ブルックリン調のこだわりオフィスを作るポイントとは?【オフィスwatch 株式会社セレス】

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ビルの外観からは想像もつかないNYブルックリンスタイルのエントランス。
アンティークの1点ものを利用した受付電話からもこだわりが伺えます。
アパレルショップのような印象のオフィスを構えるのはスマートフォンメディア企業の株式会社セレスです。

IT企業ながらアンティークなデザインのオフィスにすることができたのにはある理由が・・・

オフィスのこだわりや起業、経営の思いなどを代表取締役社長 都木聡氏にお話しを伺いました。

株式会社セレス 会社概要

《事業内容》 スマートフォンメディア企業。スマートフォンメインのポイントサイト「モッピー」「モバトク」「お財布.com」、採用報酬型のアルバイト求人サイト「モッピージョブ」の企画・制作・運営
《サイトURL》 https://ceres-inc.jp/

(取材日 2015年8月10日)

1)コンセプトはNYのブルックリン【オフィス写真&ポイント解説】
①ブルックリンスタイルのエントランス
②フラットなワークスペース
③ボックスシートもあるカフェスペース
2)代表取締役社長 都木聡氏インタビュー
3)まとめ

1)コンセプトはNYのブルックリン【オフィス写真&ポイント解説】

①ブルックリンスタイルのエントランス

入口から一歩入ると、ブリックタイル貼りの壁に、アンティークな電話機がお出迎え。広々した空間に楽しいおもちゃや雑貨が置かれ、観葉植物が並びます。
そして、4種類の応接兼会議室もインテリアはブルックリンスタイルが貫かれ、12人以上座れる広い会議室、10人用と6人用の会議室、ゆったりしたソファが置かれた応接室と、目的や人数によって使い分けられるようになっています。照明の明るさや灯りの色も会議室と応接室で変えられているなど、細部にまで配慮されています。

【取材スタッフの一言】
ビル自体はモダンでシャープな印象の近未来タッチとさえ言えるデザインなので、正反対とも言える、遊び心のある楽しいブルックリンスタイルに驚きました。コンセプトである、「コミュニケーションが取りやすいオフィス」なのはもちろん、“楽しい”コミュニケーションに花が咲きそうです。

②フラットなワークスペース

アンティーク感いっぱいのエントランスから、一歩ワークスペースへと入ると、目の前を遮る間仕切りがほとんどないフラットな空間が広がっています。「100人分のスペースはあります」という広い空間にも関わらず、どこからでも見渡せるデザインです。間仕切りをつくらないことで、近くの人とのコミュニケーションを取りやすく、目を上げれば、少し離れていても、何をしているかわかります。

そこでコミュニケーションが盛り上がれば、壁際の全面がホワイトボードになった一角で、スタンドミーティングも可能です。ここは、エントランスの“楽しさ”よりは、コミュニケーションが“密に”なるような配慮を感じます。

【取材スタッフの一言】
「仕事しやすそうでしょう」という都木社長の言葉通り、家具や床・壁・天井の色も抑えられていて、集中力が高まるデザインになっています。個人的には、立ったままミーティングができるホワイトボードの一角は、座ってするほどでもない時に使いやすそうで、うらやましかったです。

③ボックスシートもあるカフェスペース

こちらのオフィスの大きな特徴は、ワークスペースの横にある、広いカフェスペースです。ファミレスにあるような、ボックスシートまで置かれた、まるでアメリカ映画に出てくるダイナーのような空間です。

ホットとコールドのドリンク、スナックがいつでも安価なセルフサービスで用意されています。休憩に、一人で集中したい時に、ランチに、打ち合わせに、部署ごとの会合に、スタッフの誕生日にケーキを食べたりにまで広く使われているそうです。スタンディングならスタッフ全員が入れそうな広いスペースで、気分転換がいかに大切に考えられているかがわかります。

 取材スタッフの注目ポイント 
受付電話
「アンティークの1点ものを探してもらった」というレトロな受付電話。しっかり配線して、中と繋がっています。
エイジング加工の壁
会議室まわりの壁は、アンティーク感のある錆びた赤銅色。「職人さんに手作業でエイジング加工してもらった」そうです。
ボックスシート
カフェスペースのボックスシートはロールスクリーンで視線を遮れるように。「お弁当を食べる時や休憩時に横になったりして」使われています。
工場の床材を壁に使用
カフェスペースの壁の一部には、工場の床などに使われる凹凸のついた鉄製の床材が貼られています。マグネットで写真や書類を貼れるように選ばれたそうです。

