花と人が共存する手作りオフィス【オフィスwatch 株式会社パーク・コーポレーション】

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今回のオフィスwatchでお伺いしたのは青山フラワーマーケットなどで生花販売事業を行う株式会社パークコーポレーションです。生花販売を行う企業ということもありグリーンが豊富に飾られた魅力的なオフィスです。「自宅よりもオフィスを自然の環境に近づけるべき」という考えや、それを実践するためのこだわりを代表取締役である井上英明氏にお伺いさせていただきました。

1)自然を感じることのできるオフィス【オフィス写真&ポイント解説】
①緑
②天井・床・壁
③お茶
2)社長インタビュー
3)周辺情報
4)まとめ

1)自然を感じることのできるオフィス【オフィス写真&ポイント解説】

オフィスの中にいると、外の空気を吸う機会も少なく自然を感じることは難しいと思います。株式会社パーク・コーポレーションのオフィスはグリーンを沢山かざるだけでなく、デスクの形やインテリアにこだわることで自然を感じることのできるオフィス作りを実現しています。(取材日 2005年12月19日)

株式会社パーク・コーポレーション
《事業内容》 花や緑に囲まれた心ゆたかな生活を提供する
《サイトURL》 株式会社パーク・コーポレーション http://www.park-corp.jp/
青山フラワーマーケット http://www.aoyamaflowermarket.com/

①緑

社内には、とにかく花とグリーンが多い。一体全部でいくつの植物が飾ってあるのだろうと、その数を数えようと試みたが、あまりの多さに途中で断念してしまったほど。

ポトスやヤシ、アイビーなど、一般的な植物から珍しい植物まで、その種類も豊富。オフィスというよりも、青山フラワーマーケットに、お買い物に来てしまったかのような感覚。

これだけの量が飾ってあるというのに、花とグリーンとの割合が絶妙で、全くくどい印象を受けない。店舗同様、オフィスにもそのセンスの良さが光っている。

入り口に飾ってある季節の花々は、月に一度、その季節に合わせて総入れ替えをする。室内にいながらにして季節感を楽しめるというのは、何とも魅力的なオフィス。

花や緑が輝きを放ち、まるでオフィス空間全体がきらきらと輝いているような印象を受ける。

②天井・床・壁

壁と天井に薄いクリーム色を採用したのは、植物との色合いを考えての選択。
この色は、どんな植物にも映える色。店舗の色が薄いピンクなので、それと同じではつまらないという事で、移転の際に壁だけでなく天井までの全てを塗り替えた。

むき出しの床も、植物との組み合わせを考えてのチョイス。
床は、本来埋め込まれていたタイルをはがして、コンクリートむき出しの状態で使用している。水やりの際、水や花びら、枯葉が落ちるため、この方が便利なのだ。

業務スペースの床は、フリーアクセスの床上げ部分のカーペットを取り外し、そのまま使用している。

見た目だけを考えるのではなく、いたる所に植物への配慮もされている。自分達のオフィスを使いやすいように、いろいろな趣向を凝らす事によって自然に個性って出るものなんですね。

③お茶

会議室に通され、出てきたお茶には誰もが感動するであろう。

ガラスのカップ&ソーサーに注がれたピンクの紅茶からは、ほのかなオレンジの香りが漂う。これも、会社のこだわりのひとつなのだという。

パーク・コーポレーションには、お茶だけで6種類が常備されている。その色は、オレンジ、ピンク、黄色など様々。

お客様が訪問されると、まず社員はその方の身体のコンディションを伺うために表情を見る。お客様によって、お茶をハーブティーにしたり、コーヒーや紅茶にしてみたり、器を陶器にしたり、ガラスにしてみたり……いろいろと工夫しているのだという。

ほんの些細な事かもしれないが、こんな気遣いは、訪れた者にとっては非常にうれしいものである。

 取材スタッフの注目ポイント 
本棚

図書館に置いてあるような背の高い本棚。重厚感のあるその色調は、社内の雰囲気とすばらしく合っていますね。
大きなミーティングスペース
週に1度の店長会議やスタッフミーティングを行うため、非常に広いスペースが取られています。この場所で、青山フラワーの様々なアイディアが生み出されていくのですね。
オリジナルフラワーシザー
青山フラワーの人気商品を社内でも見つけました!使いやすく、見た目も可愛いハサミは、私も近々購入予定です。
受付の看板
クリスマス前という事で、とても可愛らしいリースがロゴのまわりを彩っていました。社内に入る前から、何だかわくわくしてしまう受付です。
社内の密かな人気者
インタビュー中に出てきた会議室に置いてある鳩の置物は、みんなのアイドル。普通のオフィスであれば浮いてしまう置物も、ここでは何の違和感もなくマッチングしています。
季節の小物
花の片隅には、こんな小物が飾ってあります。季節感たっぷりの小物は、花同様、定期的に入れ替えられるそう。本当に、どこを見てもセンスが良いものばかりで、とってもお手本になります!

