング費用○万円を負担する義務はありません。

裁判所ホームページに少額訴訟の訴状記入例があります。参考にしてみてください。
http://www.courts.go.jp/saiban/syosiki_minzisosyou/syosiki_02_04/index.html

【必要な書類を揃える】
訴状を作成したら、次に訴状と合わせて裁判所に提出する必要書類を用意します。具体的には以下の4つになります。

①訴状
②訴状副本(コピー)
③登記事項証明書(相手が法人の場合)
④証拠

もう少し詳しく説明します。

①訴状
少額訴訟を起こすために必要な書類です。この書類を提出しないと裁判が起こせません。書き方とテンプレートはのちに説明します。

②訴状副本(コピー)
「副本」とはコピーのことで、裁判所から訴えられる被告に送るために作成するものです。

③登記事項証明書(相手が法人の場合)
相手が法人の場合には登記事項証明書が必要です。全国の法務局で取得することが可能で、印紙代の600円が必要になります。

④証拠書類
一番大切なのが証拠です。この証拠が無いと裁判で勝てる可能性は格段に下がります。今回は請求された敷金から差し引かれる金額に対して、その金額は不当だとして原告の「お金を請求する権利」を証明ものが必要になります。具体的には以下のようなものを証拠として提出することになります。

・賃貸借契約書
・敷金返還額の見積書
・全部事項証明書 ※相手が法人である場合のみ
・国土交通省のガイドライン
・貸主や不動産管理会社側が修繕費や清掃費がかかると主張する箇所の写真を数枚
・内容証明郵便のコピー(内容証明郵便を送った場合)
・退去時のハウスクリーニング代や修理費・掃除費の負担で争点になっている箇所の写真

このすべてが必要という訳ではありませんが、証拠になりそうなものはあればあるだけ良いです。また、ここに記載の無いものでも、メールのやりとりや電話の録音など証拠になりそうなものは用意しましょう。

【管轄裁判所へ必要書類を提出】
証拠も含めてすべての必要書類が準備できたら、相手の住所地を管轄する簡易裁判所へ必要書類を提出します。

少額訴訟の場合には相手(被告)の住所地の裁判を引き受ける簡易裁判所が管轄裁判所となる。裁判所のホームページより相手の住所地を管轄する簡易裁判所を探すことができます。

全国の裁判所の管轄区域はこちら

【期日の連絡と事前聴取】
訴状を提出し、裁判所が確認すると期日の連絡があります。期日とは、裁判官の前で原告と被告がそれぞれの主張をぶつけ合う日時のことである。ここではあくまで事前の調査段階となります。

【相手からの書類があれば受取り】
相手側から提出書類があれば法廷での審理前のこの段階で受け取ります。

【法廷で審理】
いよいよ法廷での審理に移ります。

(1)審理とは
審理とは、裁判で争い内容に関する事実関係などを詳しく調べてはっきりさせることです。
審理の参加者は原告、被告、裁判官、書記官らで、主に原告と被告が双方の主張をぶつけ合うことになります。

審理には、どちらの主張が正しいかを裁判官が判断できるように、原告と被告が提出した書類を調べたり、呼び出した証人の話を聞いたりします。テレビで見る裁判のイメージですね。

(2)所要時間
審理は、進捗具合によりますが概ね30分~2時間程度です。

(3)和解解決もあります
場合によっては、審理の場での話し合いによって和解が成立するときもあります。
和解とは、原告と被告がお互いに譲り合って妥当なラインで争いを終わらせる約束をすることです。

【判決】
審理が終わればいよいよ判決です。裁判所としてどちらの主張が正しいかを判断した上で、「被告は原告に対し◯円支払え」という内容の判決をすることになります。後日、判決の内容について書かれた判決書がもらえます。

【強制執行(勝訴しても支払ってくれない場合)】
強制執行とは、簡単に言うと「差押え」のことです。銀行口座や相手の給料を差し押さえるのが一般的です。

裁判によって、法律上は「お金をもらえる権利」は確定しましたが、相手の事情も含めてすぐには支払ってもらえないこともあります。

差押えをすることで、銀行口座や給料から優先的に支払うべきお金を支払ってもらうことが出来ます。

4-6.困ったら無料の相談窓口へ相談しよう

どの地域でも敷金のトラブルは後を絶たないため、各地で無料の相談窓口が設けられています。
参考までに東京都の相談窓口を紹介します。

■東京都の相談窓口一覧
・東京都都市整備局 住宅政策推進部不動産業課
>賃貸ホットライン 03-5320-4958  >指導相談係 03-5320-5071

主に不動産取引全般に関する相談を受けてくれます。

・東京都不動産取引特別相談室
>03-5320-5015

弁護士による法律相談を受けることが出来ます。

・東京都消費生活総合センター
>03-3235-1155

不動産関係を含め、消費生活全般に関する相談を受けてくれます。

このようなトラブルに対応してくれる機関もあるので、相談してみるのも良いでしょう。

5)まとめ

いかがでしたか?
入居前からしっかりとした手順を踏んで、お部屋の使い方もしっかりとしていれば敷金は原則として全額返還してもらえます。
もちろん契約内容やお部屋の使い方で左右されますので100%とはいかないかも知れませんが、今回の方法を実践してもらえれば必ず今まで以上に敷金は戻ってきます。

引っ越しはお金がかかるものですので、少しでも多く敷金を返還してもらうために今回の記事が参考になればと思います。

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