2)代表取締役社長 都木聡氏インタビュー

スマートフォンメインのポイントサイトで国内最大手、昨年2014年には東証マザーズへの上場も果たしたスマートフォンメディア企業、株式会社セレス。
「インターネットマーケティングを通じて豊かな社会を実現する」という理想を掲げて起業した、代表取締役社長の都木聡氏に、「コミュニケーションの取りやすい空間」を目指したというオフィスのデザイン・コンセプトや、企業経営の考え方について伺いました。

デザインはみんなで考えず、一人の意見で決めるべき

吉川
ビルの外観からは想像も付かない内装でびっくりしました。

社長
レストランかカフェのような感じですよね。

吉川
そうですね。IT系企業というと、結構クールというか冷たい印象のオフィスが多いと思うのですが、こちらは温かみがあるというか、アンティークで。

社長
ニューヨークのブルックリンスタイルということで、アンティークをテーマにデザインしています。

吉川
先進的なスマートフォンメディアを運営されていながら、どうしてこういうデザインになったのでしょうか。

社長
デザインに関しては、いろんな人が考えてしまうと、それぞれの意見が混ざって、平準化して普通に収まってしまうか、どんどん機能が追加されて混乱してしまうと思いました。なので、1人の人間が考えるべきかなと思い、今回はデザインを考えたいと手を挙げてくれた、副社長の野崎に任せました。

吉川
一任されたのですか。

社長
そうですね。野崎がコンセプト提案したのがブルックリンスタイルです。わかりやすく言えば、アンティーク。アメリカのミッドセンチュリー的なデザインですね。そして、そのコンセプトを具体化したのが管理部門で、関係企業の方々と一緒に形にしていったという流れです。

吉川
知らずに入ったらアパレル系のショップと思ってしまいそうです。

社長
そうですね、インテリアショップのよう、というのもよく言われます。先ほど言われたように、IT系企業では確かにこういうデザインはあまり無い、というところは考えていたと思います。

吉川
なるほど。ではもう副社長の野崎様にある程度一任した中で、社長さんもご覧になられて、いいんじゃない?と決めていかれたと。

社長
いえいえ、私はあまり途中は知らなくて、職人さんが来て壁にエイジング加工しているらしい、といった情報だけ入ってきていて……。完成したときには、みなさんと多分同じレベルで僕も見ていましたから。

吉川
ほんとですか。

社長
こんな風になったんだ、と驚きました。

吉川
エントランスがとても広いですね。

社長
お客様から「ここに30人は入るね」って言われました。

吉川
今、スタッフの方は何人ぐらいですか。

社長
合計80名ぐらいです。大きく分けると、プログラマー20名、デザイナー10名、管理部門が10名ぐらい。あとはメディアの運営ですね、営業も含めて。

吉川
これからも増えていきそうでしょうか。

社長
今でも100名分の席は用意してありますので、大丈夫です。

テーマは「コミュニケーションが取りやすいオフィス」

吉川
デザイン面ではなく、機能的な面でのテーマは何だったのでしょうか。

社長
我々はメディア企業なので、よりクリエイティブな働きやすい環境を作って、新しく面白いものを生み出せる空間にしたいというところをベースに、よりコミュニケーションを取りやすい、コミュニケーションがより密に取れるようなオフィスをテーマに置きました。

吉川
具体的にはどのあたりに表われているのでしょうか。

社長
まず、会議室はコミュニケーションが密になるよう気を配りました。それぞれの部屋にモニターを付けて、インターネット回線も繋がっていますし、どこからでもファイルサーバーに繋がる形になっているので、ミーティングはやりやすくなってますね。

吉川
椅子もハーマンミラーのオフィスチェアで座りやすそうですし、広さの違う4つの部屋があるので、使い分けしやすそうです。

社長
ワークスペースも、壁がホワイトボードになっていて、立ちながらスタンディングミーティングができる場所をいくつか作っています。

吉川
いちいち座って会議するという時間の無駄を省いて。

社長
そうですね。毎朝のミーティングのほか、ちょっとした打ち合わせなども立ちながらホワイトボードを使ってできるようにと考えています。たとえばプロジェクトの進捗表つくって、貼ったままでも会議ができますし。