社長インタビュー

港区南青山。表参道の交差点からほど近い場所にあるのが、今回お伺いするオフィス。 近年、駅構内などに続々と店舗を構え、手軽に買えるオシャレな花屋さんとして人々に愛されているのが、青山フラワーマーケットを展開する株式会社パーク・コーポレーション。 今回は、代表取締役である井上英明氏に花のあるオフィス空間へのこだわりをお伺いする事ができた。

ライン

社長
店舗やオフィスから直線を消すように心がけているんです。

―直線ですか!?それは一体どういう意味なのでしょうか。

社長
世の中にある直線って、不自然なんです。

ある日、銀座の街を歩いていた時にふと気付いたんです。「ビルや街全体が、どうしてこんなにまっすぐなのだろう」と。以前から抱いていた違和感は、これだったんだという事が分かり、非常にすっきりしたんです。

―確かにその通りですね。

社長
自然のものに直線のものなんて、ひとつとして存在しないですよね。例えば、人間の身体は、どの部分を見てもまっすぐな部分なんてないんです。全てが曲線で成り立っているんです。直線って、違和感があって疲れるんです。自然のままのものに触れている方が、癒されますよね。

―なるほど。そこで、オフィスや店舗でもその点を注意されているんですね。

社長
はい、そうです。机や棚、スペースの区切り方など、誰がまっすぐじゃないといけないと決めてしまったのでしょうか。

弊社のオフィスでは、例えばインテリアに丸みを帯びたものを使用したり、植物を上手く使ってオフィスから直線を消す努力をしています。直線ほどおかしくて、不自然なものはないと私は思うんです。

―あくまでも形式にとらわれず、自然のままの環境を追求する考え方がとても素敵ですね。

水・風・空気

社長
オフィスは、なるべく自然のままの空間に近づけるようにしています。

―それはどうしてですか。

社長
人間は本来、植物と共に自然の中で生活してきた生き物です。

よく、ウチを訪れたお客様が植物の多さに驚かれるのですが、私はこれくらいが普通だと思っています。もともと人間は緑や花に囲まれた環境にいた訳ですから、囲まれていない生活の方がおかしいといっても過言ではないんです。

現代社会では、下手したら家にいる時間よりもオフィスにいる時間の方が長いので、家よりもむしろオフィスを自然の環境に近づけるべきなんです。その点を私達は心がけ、実践しています。

―なるほど。確かにその通りですね。

社長
花、グリーン、水、風、動物や虫の音など、人間にとってどれも自然の要素のひとつとして大切で、何れかが欠けてしまってもいけないんです。

―社内でいう水というのは、丸い水の流れているインテリアですね。

社長
そうです。あれはお気に入りなので、いろいろな所に置いています。それだけでなく、植物でも水を演出しています。

実は観葉植物は水を蒸散する作用があり、この会議室に置いてある植物だけで、一日1リットルくらいの水分を出しているのです。いわば天然の加湿器のような役割も果たしているのです。

―経済的でもありますし、身体にも良さそうですね。では、風というのは、天井に備え付けられている送風機のようなものですか。

社長
はい。社内の空気が止まっているかのようなオフィスにはしたくなかったんです。 部屋の中にいても空気を感じたかったし、社内のグリーンに動きを出したかったので、天井を取り壊して設置したんです。

―なるほど。動物や虫の音というのはどのように演出されているのですか。

社長
本当は、鳥や犬をオフィスに放し飼いにしたかったんです。でも、お客様で鳥が苦手な方がいらっしゃると思いますし、犬の方もオーナーさんにダメと言われたので、諦めました。その代わりといっては何ですが、会議室では鳩の置物を飼っています(笑)。社内の密かな人気者です。

共同作業

社長
社員みんなで何かを行う事を大切にしています。

―それは、どういう事なのでしょうか。

社長
例えば、社内の植物はどこかに委託するのではなく、みんなで選んで配置までを行いますし、それを維持するのもみんなで行います。

―社内の植物の手入れは、どのようにされていらっしゃるのですか。

社長
月曜日の朝九時半からの15分間は、社員全員で社内のグリーンの手入れ時間と決まっているんです。その時に全員で水をやったり、枯れてしまった葉や花を捨てたりしています。それ以外にも、水やりを2日に1回は行っていますね。