吉川
席で話すには長そうでも、会議室にいくほどでもミーティングは多いですから、便利そうですね。

社長
それから、スタッフ専用のカフェスペースもあります。ランチやおやつを食べたりできますし、ミーティングする事もあります。窓際にファミレスのようなボックスシートが3つありますので、リラックスしながらのミーティングもできるようになっていたりで、よりコミュニケーションが取りやすくはなっているかなとは思いますね。

吉川
あのスペースは、うらやましかったです。

社長
スタッフ全員が集まる四半期ごとの全体会にはきついですが、毎月の月末の締め会の時には、カフェスペースに集まって、誕生日を迎えたスタッフを囲んで、みんなでケーキを食べたりもしていますね。

10年前、1DKのアパートが始まりだった

吉川
話を少し変えて、今、設立10年目とありましたが、最初はどういったきっかけで起業されたのですか。

社長
元々、僕は学生時代から起業したいと思っていたのですが、今のように学生ベンチャーが存在する時代ではなかったので、30歳ぐらいで起業するために、修業してから起業しようと思って、就職したんですよ。

吉川
就職もIT系だったのですか。

社長
最初は証券会社ですね。そこで6年間働いて、次にインターネット系の広告代理店に入って、社長室長や経営企画をやらせていただきました。

吉川
そこからスマートフォンのポイント事業に。

社長
セレスを始めたころは、ちょうど携帯電話におサイフケータイが積まれた時期で、インターネットサービスとリアルな価値を携帯電話、今で言えばモバイルで繋げることができれば便利になると考えたのです。モバイルで貯めて、そのモバイル端末上でSuicaに交換して、そのままリアルタイムで電車に乗るってことができるんですけれども、そういうサービスっていうのをやりたい、と思って始めたんです。

吉川
なるほど。会社をご設立された時のオフィスはどちらだったんですか。

社長
表参道ですね。といってもアパートで。アパルトマンなんていう名前でしたが、その1DKからスタートしました。そこから今、オフィスは5カ所めで、5カ所とも表参道なんです。

吉川
そうなんですか。なぜ表参道ばかりに。

社長
私たちは、コンテンツを売るメディアをやりたかったんです。その時にやっぱりクリエイティブな場所のほうがいいよねっていう感覚的なものですよね。

吉川
たしかに表参道で働くって憧れみたいなところありますね。

社長
2カ所目は200平米ぐらいの広いマンションを借りました。たしか5LDKだったんですが、トイレが3つで、お風呂も3つあったんです。働くスペースがリビングダイニングのスペースしかなくて……。

吉川
すごいですね。外国のマンションみたいで。

社長
そう、外国人向けのマンションだったんですね。そこからはオフィスビルです。

吉川
移転のきっかけは、やはりスタッフが増えたことですか。

社長
そうですね。スタッフが増えて手狭になって、という理由ですね。

吉川
移転している間、事業のほうもいろいろ変わっていっているのですか。

社長
いえ、基本的にはモバイル上のポイントサービスをずっと続けています。そして、これからも続けていくつもりです。私たちのスマートフォンのポイントサービスは今、日本最大級の規模ですので、ようやくやりたい世界を実現できそうです。O2O(オーツーオー)というサービスなんですが。

吉川
それはどういうサービスですか。

社長
たとえば、プラスチックカードの共通ポイントカードは、インターネットには繋がりません。PCのポイントサービスも持ち運べません。しかし私たちの「モッピー」や「モバトク」といったサービスは、スマートフォンを中心としたモバイルのポイントサービスなので、持ち運びながら、インターネットにもつながり、BluetoothやNFCなどのテクノロジーでリアルな生活と接点を持つことも可能です。

現在でも、スマートフォンで貯めたポイントを電子マネーにリアルタイムに交換して電車に乗ったりコンビニで何か買うことはできますが、例えば、モッピーポイントでそのままコンビニでジュースを買ったり、お店に入っただけでスマートフォンがBluetoothを認識してポイントが貯まるなど、より便利なサービスを目指しています。

インターネットのオンラインから、リアルのオフラインへ繋げるということで、オンライン・トゥー・オフライン、つまりO2O(オーツーオー)として注目されています。

吉川
なるほど毎日肌身離さず持ち歩いているスマホで完結したら便利ですね。

社長
そういうサービスが早く実現できるよう、進化していきたいと思っていますね。

吉川
会社の名前はギリシャ神話からと聞きました。

社長
そうですね。オリンポス12神の「五穀豊穣の女神」に由来しています。まず、「世の中を豊かにしたい」というビジョンがあって、そこから名付けました。

吉川
社長さんは普段休みの日は何をされていますか?