―これだけの量があると、手入れが大変ですよね。みなさんで一緒に手入れをされるというのはとても良い社内ルールですね。

社長
誰かに来てやってもらうのではなく、私は社員に自分でやって欲しいと思っているんです。自分たちで葉を取ったり、水をやったりして、直接グリーンに触れて欲しい。そうする事によって、それらにもっと愛情を持って欲しいんです。

普段仕事をしていると、社員全員で、何かを一緒にやる時間というのはほとんど無いですから、この月曜日の朝の時間は、会社にとって非常に大切なんです。

植物を維持するという点だけでなく、仕事の上においても自分達で一緒になって何かを作り上げるという意識を忘れないで欲しいんです。

パークコーポレーション

―私は、小さい頃お花屋さんになるのが夢でした。大学卒業後、どのように起業への道へと進まれたのでしょうか。

社長
卒業後、最初に入社したのはニューヨークにある会計事務所でした。

―今とは随分違った業界にいらっしゃったのですね。

社長
はい。当時は、何かグローバルで手に職がつけられ、後に独立する時に役立つようなそんな仕事がしたいという漠然とした思いから入社を決めました。

でも、条件面だけを考慮しての入社だったため、わずか1年でその仕事は辞めてしまいましたね。

―仕事を辞める事を決断された時の思いとは、どのようなものだったのですか。

社長
「一度しかない人生、自分がつまらないと思う事に時間を費やしていてはもったいない。自分が楽しい、幸せだと感じられる事をしよう」と考えていました。

こんな思いを抱いて、帰国してすぐイベント会社を興しました。

―その後、どのようにして花屋さんへと移行されていったのですか。

社長
たまに勘違いされるんですが、別に私が無類の花マニアだったとか、ロマンチストだったからという訳ではないですよ(笑)。

ある時、花の市場に出向く機会があり、近所で1本800円くらいしているバラの花が、そこでは150円とかで売られている事に衝撃を受けたんです。近所の花屋って、ひどい商売してるんだなと。
この現状をみて、もし自分がバラ1本を300円で売り出せば、絶対に儲かると確信したんです。

―なるほど。良い所に目をつけられたのですね。

社長のように自分の好きな事を仕事にされていらっしゃる方は、私の憧れです。何かアドバイスをいただけるとうれしいです。

社長
人生の中では、思いを明確にしておくことが最も大切です。「何をしている時が幸せか」を考えてください。”これ”というものを見つける事が幸せへの近道ですよ。

誰だって、自分が幸せになれるような仕事をする方がいいですよね。私は今、毎日が日曜日のように楽しいですから。私が現在行っている経営って、花を育てるのに似ているんです。

―それはどういう事なのでしょうか。

社長
例えば、花作りの名人が、最もこだわるのは何だと思いますか。

土作りなんです。会社を花作りに例えると、企業風土が土で社員が種です。土は、目に見えない想いや価値観といったものですから、土が明確でしっかりしている事が非常に重要なポイントとなってきます。

また、人は種と同じです。良い土があって、そこに良い種を植える。良い水を与えて成長させると、やがて花を咲かせます。

きちんと人を育てて、良い商品を出して、お客様を大切にしていく。その結果、利益がついてくるというように循環するようになっているんです。

―とても分かりやすい例ですね!非常に納得できました。

社長ご自身は、チャレンジする事がお好きという事ですが、最後に今後のチャレンジをお聞かせいただけますか。

社長
長期的には、月に花屋を作る事。短期的には、トライアスロンで三時間の壁を破る事。ライバルの玉塚さん(ユニクロ前社長)に負けない事!ですかね(笑)。

小さい事でも何でも、私は昔からできるかどうか分からない事をやりたくなる性質なんです。これからも、今のフィールドを通して、もっと多くの人に喜びや感動を味わっていただけるよう、チャレンジし続けていきます。

“建物情報”

パーク・コーポレーションの事務所は、表参道の出口のすぐ目の前にあり、まさに誰もが憧れる青山エリアの中の一等地に位置する。茶色のレンガや、吹き抜けのエントランスなど、モダンなイメージであり、温かみのあるビルである。

4)まとめ

オフィスとは思えないその内装に、驚きと感動が連続の取材となりました。

自然とオフィスとの見事な融合は、まさに理想そのもの。この自然いっぱいの環境で働かれている社員のみなさんも、植物同様きらきらと輝いてみえました。

社員の方にお話しを伺ったところ、「もうこの環境が当たり前になってしまっていて」なんて仰っていました。うらやましすぎます!

井上社長のこだわりが巧みに再現されているオフィスには、勉強させていただく部分が多々ありました。今後も、社長のこだわりがいっぱい詰まったすばらしいオフィス、店舗、商品作りを期待しております!本当に、どうもありがとうございました!

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