社長
基本、妻と過ごしてますけどね。うちは犬を飼っているので、犬番で、犬の散歩ですかね。

吉川
どんなワンちゃんですか?

社長
ダックスフンドを2匹飼ってるんですが、スタンダードダックスとカニンヘンダックスって言う種類なんです。みなさんミニチュアダックスをイメージされるんですが、ミニチュアよりも小さいのが1匹と、ミニチュアよりも大きいのが1匹です。大きいほうは12キロぐらいなんで。柴犬と同じぐらいの大きさのダックスですね。

吉川
足はやっぱり。

社長
短いですね。

吉川
経営者として平日はバリバリと仕事をされていて、休日は普通にゆっくりとされている感じなんですね。

社長
そうですね。

浅見
仕事っていうとだ、私は4月に入社したばかりで、ま新卒の1年目なんですけれども。私たちみたいなまだ仕事に慣れない若手社員に向けてのアドバイスとか、心構えみたいなメッセージをいただきたいのですが。

社長
基本的には、仕事ってつらいじゃないですか、学生のころに比べたら。そうした時につらいからといって、うしろ向きになっても仕方がないので、いかに前向きに取り組むかということ。それと、努力の量って嘘をつかない、ということですね。

たとえば20代で3年間すごい頑張って努力をしたことと、同じ努力を30代でしたとしても、20代で努力した人のほうが勝つんですよね。なぜならば、早いうちからやっていけば、20代の10年間努力した部分を持って、高みにいるわけじゃないですか。もう角度が変わってくるんですよね。やっぱり後からなかなか追いつけないですね。早く努力したほうが絶対いいですよね。

吉川
若いときの苦労は買ってでもしろ、と。

社長
昔から言い伝えられてきた格言のとおりだと思うんですね。

浅見
社会人になると、努力より結果だ、みたいによく言われますが。

社長
結局、なにか上手くできるかできないかっていうのは結果論でしかないので。マルコム・グラッドウェルというジャーナリストが、何にしても1万時間はやらないとプロになれないと言っています。

たとえば高卒でプロ野球でドラフト指名される人っていうのは、高校卒業の時点で、1万時間以上練習してるんですよ、多分。でも、僕もそうだと思ったんですが、社会人って実はその努力を1秒もしないでプロにならざるを得ないからつらいんですよね。

浅見
そうですね、たしかに。

社長
でも今はもうプロじゃないですか。そうですよね。そのギャップが多分つらいんだと思うんですよね。まぁでも仕事って、入社した4月1日からであれば、そこからでしかできない。まぁだから前向きに努力していきましょう、ということですね。

“建物情報”

クリエイティブとファッションの街として人気の高い表参道。株式会社セレスは、表参道駅から3分という好立地に竣工されたばかりの「新青山東急ビル」にあります。

竣工:2015年2月
基準階坪数:200.24坪

竣工前から「青山通りの新しいランドマーク」と評判を呼んでいた「新青山東急ビル」。
手描きイラストを現実化したかのような印象的な外観デザインが目を惹きます。
「自然を感じる」設計にも力が入れられていて、両サイドに86平方メートルという広大なバルコニーが配され、屋上に設置された入居者専用の庭園には、桜などの四季を感じさせる在来種樹木が植えられています。共有部分もモノトーンを基調に、板張りのエレベーターホールなど、高級感のあるデザインと素材選びがなされています。

3)まとめ

取材中、都木社長の口から何度も出たのは、「ウチはメディア企業なので」という言葉。クールなデザインが多いIT企業のオフィスにあって、この温かいデザインは、メディアとしてのクリエイティビティを表現しているのだと思いました。
オフィスは働く場であるとともに、お客様や就転職希望の方々、そして社員の方々に対しても、経営陣の想いを表現する媒体でもあるのだと納得できた取材になりました。

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